これまでのお話 実家処分を決意するまで          
 
母が実家を離れて半年。
母はひとり暮らしにもデイサービスにも慣れて、だんだん落ち着いてきた。
 
私もゆっくりだが順調に片付けを進めていた。
心配していた庭の木々の伐採予定も決まったし、心にゆとりも出てきて、
「まあこれからも、のんびりマイペースでやっていげばいいや。」と思っていたニコニコ
 
母は時々片付けに参加する。
でも椅子に座ったまま、押入れやらタンスやらから荷物を出し、ひとつひとつ見てまた元の場所に戻す。
そんな作業を続けていた。
 
私が、
「捨てないのはてなマーク
と訊くと、
「わからないの。」
と答える。
 
私は、結局は私や兄弟たちの判断で処分していくしかないんだな、とその時悟ったショボーン
 
そんなある日の朝、前出のご近所のきれい好きなAさんから、急に私の携帯に電話があった。
Aさんご夫妻には、母が実家でひとりで暮らしていた頃から、緊急連絡先として私と長男の連絡先は伝えていた。
 
8時とか、結構早い時間だったと思う。
私が何事かと心配しながら電話に出ると、Aさんは言う。
 
「大変、言いにくいことなんだけど、ちょっといいかなはてなマーク
 
はてなマーク なになにはてなマーク滝汗
電線はてなマーク 電線になにかはてなマーク
 
私は枝が接触している電線に何かあったのかと思って、ヒヤヒヤしながら話を聞いた。
 
Aさんは言う。
 
「実はさ、お宅の車庫になっているあの建物の、トタンが強風で剥がれちゃってね。」
 
え~!? 滝汗 また新たなトラブル!? 滝汗滝汗滝汗
 
Aさんは続ける。
 
「剥がれそうなトタンが合計3枚あるんだけど、今にも剥がれそうで危なくってね~。
 
また、1枚は風であおられては浮き上がり、屋根に激しく打ち付けられててね。
バーンビックリマークバーンビックリマーク てね。
 
まるで、シンバルを打ち鳴らしているような音が夜中じゅうするんだよ
物凄い音でね。うちもだけど、多分ご近所さんたちも眠れないと思うよ。
遠いし、忙しいのは分かるけど、危ないからさ~。なんとか対策してもらえないだろうかはてなマーク
 
え~!! とってもヤバいトラブルじゃん!!滝汗
 
もしもその剥がれかかっているトタンが吹き飛んで、下校中の小学生とか、散歩中のおばあさんに当たったりしたら、むちゃくちゃ危ないじゃん。
謝ってすむ問題じゃないじゃん。
すぐにでもなんとかしなくちゃビックリマーク
 
こ、怖い!!滝汗 怖すぎる!!滝汗滝汗滝汗
 
それにそんな騒音でご近所じゅうにストレスを与え続けたら、ご近所との人間関係が最悪になるじゃん!!
 
でも私は長い間マンション生活と海外生活をしていたので、一軒家のそういったトラブルをいったい誰に相談し、直してもらったらいいのかわからない。
平日働いている長男(私の弟)にはあまり負担をかけないように気をつけていたが、今回は至急連絡して、翌日にでも見てもらえないか頼んだ。
幸い翌日は週末だったので、長男も駆けつけてくれることになった。
 
連絡を受けた当日、私は実家に行ってみた。
そのトタンはどんな様子なのかとドキドキしたが・・・。
 
なんと、それらのうち2枚は既に剥がれてしまい、庭に落ちていた。
 
良かった。
とりあえず、トタンはそこそこ重さがあったので舞い上がって飛んでいくほどでもなかった。
それらは道まで飛んではいかず、ただ庭に落ちただけで済んだのだ。
 
しかし、問題は一か所だけ留まっていて、バッタン、バッタンと屋根を打ちつけている残りの1枚だ。
 
どうしたものかと屋根をみていると、ご近所のAさんが梯子をもって来てくださり、屋根に登ってトタンを釘で留めてくれようとする。
 
ただ、そこはボロボロの車庫のもろい屋根の上だ。
もしもAさんに何かあったら大変だ。
 
下で、「こちらで誰か呼びますから、大丈夫ですよ。申し訳ありません。無理しないでください。気をつけてください。」を繰り返し、祈るようにAさんを見ていた。
 
その時、たまたまAさんちに、前出の庭師の方も植木の剪定で来ていて、庭師さんも屋根に登って補修してくれた。
 
なんていい人たち笑い泣き
危険なのに、助けてくれて笑い泣き
もう、感謝しかない。
本当にありがとうございました。
 
こうしてとりあえず、トタンが浮き上がらないよう応急処置はしていただいた。
 
その時、母はちゃんとご近所さんを大切にしていて、良好な関係を築いていたのだと知った。
 
そして・・・、私は悟った。
 
空家は危険なんだと。
放置しているだけで、危険なんだと。
 
私は決意した。
すぐにでもこの危険な車庫を解体しなければ!!
 
私はAさんに訊いてみた。
 
「すぐにでも車庫を解体したいので、どなたか解体業者の方をご存知ないですかはてなマーク
と・・・。
 
今回の事で私は、空家の危険性を認識し、はっきりと実家を処分することを心に決めて、それを家族に宣言した。