韓国のマンション事情(7) | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

 
韓国のマンションのほうがサッシの複層化などは日本の遥かに先をいってます。

  日本の板硝子協会なんかのホームページで、もっと複層・LOw-Eとかいい
ガラス窓を買ってくれーってので案内されている情報だと1994年の時点で、
窓ガラスの複層サッシ化は100% 達成とか。20年近くたって、日本のマンション
ではやっと過半になったかなってとこですから、韓国のほうがはるかに先を
いってます。
(こういうネタを書くと韓国嫌いの人は、すぐに、向こうのほうが寒いからだ
と反論してくるんだけど、負けは負け、素直に認めたほうが吉だと思う)

 
 100%達成ってのは、ちゃんと国策とかで誘導しないとだめなわけで、
たしか、イギリスでは、住宅の窓ガラスに単層FLガラスを採用したら違法建築。
ここまでやらないと、住宅の省エネルギー化なんて進まないと思うんだけど、
京都議定書以来あちこちの国が住宅の省エネルギー化を進めている割には
日本は、例によって政府が無策です。


 ---  断熱性の向上は、冬の暖房・夏の冷房のピークエネルギー需要の低減に
効果があるんだから、目下日本では急務だと思うんだけどなぁ。風力発電なんか
考えるより、使う電力を減らして平滑化したほうがはるかに効果的だと思う。
 どかっと新築マンションの熱損失係数(Q値)の基準を厳しくして、その
マンションの全戸が満たしていなけりゃフラット35非適合とかしてしまえば、
金はかけずに省エネに誘導できると思うんだけど。
政府の施策は、金をかけないで号令だけでただでできるのがよくて、
子供手当とか全戸ばら蒔きは愚策もいいとこだよな。
(私なら、全戸Low-E 化とかの補助金にでも充てる)

 
 マンションに住んでいる人は、戸建とかは隙間風で寒いとかの30-40
年前のイメージでとらえている人が多い。確かに熱侵入・熱損失は今でも
戸建のほうが多いけど、これは前後左右上下と6面から熱が逃げるのと、
マンション中住戸みたいに2面しかないのとの差が主。
 
 日本の戸建でも、既に窓のガラス複層化は新築施工面積の90%を超えていて
Low-E の採用率も5割に近い。マンションでは複層やっと半数超え、
おー晴海の三菱のタワーはLow-E だと話題になるくらいだから
マンションのほうが開口部の断熱性向上は遥かに遅れているのは間違いない。
 
 超新築のマンションだったら、サッシのガラスの端っこのほうに、
窓の省エネ建材等級が表示されているはずです。
2.33-3.49W/㎡・K が、ちょっといい複層サッシで3☆。
Low-Eとか気合いのはいったやつなら 4☆で、
単板ガラスなら、4.65W/㎡・Kより大きい 1☆でしょう:
 
 新築マンションを訪問すると星の数をかぞえてふむふむとか...
新居のお祝いとかでお呼ばれしているパターンが多いので絶対口にはださない
ですけども。
  最上階角部屋とか熱損失では厳しいとこも含めた全戸で基準を満たさない
とマンション全体の省エネルギー等級はアップしないので、都の評価だと、
★が一つ減ってしまう(これは都の施策はまとも)
 角部屋とか開口部の多い部屋で特におごっているパターンが多いので、
タワーの角部屋とかにいくと必然的にいいガラスのを奢っている気がします
(人のうちを訪問して、ガラスの脇っちょの★の数を数える人もすくなか
ろうが、ヲタクってのはそういうものです)
 
 典型的なマンションでの窓からの熱の出入りは50%を超えてます。
単層 FLガラスFLガラス1枚だけには、6.5W/㎡・K
  (温度差が1度あると、1㎡あたり6.5Wの熱が逃げる)これが複層サッシ
に替えれば3W/㎡・K でガラス1枚か2枚かでおおまかに2倍違う。
 
 厳冬期で、内外温度差を20度にとると、複層サッシは、1㎡あたり、
冬には、60Wほど単層よりエネルギーを節約するけども、これは同じ面積に
敷設された標準的な床暖房の発熱量と同じですね。
(実際には床暖房は、1平米あたり、90W程度熱消費してますが、2/3程度
しか実際には室内を暖める効果はない)
 サッシが単層だったら、床暖房で温めるくらい複層に対してもう損して
いるわけですから、私が思うには、サッシ単層で、床暖房を入れても殆ど
意味がない。
 
 今熱損失係数Q値は、東京・大阪(地域区分IV)では、2.7W/㎡・K だから
70平米のマンションなら、温度差20度なら4KW 熱が抜けても
"平成11年”制定の ”次世代”省エネルギー基準をクリアできちゃう。
人体とか、冷蔵庫TVなど室内家電製品による発熱量は1KWを言われてます
から差分の3KWはせっせとエネルギー消費しないと外との温度差は維持
できません。
 
この基準、世界標準からみればまだゆるゆるではないかなぁ
 http://www.ibec.or.jp/pdf/sjuutaku8.htm

東京あたりで、南ヨーロッパなみを指定しても、住宅はむちゃくちゃ
コストアップするわけではない。
 
 東京あたりは暖房デグリーデーが、2000度・日あるから、
50000K×時間の温度差を暖房で作っている。
複層サッシで、1時間1度1平米 で3Wエネルギー節約できるから、
1平米で年間150kWh 分、クーラーの平均COP=4としても
サッシ1㎡あたりで、年間~40kW時の節電になるわけで、全国で
集めれば凄い量だと思うんだけどなぁ。
 
 管理組合の立場からだと、サッシや窓は、共用部分で、そう簡単に
入れ替えできないし、30年くらいでできるとしても、可能なのは
せっせと30年修繕積立金を積み上げて無駄使いしないできた
管理組合の運営が1流でずっとこられたマンションだけでしょう。
 
 今の時代、窓ガラスが、温度差で結露するようなマンションは
そろそろなしにして、もちょっと国際基準に近くしていってもいいんでは
ないかなぁとか思うわけで、
その点では20年前に100%を達成している韓国は偉いと思うわけです。 
 
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このシリーズはこれでおしまい。 その1-6はこちらで読めます
韓国のマンション事情(1) http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11234864659.html
韓国のマンション事情(2) http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11236236245.html
韓国のマンション事情(3) http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11236301915.html
韓国のマンション事情(4) http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11236320622.html
韓国のマンション事情(5) http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11237203785.html
韓国のマンション事情(6) http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11237218062.html
 
 次回は ”マンション理事会オフ会にでてみませんか?”です。
 
 
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