この数日のレッスンから。
登場してる方、ごめんなさい。
誰かは ばれませんから(笑)
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「録音を聴いている時にふとチューナーが目に入ったら、レとミがすごく低い事に気がついたんです」
>「ずっと言ってますけど…」
(二年くらい?笑)
「そこの音程が取れたらその上のラからがずっと楽に出る様になりました」
>「それも言ってましたよね~、下のドとレの移り変わりからそれは始まってますよ」
☆これは、この方に限った事で無くて誰でもどこかにこう言う部分が有ると思います。もちろん、僕自身も有る。そこに自身が気がついた時~そこの感覚が開いた時に初めて全ては動き出すんです。それまではどんな立派な理屈もシステムも根本的には役に立たない。対処療法なんです。その場で経験させる事~例えば音を響く様に、高い音が出る様に、リップスラーが出来るよう等、そんなに難しい事で無いし、それが出来ないのにラッパを教えるのは…。指摘だけは誰でも出来るんです。
実は体感をして貰ってからが一番難しい。それを自ら再現出来るようになってもらう事。感覚を開いたままにしておけるのは本人しか出来ません。
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>「高い音や難しい音で目をつぶったり、顔をしかめるのをやめてご覧。そして、そこは意識的に前を向いて。」
あるオケの中のオーディションで吹かなければいけないドボ8の有名なラッパのオクターブのフレーズをベー管で見事に吹いた中学3年生さん。高いラが何度やってもストライク。まだ、アンブシュアの大きな癖が抜けてなくて「これからゆっくりと身体や呼吸をしっかりとさせて少しずつ良い方向へ持って行こうね」と話していた直後。
音は出るけど上手く吹けないと言っていたのに何故か上手く行ったと、、いや、こっちがビックリしたわ。。当日も同じ感じで行けると良いな~
この日の最高のアドバイスは目を瞑るな(笑)
元々、6,7 で 10 を察する子だし、本音だけ話せば伝わるしコツコツやってるのが分かる。きっと高校生になったらぐっと伸びる。
アンブシュアは一切触れてないのに少しづつ良い方向に向かっている。
お願いだから誰もそこに口出さないで!!!!!
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どうしても音階などで音が動く時に音の動きを唇で掴んでしまい響きが曇る。
そこで、声で「エーオーアー」と歌ってもらいました。(これは誰かの受け売りの声の出し方~誰かは、、忘れました。覚えのある方ごめんなさい。でも、使い方が違うと思います)その時に各母音から次に移る時に声の変化を音のグランデーションの様に。エーからオーの間にエとオの間の音が無数に入る様に歌ってもらいます。E~~~Ö~~~Oみたいな(笑)
その後に、いま歌った時に使った "聴き方" で聴きながら吹いてもらうと音が自然に響いたまま繋がる。動きに注意しながらリアルタイムでモニターする事。耳が働き始めると身体の動きが変わる。
因みに声を出す時に片耳を塞ぐのはこの場合はNG。それは周りの音が混乱していて自分の声が聴こえない時に自分の中の音を聴くためにする行為で、実は楽器が上手くなるために必要な第一歩の耳の使い方は真逆。
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自然にTAと言えない…
「畳」「叩く」「戦い」など言葉を繰り返し声に出してもらい、その「タ」を覚えてもらい声で「タタタタタタタタ…」と続けて貰った後で楽器でタンギングを吹いてもらうとクリアーで自然な発音になる。
どの音域でも基本は「TA」
この時に舌の動きや口の中の分析は却って邪魔になる。言葉として意識するとスムーズに進む。
ちゃんと TA と喋れると過度に唇の振動を意識する事から離れる事が出来ます。勝手に仕事をしてくれる。
僕はロ短調ミサ、クリスマスオラトリオ、ブランデンブルグ… 最高音まで全部 TA で発音する様になって飛躍的にコントロールと耐久力が伸びました(当社比)
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中学三年生くん。
>「いま、自分として上手く行った?」
「行ってない。」
>「何故?」
「何々がちゃんとしてなかったから」
>「どうして何々がちゃんとしてなかった?」
これを繰り返して4,5回続けると返答に困ります(笑)
>「いつもこう言う風に思いを巡らせて練習してる?」
「してない…」
>「この先上手くなるためには頭の中でそれが必要だからね。」
そして、丁寧にしようとするとエネルギーが落ちる。これは他の方にも共通する事で。丁寧と消極的、恐々は違う。
大きくと言うと羊羹の様な息を吐こうとする。音を真っ直ぐ=息を真っ直ぐでは無い。音は自然減衰が西洋音楽では大前提。
鐘の音。
昨年のケムニッツでのコンサートの録音を聴かせる~ラッパ15本が吼えてるがうるさく無い。これは印象的だった様で途端に音が変わった。
想像力(イメージする事)は副作用の無い最も有効な方法。
この子も深い所のスイッチが入ればぐっと伸びると思う。小学生の時から通っていて、最初は集中力が保たずに一緒に30分位吹いてるだけ。とにかく、嫌いにならないで気が向くのを待ち続けた感じ~男の子は余程ハマってないとそんなもんですが。。中学の最初にはマウスピースの場所が曲がってると先生や出入りの楽器屋さんにまで口を出されて… でも、アンブシュアには一切に手を入れませんでした。
今では、気が向いてちゃんと吹くと(笑)真ん中からハイツェーまで上って下のベーまでスラーで降りてこれますよ~
大人は子供の伸びを邪魔してはいけない。
☆~~~~~ おまけ ~~~~~☆
姿勢の話をしてしてる時に呼吸に触れて、息は吐くのでなくて上手く吸えれば自然に外に出て行くという話をしました。支えはその出て行き方をサポートする事。その時に、空気にも重さが有る。体育館いっぱいの空気は象一頭分。ヒトの身体はその空気の圧力に負けない様に外側に押し返している。実は肺も口から空気が入り込まない様に空気を外へ押し返している。そこで思いついたのが、その外に押し返す力を外してあげれば空気は身体に入って来る。これは、自分にはとてもしっくり来てます。そして、入って来たら出て行くのを身体に任せる。
ヒトの身体に付いて研究したメソードは多いですけど、もう一つ先、身体を取り巻く環境にまで目を向けるともっと面白いのでは?と思ってます。重力とかも。ヒトの身体だけを見ても本当の意味で解決しないかも知れない。
科学的ってそういう事ですよね?