三鷹市議会 令和2年第1回定例会 本会議5日目 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和2年第1回定例会 本会議5日目

今日は定例会最終日でした。流れを書きます(指定議決による市長の専決処分の報告は割愛)。

13時から本会議、最初に各委員会の審査報告書が読み上げられました。審査報告書はこちらをどうぞ。

そして、各議案につき採決。2年度当初予算を除く議案につき、私がどのように考えたのかについては、この議案上程の部分をどうぞ。

これらのあとに、予算についてです。考察の過程はここにまとめています。

この中に、私が予算書を分析したものがあります。
三鷹市議会議員半田伸明による三鷹市令和2年度予算の解説

結果として、全ての市長提出議案に賛成しました。
ただし、最近発生した新型コロナショックともいうべき経済状況がどのように三鷹市に影響するかにつき、いくつか重要課題を指摘しておきました。結論を先に書くと、リーマンショック級以上の景気悪化局面になるとみています。以下の討論をご覧ください。

<議案第13号 令和2年度三鷹市一般会計予算 賛成討論>
今回の予算編成の最中と、予算審査の時点で大きく局面が変わりました。いわば新型コロナショックともいうべき景気悪化局面がとうとう始まってしまったという点です。

振り返れば平成20年9月にリーマンショックが発生した際、わが市は大変な苦しみを味わいました。20年度に353億あった市税収入が、21年度は3億減の350億で済みましたが、22年度から大幅に悪化し、20年度の350億を起点として、22年度は9億減、23年度は6億、24年度は7億減と3年にわたり苦しみが続きました。

しかし、当時はまだよかったのです。なぜなら不交付団体にも拘わらず臨時財政対策債といういわば赤字借金をすることができたからです。当時私は赤字借金をすることに絶対に反対でした。
その代表例は、21年3月補正です。6億臨時財政対策債発行、それをそのまま基金に積むということがありました。借金して貯金するとは何事かと発言したことを今でもはっきりと覚えています。
しかし、臨時財政対策債の制度はもうありません。すなわち赤字借金すらできない状況が今なのです。

リーマンショックをどう乗り切ったか、当時の数字を追いかけてみました。先に紹介した21年度の6億、この側面は22年度も続き、さらに新川の市営住宅跡地売却15億もありました。これらの合計27億に行財政改革をプラスして何とか乗り切ったわけです。

そこで、基金の状況を振り返りますと、財政調整基金に限定すると、21年度の当初予算の時点で17億あり、今回は27億で10億の増は確かにあります。
基金全体で見ると、21年度は63億でしたが、今回は114億あります。
つまり、基金残高でみると、問題ないようにも思えますが、ここでネックになるのは財政調整基金の上乗せは当時に比べて10億しかないという現実です。
基金は全体で見るべきですが、いざというときは条例を廃止するなどして真の意味で基金全体で考えなければならないのです。

また、当時と異なり、新川市営住宅跡地のような条件が今回はありません。井口につきうるか売らないか過去議論がありましたが、当面売らないという姿勢になったのですからなおさらです。この側面からは今回は大打撃は必然です。

いずれパンクする不交付団体が出てくるでしょう。それに備え、あらかじめ国に補填のあり方を考えてもらう必要もあります。
現状の減収補填債は個人市民税減収にはマッチしていません。この意味で臨時財政対策債復活の交渉も、不交付団体であり赤字借金となるのはわかっていながら、つまり禁じ手とわかっていながら、国に働きかけをしなければならないかもしれません。

さらに、いわば経常運転資金が枯渇するのは時間の問題ですから、今回のまちづくり施設整備基金3億積み立ては了承しますが、次年度からはその分財政調整基金に積むべきでしょう。さらに、一般質問で追及した井口グランド売却相当分の内入れの問題もあります。これがなされないなら、当然ながら今後の私はありとあらゆることに批判の目線で臨まなければなりません。

このように、この1か月で状況は随分と変わりました。以上を踏まえて、大変厳しい指摘になると承知の上で、以下に述べる10点につき真摯に受け止めていただきたいと思います。

1)国に対し、臨時財政対策債復活を含む、不交付団体ではあっても市税収入減を補填する制度の創設を求めること。
2)市庁舎建て替えのための基金の条例を廃止し、25億全額を財政調整基金に積み替えること。
3)例年9月の予算編成作業開始時点で判明するであろう市税収入につき、6月など早い時期でいわば市税減収の速報値のようなものを見定め、それに合わせて、いわば早めに覚悟を決める姿勢で臨むこと。
4)市の一般財源で現金給付というようなことは絶対にやめること。
5)オリンピック・パラリンピックは延期ないし中止が見えているが、このように使わないであろうと判断できる事業につき、9月の時点できちんと減額補正をして、その分財政調整基金に積み増しすること。
6)新都市再生ビジョンについては、分散投資路線を諦め、2030年以降の集中投資路線を想定して編成作業を進めること。
7)土地売却収入を一般財源に充てる観点から、井口グラウンドの全部ないし一部売却につき早急に検討を開始すること。
8)過去を清算すべく、井口グラウンド売却相当分を捻出することにつき、令和3年度、6年度、8年度の内入れをきちんとすること。これは最優先事項であり、資金難だからと言って逃げてはならない。
9)かつての事務事業総点検運動のように、聖域なき行財政改革に取り組むこと。
10)今回のまちづくり施設整備基金3億積み立ては了承だが、3年度以降は積み立てるなら自由度が効く財政調整基金に限定すること。
 
まとめに入りますが、本予算案は、私が絶対的な条件としている「返す以上に借りない」を満たしていることから賛成とします。また今回国保値上げもありましたが、一般財源からの繰出しのあり方を考えると致し方ないものと考え、各特別会計への繰り出しのあり方も含めて、本予算案には賛成といたします。

以上になります。

これらの後、市長から議案上程。緊急の補正予算追加です。議案はこちらを。
見込んでいなかった補助金が急遽見込めることになり、それをそのまままちづくり施設整備基金に積み立てるというものです。
大変助かりますね。おそらく都がお金が余ったというかそういう話かもしれません。もちろん賛成です。

次に、意見書案・決議案です。内容はこちらをどうぞ。
いつものように、下記の文章を読み上げてすべての意見書案につき退席しました。

<意見書1号 退席討論>
29年第3回定例会における意見書(案)第12号に述べたことと同様のことを指摘して、意見書提出の請願に賛成した関連の8号を除き退席します。

なお、決議案はだいたい賛成するのですが、今回の決議案は、都が井戸からの汲み上げを停止している、とありながら、当該井戸水を飲料に用いないこと、とあり、汲み上げてないなら飲料に用いようがないので、日本語として理解できない部分があり、賛成せずに反対するしかありませんでした。

以上になります。市側の発言場面はないので、動画紹介は割愛します。賛否一覧は後日市議会HPに載りますので、そちらをどうぞ。

なお、現時点で判明している、次の各委員会の日程(予定)です。これらはまだ最終確定ではありません。
総務・文教・厚生 5/18 9時半~
まちづくり環境 5/19 13時半~

最後に、今定例会の一連のブログのエントリーをわかりやすく並べておくことにします。

市長記者会見資料・議案他(定例会前の資料整理)
議案説明(議案内容及び半田伸明がどう考えるか)
議案審査(付託された議案の審査参考資料の紹介)
三鷹市 令和2年度予算について(予算各資料のまとめ)
行政報告資料(特別委員会含む各委員会の行政報告資料の紹介)

そして、一般質問です。
改選後一貫して財政の質問をしています。流れを意識して毎回臨んでいますので、最初から順番にお読み頂けるとわかりやすいかと思います。
令和元年第2回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart1
令和元年第3回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart2
令和元年第4回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart3
令和2年第1回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart4

以上になります。
今定例会もお付き合いいただき、ありがとうございました。