三鷹市議会 令和元年第4回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart3 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和元年第4回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart3

改選後ずっと財政運営の質問が続いています。今回はその3回目でした。財政を無視して無謀な再開発に突入することだけは何としても避けなければならないという思いから、今回は再開発の規模につき質問することになりました。

動画はこちらになります。
以下、再質問含め流れをご紹介します。

(質問)
1)市長は新市庁舎建設につき、知恵を出せば0円建設可能と主張して市長選に当選した。同時に「政策の優先順位が違う」として三鷹駅南口中央通り東地区再開発事業が先と主張していた。第一種市街地再開発事業を考えているようだが、多額の支出が想定される。市庁舎が0円で東地区再開発に多大なお金をかけるとなると、作りたいものにお金を先に回しているだけとの批判が出るだろう。この点を市民にどう説明していくのか。所見を伺う。

2)国の市街地再開発事業に対する支援制度について。社会資本整備総合交付金等として地方公共団体3分の1、これを都と案分して三鷹市は6分の1負担ということになる。実際は工事の進捗状況により数年かかるのでこの6分の1部分はだいたい5年で出すことになるだろう。ただポイントはこの為の起債ができないという点にある。ということはその分キャッシュを用意しなければならないことになる。ここ数年タイトな予算編成になっていることに思いを馳せると、実際は基金取り崩しで対応するしかないだろう。この観点から基金の残高につきどのようにしていくつもりなのか。所見を伺う。

3)駅前周辺にある公共施設を売却するなどして新施設に入れる、いわば施設の集約・再配置により、例えば土地売却資金相当分を先に述べたキャッシュ部分の一部に充てる発想は必要なことになるだろう。この観点から公共施設再配置及び新施設への集約について所見を伺う。

4)近隣の地域を調べたが、例えば国分寺市は総事業費445億に対しキャッシュ部分で26億発生し、さらに一般財源の負担が78億発生したと聞いている。総事業費の約4分の1に該当するお金が手元資金でというのは大まかな判定基準とみてよいのか。大まかな判断基準が必要になると考えるが、この点をどのように捉えているか。所見を伺う。

5)補助対象になれば6分の1負担で済むことを考えると、市街地再開発事業の交付対象項目にどれだけ盛り込めるかがポイントになるだろう。もっとも先に述べたようにキャッシュの総額という壁がある。仮に市庁舎の基金それにまちづくり施設整備基金を合わせて50億くらいが限界ではないかと考えているところだ。それが6分の1なのだから逆算すると大まかな総事業費のメドが出てくるだろう。このような施設にしたいとイメージが先行する前に、キャッシュ部分でどれだけ準備可能なのかを常に念頭に置き、いわば身の丈に合ったものにしないと財政的に大変な事態になってしまう。ここを恐れている。今後どのようにこの再開発事業を進めていくつもりなのか。所見を伺う。

(答弁要旨)
(質問1部分)
市役所の建てかえと再開発が全く違う点は、市役所の建てかえは、市の所有する土地の中に市の施設をつくるわけで、そこには税金が発生しない。つまり、そこで生まれる税金でもって、さらに福祉や教育に還流していくという仕組みはできない。
一方、三鷹駅前の再開発は、そこに固定資産税や市民税などが発生して、回収できるし、また賑わいによって回収できる。次の大きな税源として期待できる。三鷹市全体の活性化に必ずや波及するはずだという確信がある。

(質問2部分)
キャッシュフローはどのぐらい必要か。そのために用意するものは何かということは、大変重要なことだと認識している。基金の積み立てを行うともに、決算において取り崩した額を最小限に抑制するなど、残高の確保に努める。

(質問3部分)
再開発における公共施設の設置については、まだ内容については決まってないが、設置する施設に必要な床の広さや設置にかかわる経費、集約によって発生する跡地の売却等による費用軽減など、あらゆる要素を考慮しながら、多角的に検討を進めていきたい。

(質問4部分)
市街地再開発事業は、解体費や補償費、あるいは建設工事費など、事業主体が施工・整備に要した資金を、高度利用によって生じる保留床の売却、そして国、都、市からの補助金などで賄うスキームとなっている。どのような公共施設を整備するか、あるいはどの程度の保留床の処分が可能なのか、また、補助対象となる事業費がどの程度となるか、それぞれの再開発事業において特質が異なる。従って、他市の状況をベースに一律の判断基準を示すということは、非常に現時点では困難と考える。

(質問5部分)
財政負担を念頭に置いた事業計画をという重要な指摘である。その点はきちんと対応する。

(再質問)
共用部分について。
共有部分の6分の1負担は現金用意しなきゃいけない、これは間違いない。
基金で50億、60億と用意した場合に、逆算すると掛ける6になるわけだから、共用部分が200億ないし300億というふうに数字がある程度読めてくると思う。共用部分にうちが出せる6分の1の負担が果たしてどこまでが限界なのかについては、一般財源から5億、10億の負担を5年間増やすではなくて、基金の限界で取り組むべきだろう。
でないと、一般財源にしわ寄せがいってしまって、結果、本当に福祉にしわ寄せとかいう批判が該当しかねない。

(答弁)
いつの段階で一般財源、基金の取り崩しで一時的なお金が必要になるかということだが、おそらく都市計画決定が行われてから、保証金の支払いがその後3年から4年の後、さらに工事が5年目以降ということになると、三鷹市としても、お金をこの間にためておく期間的な余裕は一定程度あるものと考えている。
基金をためるということと同時に、今後の財政フレームだが、義務的経費につき今後ほぼ横ばいで推移すると推計している。
土地開発公社での未収金土地の繰上償還に取り組んできたが、今年度でそれが一定のめどを見る。目標額が今の段階で見えないという状況の中では、できる限りの基金の積み立て、これでの一時金の支払いの確保に努めていく。

(再質問)
公共施設部分について。これは起債が可能だ。これは結局、単年度公債費にはね返るんだろうと思う。
数年後、芸術文化センターの債務がなくなる。毎年4億。で、4億の分を仮に20年返済で80億の起債を組む、これは理屈はわかる。
ところが、それ以外の部分が見えてこない。だから、井口を早くしてくれと言った。井口の53億を一気に無理してでも返済をするならば、複数ある元気創造プラザの債務を数本内入れすることにより、その分頭が減ることになる。再開発事業の頭金にはね返ってきて、結果、4億のところが8億返済できるかもしれない。だから、井口を急いでくれと言った。

注)
つまり、今返済を頑張れば、その分大きな事業を見込めるんだよという、私にしては珍しいヒントを上げる質問だったわけです。

(答弁)
井口の返済は、例えば、20年償還を15年だとかそういった形に短縮することで、一定の後年度負担を下げていくことは可能だ。
(単年度公債費は)一旦上がってしまうという事態は生じると思う。ただ、その上がり幅を最低限に抑えつつ、その後の公債費、これをしっかりと減少させていくということで、財政運営に取り組んでいければ。

(再質問)
(単年度公債費が)一旦上がってしまうことはだめだ。もしそうなるなら、私は徹底して反対に回る。(井口特設グラウンドの債務が残ったまま)新しく発生する債務の償還払いが始まった年になったら、単年度公債費は当然増える。そうなると、一般財源に結局負担がいく。
だから、東地区再開発の部分の起債の償還が始まる前に井口は決着をつけないと、一般財源に大きな迷惑がいくと思う。

(答弁)
井口を売らないとは言っていない。一部の売却だとかそういう話は当然出てくる話だ。そうなれば、その部分について繰上償還に充てる形を示すが、それが今ではないということを御理解いただきたい。

(再質問)
共用部分は現金が必要、一般財源に迷惑をかけないよう、基金で対応できるように準備する。
起債部分については、単年度公債費が上がらないように、井口のあり方も含め、平準化を極力守っていく。この2つをぜひ守ってもらいたい。でないと、この再開発事業は大変な事態になってしまう。

(答弁)
財政的な問題というのは一番基本であるから、きちんと認識した上で、しっかりとマネジメントしていきたい。

以上になります。

大雑把に書きますと、河村さんが目指している第一種市街地再開発事業のスキームは、共用部分と公共施設部分の大きな2つの枠組みに分かれます。

前者は起債ができないから現金が必要、しかし一般財源に迷惑かけるわけにはいかない、だから基金積み立てが必要になるよねということです。
また、共用部分につき市負担は1/6ですから、払える金額を6倍にすると、ある程度の共用部分の総費用は見えてきます。これは結局、今後の基金積み上がり方によるでしょう。
基金だけだと足らない、だから一般財源からの負担もという話になっていくのであれば、これはもう反対して当たり前ですね。

もうひとつの公共施設部分ですが、これは起債が可能です。しかし、借金は返すものだから毎年返せる体力測定が必要になるのです。現状毎年35億前後(元金部分)で推移している公債費ですが、仮にこれが45億に跳ね上がりそれが数年続くとなれば、これはこれで一般財源にしわ寄せが行くことになります。
結局、こういう施設にしたいと夢物語を言う前に、限界があることをわかってほしいという質問だったわけです。

そもそも、防災公園・元気創造プラザ事業で大きな債務が発生したときに、井口特設グラウンドを売却して財源に充てるという話だったのです。
それを黙殺して、新たに大規模な再開発に突入するというのなら、それは私は認めることができません。当然です。一般財源の負担が増える状況で、仮に負担しきれずに、例えば公債費を準備できない、福祉を一部削るしかないとなったら、それは本末転倒だからです。

さて、本ブログ記事をまとめている最中に、木曜日に予定されている全員協議会(非公開)の資料である、第4次基本計画第2次改定の2次案に目を通しました。財政フレーム部分のところを見ましたが、そこに次のような記述がありました。

「三鷹中央防災公園・元気創造プラザに集約した施設については、跡地を売却し、繰上償還の財源とすることとしていましたが、井口特設グラウンドについては売却を見込まない償還計画へと見直すこととしました」

正直呆れました。検討中とかにしておけばよいものをこうもはっきりと書いてくるとは。あの議決の条件を踏みにじりますよということを堂々と計画の中に書いているようなものなのです。
もっとも、その後の部分で用地売却を否定しないような書き方もなされていますが、そもそも売却を見込まないと言いつつ、売却により財源確保と書いている時点で、日本語として破綻しています。

しかも、財政フレームを見ると、市税収入はアップを見込んでいたり、公債費は井口部分を黙殺したと言われても仕方がない数字が並んでいたり、きつい言い方ですが、絵空事です。

こうなるはずだ!という中途半端な甘い見込みで突入して、結果として財政悪化につながる例はいくらでもあります。私はこの2次案を見たときに、こういうことがまかり通るならますます危険な状況になっていくなと感じましたし、これは議会側からブレーキ役が必要になってきますね。次年度当初予算がどうなるかがポイントですが、賛成多数であるようなら、「安心して」私が正論をはくしかないのかなと考え始めています。

「約束したことを反故します、新たなことをやらせてください。」

これを追認するようなら、市議会は必要ないですな。
清原さんだろうが、河村さんだろうが、そもそも私は好かれたいとは全く思っていないし、職業人としての責務を果たすだけです。第4次基本計画第2次改定の2次案を見る限り、少し距離を置いた方が良いなと考えています。

議会人というのは、ついてまわる役柄というようなものがあるのです。
個人的には景気下降サイクルが終了するであろう2030年以降に本格返済が始まるのなら、一定の投資も可能であり、その意味で駅前再開発に理解を示している部分が私にはあります。
しかし、その思いと、私が演じるべき役柄とは別の話です。
議決の前提条件となっていた部分を反故にするとなりつつある状況を、ちょっと待て、議決を何だと思っているんだと正論を吐く議員は絶対に必要です。

私は、議会人としての責務を全うするつもりです。それが私に課せられた責任だからです。

今後は答弁部分にある井口部分の債務期間圧縮につきどうなっていくのか、ここに注目したいと思います。私は誰よりもきつく指摘をするという自負がありますが(笑)、その私から見て井口部分につきなるほど!という部分があるなら、それはそれで理解を示すことになるでしょう。