三鷹市議会 令和元年第3回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart2 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和元年第3回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart2

前回に引き続き、今回の財政運営の質問でした。前回は危機管理の視点から基金残高について、今回は借金のあり方につき質問となりました。

動画はこちらになります。

以下、再質問含め流れをご紹介します。

(質問)
1)防災公園・元気創造プラザ事業で、まだ130億円残っている大きな借金が発生した。社会教育会館跡地、総合保健センター用地、井口特設グラウンドの市有地売却により67億円の収入を見込み負担額を減らすという説明かがあった。社会教育会館跡地は決着したが残りの2つはまだである。市長が副市長時代の話であり、新たに市長になったからといって覆すことはあってはならない。やりたい政策をやる前に、まずは過去の説明を履行するのが先である。所見を伺う。

2)総合保健センター用地について。三師会との話し合いにより、休日診療の薬局部分を含めこの地に変更するという話を耳にした。つまり売却が遅れることになる。もともと32年度に売る予定だった。5年ないし10年遅れると仮定した場合、本来減るべき金利負担が残ってしまう。幾らになるのか。

3)井口特設グラウンドについて。大沢の調節池が東京都の貯留量の増強工事で概ね5年使用できないということから、市内のスポーツ施設の状況を考慮し、33年度に売却予定と延期になった。この延期に伴う、本来減るべき金利負担で幾ら発生しているのか。また、33年度の売却方針は変わらないのか。

4)同じく井口特設グラウンドについて。河村市長は選挙公約で売却ではない方針を打ち出していた。副市長時代の説明を自分で覆しているわけで、驚いたことを覚えている。選挙時点で売却相当額の財源をどう捻出をするつもりだったのか。

5)ここ数年、土地開発公社の借金を減らすべく、おおむね毎年約10億ずつ返済してきた。これらは今年度で決着をするが、市有地売却が遅れる分、同じように10億ずつ準備をして、借金の打ち入れに充てるべきだ。所見を伺う。

6)(これらの土地を)もし売却しないのなら、本来減る借金が減らないことになり、議会や市民に対して説明がつかないことになる。この場合、他の用地の売却も選択肢に入れなければならない。三鷹消防署が移転になるが、跡地を売却することは考えているか。その場合幾らと計算しているか。

(答弁要旨)
(質問1部分)
財政の健全性を維持する必要性は十分に認識している。市有地を売却して三鷹中央防災公園・元気創造プラザに係る市債の繰り上げ償還の財源として負担を軽減する考えに基本的には変わりはない。一方、大局的にみて土地の売却を含む資産活用については、慎重な判断が必要だ。選挙時の公約もある。将来を見据えた財政運営に取り組む。

(質問2部分)
売却を想定している7.7億円に対し1年間で生じる利息は約800万と推計している。

(質問3,4部分)
井口特設グラウンドの売却を令和3年度まで延期したことに伴う4年間の利息増は1億7000万と推計している。
売却方針については一度立ちどまり、防災都市づくりの観点からの資産活用として考えている。
仮にここを売却したとしても、長期間ここを暫定といいながらグラウンドとして活用していた市民の人たちにとってはなくなることになるから、また新たにグラウンドを求める必要が出てくる。
あるいは、防災上の問題で、避難場所としての位置づけを考えていく必要が出てくる。
売却という方法だけではないと選挙時には考えていた。現在も同じだ。例えば定期借地権を設定する方法も含め他にも様々な方法があると考えている。
財源の確保と資産の活用の方向は矛盾せずにあり得るのではないかとの観点から、選挙時には公約に掲げた。

(質問5部分)
指摘の点は参考になる。検討を進めたい。

(質問6部分)
例示の消防署跡地含め、幅広く財源の確保に努めていく。そこは9億円前後と考えている。

(再質問)
社会教育会館跡地の場合、東西道路を通すという公益的な部分があったが、総合保健センター用地は違う。市庁舎の全体的な再開発のもとに一旦立ち止まると決定したのは市長ではないか。総合保健センター用地売却で予定されている7億6000万は返済の準備をするべきだ。

(答弁)
売らないわけではない。しかし、売らない期間の利息が発生する。先ほど土地開発公社の例示もあった。的確な対応をとっていく。

(再質問)
社会教育会館跡地の場合、活用方針を打ち出した後にすぐに財源準備したのが清原さんだった。総合保健センターはどうなのか。清原さんと比較させてもらいたいと言いたくもなる。厳しい言い方だが。そのぐらい大切な話なのである。方針の変更があった場合に以前の責任をどう履行するかについては、清原さんはしっかりしていた、ここは一言言わせてもらう。(総合保健センター部分の)7億6000万は用意して当たり前である。
井口グラウンドについて。ふたを開けたら53億に満たないというのはあり得る話だ。それを考えると残すという選択肢もあろうかと思う。だとしても借金については返す、この姿勢を今一度見せてほしい。売却云々ではなく、借金を正面から見据えているか。

(答弁)
財政調整基金は繰り上げ償還の財源としても活用できる基金だ。例えば、土地開発公社で今後浮く額の一定額を財政調整基金に確保し、時期が来たら取り崩して繰り上げ償還するという財政運営は可能だと思っている。

(半田の締めくくり)
きついことばかり言って申し訳ないのだが、まずは約束したことを守ってほしい。やりたいことを言うのはそこから後だ。駅前にしても何にしてもそうだ。だから、議論の入りロにすら立っていないと思う。
防災公園の際に発生した債務はこうするみたいなことをきちんとたたき台を財政主導でつくってもらう。それをきちんと見せて、議会側でも一定程度、なるほどと了解を得て、そこから初めて市長のやりたいことについて、我々が真摯に耳を傾けていくだろうなと思う。
私が借金のことを厳しく言うのは、それが大前提だと思っているからである。
前回、基金の質問は危機管理の観点から質問した。今回については、「やりたいことをやる前に、まずやるべきことをやってくれ」という観点から質問した。財政運営の質問は次回も続くことになる。

以上になります。
副市長時代に返すといっていた借金を、市長になったら返さなくてよいと「議会側が」黙認するのは絶対にあってはなりません。議会は権力者の行為をただただ追認するだけの存在ではないからです。
確かに、河村さんのマニフェストのことは問題でしょう。そもそも井口グラウンドを売却見直しというマニフェストを出す時点で、私に言わせればいわば信義則違反ともいうべきものなのです。
もちろん今更あのマニフェストはどうのこうの蒸し返しても意味がありません。既に選挙は終わってますから。だからこそ、過去の発言と現在の意向の整合性を統一させる必要があるのです。

総合保健センター部分は来年度売却予定だったのですから、今回の決算で発生した剰余金を充てるか、少なくとも次年度予算に財源確保して返済すべきです。井口グラウンド部分については、私自身は売却しない可能性も理解し始めてはいますので、では予定の令和3年度にどう53億を準備するべきかとなります。一度には無理でしょう。それは理解します。何年かけて返していくのか、まずはロードマップを作成して総務委員会に行政報告すべきですね。

これら借金問題を片づけて、それからはじめて市長のやりたがっていることに耳を傾けることができるのです。そうしないと、いわば三鷹市議会の自己否定となりかねないからです。