三鷹市議会 令和2年第1回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart4 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和2年第1回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart4

改選後ずっと財政運営の質問を続けています。今回で4回目になります。何度かきつくしてきた防災公園・元気創造プラザ事業の際に売却して借金圧縮予定としていた案件につき、井口グラウンド53億部分につき、いわばダメ押しの一般質問でした。

話がずれますが、そもそも私が財政運営につき厳しく指摘を続けてきたのは、政権交代があり河村市長が無茶なことをしないかどうか気がかりだったからです。今、2年度当初予算審議の時期ですが、一通り予算を見て、とりあえず稀有な心配だったかなと、ホッと胸を撫でおろしているところです。

「無茶をさせずに堅実に予算を組む」この為だけにいろいろな角度から財政運営につき厳しく質問してきたわけです。とりあえずは目的達成ということで、財政のあり方についてはこの4回シリーズでいったんメドをつけてもよいかなと考え始めています。

動画はこちらになります。
以下、再質問含め流れをご紹介します。

(冒頭の主張部分)
三鷹中央防災公園・元気創造プラザ整備事業の際、売却して負担を減らすはずだった井口特設グラウンド部分の53億円につき、駅前再開発事業の借金返済が本格化するまでに完済すべきである。

(質問)
1)第4次基本計画第2次改定の2次案で、井口特設グラウンドの売却につき、当面はこれを見込まない償還計画に見直すとのことだが、だからといって53億円につき借金を抱えたままでは許されない。過去何度か厳しく追及してきたが、この部分の借金につきどのように今後取り組んでいくのか、現状の検討状況を伺う。

2)返すと言っていたのに返さない状況のまま再開発に突入するのはおかしいと指摘してきたが、今後の財政調整基金の温存や決算剰余金のあり方にもつながる大きな課題であろう。この側面から当面どのように取り組むのか。

3)借金というのは返し方も大きなポイントになる。現状防災公園事業で発生した借金につき中途の内入れができるのはみずほ銀行部分のみである。これは5年ごとの見直しであり、その5年の中途ではどうしようもない。みずほ銀行と交渉して、内入れにつき毎年可能であるという借金の形態に変えてもらうよう交渉すべきと考える。所見を伺う。

(答弁要旨)
(質問1部分)
みずほ銀行からの借入償還期間を20年から15年に短縮する。償還終了を令和14年から18年度としていたものを、令和9年から13年度と5年間短縮し、利息を1億5,000万円軽減する計画とする。

(質問2部分)
用地売却あるいは土地の利活用等新たな財源確保ができた段階で、適宜繰上償還は行いたい。
その上で、当初予算に財源を捻出した形での償還だが、なかなか困難ではあるが、決算剰余金の活用を視野に入れながら、機会を捉えて繰上償還を実施したい。

(質問3部分)
みずほ銀行からの借入は5年ごとの見直しである。みずほ銀行と調整を進めていく。
従来どおり、5年間延長となると、令和3年度と6年度と8年度に期間の選択の時期を迎える。ただ、この設定した期間以外のところで繰上償還をすると、補償金(半田注:つまり違約金)が生じてしまう。三鷹市にとってなるべく有利なやり方を選択できないか調整していく。

(再質問)
井口の土地はケリをつけなければならない。これが条件で防災公園事業の議決があったわけだから。だから何度もしつこくこの問題をやらせてもらっている。

議事録を振り返ると、井口につき短縮を言明したのは、実は12月議会の私の一般質問に対する部長答弁だった。その時、「例えば」との表現だったが、今市長から短縮という正式な答弁が来たので、これについては歓迎したい。

令和18年度を予定していたのを令和13年度まで繰り上げるということは、その分期間が減るわけだから、毎年の返済の元金としては当然上がる。だからその分、一般財源には影響がある、しかし、これはやっぱりやらなきゃダメなのである。

さて、ひとつの仮想ストーリーを考えてみたい。
5年繰り上げて、令和13年度最終とした場合。駅前再開発で仮に令和4年度の都市計画決定と想定する。権利返還などで3年かかる、これが再開発の最短コースである。
そこで、最短コースの令和7年度から再開発事業を開始、再開発の最初の借金が発生するというのを仮説で考えてみる。
元金据え置きは3年ですから、再開発につき令和10年度からの返済になる。
つまり、井口につき期間短縮したが、実は令和10年、11年、12年、13年、この期間は被ることになる。
この場合、令和10年度手前でいくら井口部分につき残っていることになるのか。

(答弁)
令和9年度の段階で12億円残る。

(再質問)
今年度一部返済があるが、その5年後は令和6年度になる。
もうひとつ令和3年度に返済のものがある。これに5年を足したら8年度だ。
つまり、再開発につき先に述べた最短コースで令和10年から再開発の借金の返済が始まったと仮定するなら、井口部分につき返済のチャンスは3年度、6年度、8年度の3回しかないことになる。

令和9年度に井口部分の借金は綺麗になくなった、もう安心してくださいというのなら理屈は通る。議決の条件を履行したことになるから。「ちゃんと履行しました。だから、再開発突入します」これならまだわかる。
先ほど3年度、6年度、8年度の3回という話があったが、私は3年度の「当初」予算で一定程度組むべきだと思う。決算剰余金の活用はもちろんだが、3年度に返すということは3年度の決算確定を待ってからでは遅いのである。もし無理なら、年度最後の補正で何とかするしかない。
こうなると、元年度と2年度の決算剰余金を温めなきゃいけないと、こういう話になってくる。
3年度、6年度、8年度で残りの金額をきちんと返していくんだとの姿勢を、市長に確認したい。

(市長答弁)
財政上の問題をしっかり見据えて再開発に向かっていきたいということで、御指摘の点をしっかり踏まえながら、前へ進んでいく考えだ。

(半田締めくくり)
財政運営の質問を何度もしてきた。
大事なことは「再開発に突入する前に、本来やらなければいけないことをきちんとやる」という点にある。市長の答弁を信じたい。
そのうえで、まず令和3年度の当初予算に載せてもらいたいし、令和元年度、2年度の決算剰余金については、きちんと温存してもらいたい。
井口部分については、今回で一定のケリをつける。あとは内入れの状況を見ていくことになる。

以上になります。

防災公園・元気創造プラザ事業に突入する際、社会教育会館用地・総合保健センター用地・井口グラウンドを売却して、借金返済の一部に充てるという説明がなされていました。
清原市長時代に、まず社会教育会館跡地につき売却見直しが示され、私はこれに激しく抵抗しました。議決しておきながらそれはおかしいだろと。清原さんはきちんと理解してくれ、財源確保がなされ、河村市長になってからそれが現実化しました。この件は終了です。
次に総合保健センター跡地ですが、河村市長になって売却を見直しして、休日診療所につきこちらに移すという案が浮上し、これも私は激しく抵抗しました。決算剰余金できちんとケリをつけろと。
河村市長はきちんと理解を示し、これも12月補正でケリがつきました。そこで残るは井口グラウンドのみとなったわけです。

そもそも、議決前提条件をきちんと履行しろと質問すること自体が異常事態なのです。なされて当たり前の話ですから。

井口部分については、9月の一般質問で厳しく追及しました。その後の基本計画見直しで「当面」」売却見直しとなり、ならば返済はどうするんだ?と、これが今回の質問だったわけです。

市長は返済期間圧縮を約束しました。これは歓迎ですが、駅前再開発と併せ考えると、最後の課題が残ります。

井口部分につき残債がありながら、駅前再開発の返済がスタートとなると、これはいわば二重の負担となるわけです。大型投資に二重案件は今の時代ではおかしいし(80年代のようなバブル時期ならまだわかりますが)、最低限井口部分につき完済した後に、駅前につき返済が始まらないと、道理が合わないわけです。

しかも、返し方の問題があります。上記にあるように、3年度・6年度・8年度しかチャンスがないわけです。駅前につき最短コースで行く場合、議決が7年度になるでしょうから、実質は最初の2回だけになります。残債が残ったまま駅前につき議決となると、当然ながら私は反対に回ることになります。

この返済のチャンスをきちんと返済を履行しなければならないわけです。市長は約束してくださったので、まずは信じ、今後の借金内入れ状況を見守ることになりますね。

改選後まだ1年ですが、一連の財政運営の質問は意味があったと思います。無茶はしないという趣旨は今回の予算できちんと確認できましたし、過去を清算という趣旨は、ある程度ゴールが見えてきました。

改選後、市長交代を受けて、これは大変なことになるなと厳しく質問してきましたが、とりあえずはまぁまぁのスタートとなったのかなと考えているところです。