ど~も~!みなみです!!
やー、お役立ち記事書くの多分一年以上ぶりだけど←、やっぱり楽しいわぁ~
引き続き張り切って色々書いていきますわよっ!!💪✨
さてさて。今日のお題はコチラ。
トーンの基本について。
私が知ってる限りのことを色々網羅していってみますよ~!
トーンとは、「スクリーントーン」の略で、
(追記:「スクリーントーン」という名称自体は実は商標とのことで、イギリスのレトラレット社のものを厳密にはこう呼ぶそうです!…便宜上、他社製品もこう呼んでしまうことも多いようですが
サラ●ラップやバン●エイドだったら「ラップ」とか「絆創膏」とか一般的な名称ありますけど…トーンってなんになるんでしょうね🤣「トーン」でいいのかな…w
教えてくれた聖月さんいつもありがとうございますっ!!)
モノクロ(黒一色)でしか印刷できない時でも、グレーという中間色を表現できるスゴい奴のことですね
黒インクを、一定のリズムで並んだ細かい点を並べて印刷する事で、引きで見た時にグレーに見えるんですなぁ
今はデジタル配信も普及していますし、印刷技術も上がってはいますが、今も基本的には昔と同じトーンの使い方を踏襲している現場・媒体が多いと思われます
(本当にデジタルのみで紙媒体にならない…とかだと、グレースケールが求められることもあるみたいです…!その辺りは随時編集さんに確認してみて下さい!)
こういう小さいドットが敷き詰められた「網(アミ)トーン」が主流で…↓
他にも「万線トーン」とか…↓
「砂目トーン」…↓
「グラデーショントーン」↓などがあります!
(グラデーショントーンの中にも、それぞれ「網」「万線」「砂目」があります!)
アナログ時代は、透明なシール状のシートにこれらの模様が印刷されたものを切って貼って使っていましたね
カッターナイフでキレイに切り取るのが難しいんだこれが!!
まして「削り」なんてことをやろうとした日にゃぁ……難しいわトーン屑で服も部屋も髪もトーンだらけに…なんて時代もありましたなぁ
(※実は、天音は小学生時代にちょろっとアナログに手を出してソッコー挫けてそれ以来触っていないので、上記のエピソードは半分くらいはよく聞く話をそれっぽくでっち上げた妄想ですww)
もちろん今もアナログ原稿で使っている方もいらっしゃいますが…ペン入れまではアナログでしても、トーン作業はデジタルで…という方もいて、比較的多くの方がデジタルで貼っているような気がします
何せ……お金もほとんどかからないし、何よりもラクちん!!
もちろんデジタルならではの落とし穴もいくつかあるので、その辺りはまた後ほど解説いたしますね~!!
さてさて、このスクリーントーン。
好きな濃度で好きなように貼って頂いても全然構わないのですが…
実は、漫画らしく美しい原稿にすべく先人たちが積み上げてきた「暗黙のルール」のようなものがあります!!
それらを一つ一つ説明していきますね!!
トーンを構成する「線数」「濃度」「角度」を把握せよ!
スクリーントーンは、このドットの密度や表現できるグレーの濃さなどの規格を統一するために、いくつかの単位が存在しています!
それが「線数」「濃度」「角度」です!
線数:
1インチ(2.54㎝)の幅の中に何個の点が入っているか…という指標です。
60線だと「1インチの幅に60個の点が打ってある」ということです。
線数が多ければ多いほど点の数が増え、(同じ濃度であれば)点のサイズは小さくなり、滑らかな表現になります。
線数が少なければ少ないほど点の数が減ってサイズが大きくなり、ドットが荒く目立つようになります。
左から線数「27.5」→「60」→「70」
濃度は全て同じ「30%」です!
濃度:
1インチ(2.54㎝)の幅の中に、網点が何%の割合で入っているか…という指標です。
濃度の数値が大きければ大きいほど濃いグレーになり、小さければ小さいほど淡いグレーに見えます。
左から「10%」「20%」「30%」「40%」です!(線数はすべて60線です!)
アナログトーンで「61番」とか呼ばれていたものは、10の位が「線数」で、一の位が「濃度の%(の10の位)」を表していて、つまり「61番=60線10%」ということになります!
角度:
ドットや線の並び方が垂直に対して何度の傾きか…という部分です。
例えば先程のコレだと↓
ドットが斜め45度に並んでいるので「45度」
コレの場合だと↓
「90度」
コレは↓
「0度」
これらの「線数」「濃度」「角度」は、トーンを貼った後でも、「レイヤープロパティ」の中の数値をいじって変更が出来ます!!
貼ってから「Σしまった、濃すぎた(薄すぎた)」という場合でも、いちいち貼り直さなくても、ワンタッチで変更できますので覚えておいてください!
よく使われる「線数」「濃度」「角度」はある程度絞られる!
さて、色々な数字が出て来ましたが…
「どれに設定したらいいか今一つ分からない💦」という方もいらっしゃるかもしれません。
安心して下さい!!
だいたい、主に使われる数値というのは決まっています。
まず線数について。
これはですねー…商業でやるにしても、同人誌印刷するにしても、
取りあえず60線を選んでおけば問題ありません。
一番無難で標準な線数の数値は「60線」です。
今まで複数の先生(7~8人くらい)に入りましたが、
見事に全員60線で貼っていらっしゃいました!!
ただ、同人誌でA4とか大き目の紙に印刷したりする関係だったり、少女漫画等で繊細なトーン表現をしたい!もっとドットを滑らかにしたい!という場合は、70線や80線にするのもアリかと思います。
ただ、印刷に出にくくなるかもしれないリスクがある点と、重ね貼りする時にうっかり違う線数同士を重ねてしまう…ということのないようにだけご注意を!!
その辺り、また後ほど説明します~!!
濃度について
これもね、よく使われる濃度というのは決まっています。
大体、10%~40%の間くらいです。
たまーに、5%とか50%とか使われる方もいらっしゃるかな…?!
基本的には10%刻みで使いますが、場合によっては15%とか25%とかで使っても問題はないかと思います。
10%より低いものだと薄すぎて印刷に出にくかったりするのと、
50%以上だとドットの形がつぶれてしまってあまりキレイに出ないので、
濃いグレーをトーンで表したい場合は、グラデーショントーンを使う方が良いとのこと!
角度について
これも、大体決まっています。
「円」の集合体である網トーンの場合は「45度」、
「線」の集合体である万線トーンの場合は、「0度」もしくは「90度」が多いのではないでしょうか…!
大体、上記それぞれの標準的な数値にしておけば、「Σこの人、漫画のトーンのこと分かってないな?!💦」と思われることはないと思います!
隣り合うトーンには…
例えば、キャラの制服に二種類のトーンを貼りたい!という場合…
20%と30%という、近い濃度のトーンを使う事はあまりオススメはできません💦
なぜなら、10%の違いというのは、正直あまりハッキリとした違いとは認識しづらいからです
隣りあう物にそれぞれトーンを貼る場合、20%と40%のように、最低でも20%程度の差はつけましょう!
そうすれば、ハッキリ「違う色味だ」と読者の方も認識してくれると思います!
そもそも、トーンは何を表現するために貼る?!
これね、私も…確か、ネームタンクのごとう先生の初期の動画か何かで教わったんだったと思うんですが(探したのですが今パッと出てこなくて😭💦)、
トーンってね…本来、「固有色を表現するために貼る」んじゃないんですって!!
陰影を表現するために貼るんですって!!!
だから、例えばルービックキューブにトーンを貼ろう!!ってなった時に、
青い面に50%、赤い面に40%、オレンジの面に20%…とかって貼るんじゃなくて。
そのルービックキューブを「立方体」として捉えて、
その立方体でどこが影になるか…を考えてトーンを貼るんですって!!
これ、目からウロコですよね!!!
もちろん固有色としての貼り方をする事があってもいいと思うのですよ!!
制服とか、特定のキャラの髪色とかで設定しておくと、画面が白過ぎず黒過ぎず、ほどよく引き締まりますしね!
ただ、「固有色」という部分にとらわれ過ぎてしまうと、
昨日話したような、「全体がなんだかグレーグレーしてしまって、メリハリがないみにくい画面になってしまいがち」なので、固有色に関しては大抵のものは思い切って白で描いてしまって、濃い影の部分はベタ、薄い影の部分をトーンで表現…位にしたほうが、ぐっと「漫画らしく、見やすい」画面になると思います!!
影は、ほぼ10%網トーン!!
で、その陰影なのですが。
ついつい、グラデトーンとかを多用したくなるのですが、ちょっと待って下さい!!
グラデトーンは、空や夜空、暗い室内などのような「ここぞ」という場面でのみ使わないと、なんとなくくどくなってしまうんですよね
例えば、室内に落ちる影を段階的に描きたい場合、
「10%の網トーンを貼って、境目の部分をトーン削りブラシで削る」
というやり方をすると、ぐっとそれっぽくなります!!
部屋の角とかに10%貼って、トーン削りとかするとぐっとそれっぽくなったりするよ~!
キャラの影も背景の影も、
基本は10%と覚えておけば間違いないと思います!!
夕方のシーンだったり、暗い場所での影だと20%になったり、40%になったりすることもあるかとは思いますので、その辺りはお好みで調整してみて下さい!
クリスタでのトーンの貼り方
トーンの貼り方って…実はめっっっちゃくちゃたくさんあったりするんですよ
素材置き場のトーンをドラッグして引っ張って来るもよし…
レイヤーんとこの左上のメニューから「新規レイヤー」→「トーン」で貼ってもいいし…
選択範囲作って、そこのランチャーのメニューから作ってもいいし…!
あ、あとグレーで色ぬりしたあとそれをトーン化する方法もあるし…
※ただし、グレースケールをトーン化すると、そのトーンは透過しなくなるので、その下に線画があったら見えなくなってしまったりするので注意!
この場合、トーンレイヤーの位置を線画レイヤーより下にしてね!!
あとは、黒で塗った後、レイヤーの不透明度を好みの濃さにしてからトーン化する、なーんて方法もアリ…!
この場合は透過してくれました!
お好みの方法でぜひ!!
※ただし、いずれの貼り方にせよ、
はみださず、塗り漏らしなくキレイに塗るために、「カンペキな選択範囲を作る」という事が必要になってくるかと思います!!
その為には「クイックマスク」という機能を使うのがオススメなのですが…
詳細は、こちらの過去記事をご覧ください!!↓↓
モアレを防止せよ!!~重ね貼りの注意点~
固有トーンと影トーンを重ねたいといった場合等、トーンの重ね貼りをする際に、気を付けないと「モアレ」と呼ばれる、意図せぬヘンな模様が発生してしまう場合があります…!!
こういうの、ね
これはね、実は防ぐのは簡単です!
重ねるトーンの「線数」と「角度」さえ同じにしておけば、どんな濃度同士でも、片方がグラデトーンとかでも、モアレは出ません!!
クリスタ上だと、引きで見る時にその度合いによっては、重ねた所がモアレて見えてしまう場合もあります💦が、線数と角度を一緒にしておけば基本的にモアレは出ません!!不安な場合は拡大して見てみましょう!!拡大した時にモアレていなければ大丈夫です!
でね…もう一つ!重ね貼りの時に注意して頂きたい点があるのですが…!!
それについてはこちらの記事をご覧下さい!↓↓
わりと最近アクセスが増えている記事です!
皆悩みがちな部分なのかもしれない…!!
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はーい!!どうかな、結構色々詰め込んでみたよっ!!
まだ微妙に網羅しきれてない部分もあるけれども、そこに関してはまたおいおい少しずつシェアしていきますね~!
少しでも漫画を描かれる皆様のお役立ちになれますように!!
「ここんとこもっと詳しく!!」とかあったら教えて下さい~!!
また次回!!