ど~も~!みなみです!
前回、「アシスタントブログ興味ありますか~?!」って訊いてみたところ、
「興味あります!!ぜひ聞きたいです!!」って言って下さった方が思った以上にたくさんいらっしゃいまして!!
嬉しいお言葉の数々、本当にありがとうございます!!
天音さん、張り切って書いていこうと思いますよ~!!💪✨✨
……という事で!!
まずしょっぱなは何を書こうかなぁ…と考えまして。
パースの話、トーン貼りの話、線の話、クリスタの機能……話したい事はそれはそれは山のようにありますが。
まずは、私がアシを始めて、わりとしょっぱなに蹴つまづいた部分の話からしていこうかなぁ…と思います!!
それは……カラーと、アナログ原稿との違いについて。
デジタルの普及で、カラーイラストも比較的容易に始めやすい昨今…!
漫画のモノクロ原稿より、カラーイラストから先に入る方が多いんじゃないかしら…!
もちろん、先にモノクロから入る…という方もいらっしゃると思いますが。
カラーからモノクロ、もしくはモノクロからカラーをやろう!ってなった時に…結構戸惑う方って多いんじゃないかしら
何しろ……
カラーとモノクロは、心掛けるべきポイントが真逆なんです…!!
まずはここんとこを、一つの心構えとして押さえておくと後々の内容がかなり入ってきやすくなるんじゃないかなぁ!!と思うので、その辺りチョットだけ詳しく解説していきますね!!
取りあえず、いわゆる「上手い絵」「目指したい絵」として挙げられやすいポイントをざっくり整理していってみますと…
「形状の把握が正確に出来ている」という部分は大前提としてあるとして…他には、
・立体感がある
・質感が伝わる
・光と影を感じる
……といった事が挙げられると思うのですが。
それを実現するために、カラーの世界では、
「いかに細やかに色を載せていくか」が問われ、
時には「線が邪魔になる」事があり(線が線として堂々と居座りすぎていると絵が幼く見えてしまうことがある為)、
線を目立たなくするために、線の色を周囲の色となるべく馴染ませて、その分光と影をリアルに入れ込んでいく事で、そのものの形を際立たせたりするわけですね…!!
私、以前師匠にカラーイラストを教わった時に、こんなことを言われたことがあるんです…!
「真っ白とか、真っ黒とかは基本的にカラーイラストでは使わない方がいいよ。
だって、『本当の真っ白』『本当の真っ黒』なんて現実には存在しないでしょ?
美大受験とかで学ぶ鉛筆デッサンだって、白いモチーフにさえ、うす~~~く鉛筆で色を付けるんだからね」
と…!!!
そう!そうなんですよ…!
カラーイラスト及びモノクロ鉛筆デッサンの世界では…
“いかに、黒と白の中間の色合いを忠実に再現するか”
が問われるのですよ…!!
その繊細な色味の違いによって、実物に勝るとも劣らない、繊細な質感や光と影を表現していく世界なのです…!!
や~~、奥が深い!!素晴らしきかな、カラーイラストの世界、ですね…!!
…で!!
これを踏まえた上で。
これとまったく同じ事を、漫画のモノクロ原稿でやることを想像してみて下さい。
真っ白や真っ黒なんて本来存在しないから、画面に白い部分を残すこともしなければ、ベタも使わない。
線も極力描かない。
全てトーンで表現する。
そして、それを紙質のあまり良くない、インクの乗りもあまり良くない漫画週刊誌に猛スピードで印刷してしまう。
………どうなると思います…??
紙面全体が、ぼや~~~~んとした灰色でくすんでしまって、
何が描いてあるのかも正直分からない!!何も伝わらない!!!
……悲しいかな、そうなってしまうのです、漫画の世界。。。🤣🤣🤣
まぁ、最近は印刷の技術も上がっていますし、デジタル上での配信作品も多いので、グレースケールの細やかな違いもしっかり反映させてくれる媒体も多いのは確かです
とは言え、漫画の技術そのものが、そういった背景のなかで発展してきたのも事実ですし、
やっぱり、昔からある「見やすいモノクロ原稿の技術」で描かれた作品は、非常に読みやすいですし、伝わりやすいですし、見ててとっても気持ちがいいのですよ…!!
そして、「そういう背景を描いて欲しい!」と望んでいる漫画家さんが多いのも紛れもない事実だと思っております!!
……ということで、
一旦、漫画モノクロ原稿のコツを簡単にまとめますね…!!↓↓
・漫画は、黒・白・グレー(トーン)の3色で構成していくもの。
見やすくするために、グレー(トーン)の割合はなるべく抑えて、白もしくは黒に思い切って割り振る勇気を持つ!!
(※ただし、女性向け漫画の場合、ベタの多用は画面を重くしてしまう原因にもなりかねないため、カケアミを使ったりトーンを使ったりと、なるべく軽やかな画面にする工夫が必要になってきます!!ジャンルによって求められる工夫は異なってきますので、必ずしも全てに当てはまるものではないという事は念頭に置いて頂けると嬉しいです!)
・漫画は、カラーの時のように、繊細な色味で光と影や質感の表現をする事が難しい。
その分、線によってそれらの繊細な表現に迫っていく。
上記の2点が、アシスタント技術におけるベースになる考え方になります!!
これから話そうと思っている細かいアレコレは、8割方上記のことを実現するための具体的な工夫だと思って頂けると嬉しいです!
えぇと…せっかくだから、その辺りに気付く前と気付いた後の変遷を貼ろうかな
かなり初期の頃に仕事で描いた本棚がコレ↓↓
表紙の文字とか頑張ったり、背表紙ひとつひとつグレーの色合いをかなり細かく変えて頑張ってはいるのですが…ちょっと、あまり「漫画らしくない」んですよね💦
棚板を下から見た部分、グレー(グラデトーン)を貼っているのですが、
漫画的なセオリー(※少女漫画をのぞく)でいうと、天板部分はベタで塗りつぶす方が分かりやすくなります…!!
そして、それらを教わってから描いた本棚がコチラ↓↓
天板部分をベタで塗ったり、本棚そのものにも木の質感を出そうとしたり、背表紙に影を線で付け足したり…色々してます
…が、今見ると酷いなぁ🤣💦色々とへっぽこだなぁ…💦
先生のネームが押してて、先に素材的に作った感じで、後から自由変形で貼れるよう、あえてのっぺりと描いた、というのはあるんですが…それにしても酷い😂💦💦
そして、去年の夏頃に描いたのがコチラ↓↓
…あ!キャラの絵やフキダシと被る部分は背表紙等書き込みしておりませんがあしからず…🤣💦
天板を下から見た部分は黒で塗りつぶし、棚の奥の方は線で影つけ、そして本自体には細かい点状の汚しを入れています。
タイトルの文字は一切いれていませんが、背表紙そのものに洋書風デザインを入れて、「らしさ」を出してみています…!
また、本そのものに細かくグレートーンは入れず、白と黒の色味分けだけですが、それでもそれっぽく見えるようになったのでは…と思っております
やっぱり、背表紙の書き込みが効いてるのかしら🤔
多少なりとも成長を感じて頂けましたら嬉しいです
結構、線の強弱とか汚しとか、色々な技術で変わるんですよ~!
あと、最後の描いた時は先生が色々と資料を渡して下さったのも大きかった…!!
「畳の描き方はこんな感じで」と漫画の資料を提示して下さったり、本棚のイメージ写真の資料を付けて下さったので、私も描き起こしがしやすかったですし、詳細まで描き込みやすかったです!!
このように、先生サイドの事前準備がクオリティに影響する場合もあります…!!
もちろん、アシサイドも、自分での資料集めを怠っては決してなりません!!
お仕事なので、思い込みや手癖で描いてはいけません。
必ず!!!資料は見ましょう!!
今の世の中、ネットで10秒で調べられるんですから、そのひと手間は絶対に惜しんではいけません!!!
(※↑もちろん、勝手にネットで拾ってきた画像をトレースしてはいけませんよ!
ただ、それを見て構造を理解した上で描き起こすと、完成品の説得力が全然違います!!)
↑これこそが、むしろ最も重要な心構えかもしれません…
色んなところで耳にタコが出来る位に聞くことかと思いますが、
実際に資料を見ながら描いている方って実は限られてるんじゃないかしら…🤔
私の個人的な感想ですが、
上手い方は必ずと言っていい程資料見てます!!
そうでもない方は必ずと言っていい程手癖で描いてます!!
どっちに行くかを決めるのは、あなたがその10秒を惜しむかどうか、ですよ…!!
……なーんて偉そうに言ってますが、自戒も込めて…←
とにかく。言いたい事は一つだけです。
コツを意識して練習すれば、誰だって背景描けるようになります!!
一緒に頑張っていきまっしょい!!
次回は、トーンの基本をおさらいしたいなぁ…と思っております!!
意外と、あなたが知らない事もあるかも…?!
お楽しみに~!!
また次回!!