ど〜も〜!みなみです!
大っっっ変お待たせ致しました!!
よう~やく!モノクロ原稿での空の描き方のコツをお伝えしたいと思います!!
空って屋外であれば必ず存在するし、漫画描いてたら必ず表現する場面って出てくるので、お話聞いといてソンはないと思います!ぜひ最後まで聞いてって下さいませませ〜!
…とは言え長くなりそうなので複数回に分けたいと思いますご了承くださいませ~!
既存の空トーンを貼る場合
一番手っ取り早いのが、「既に雲等配置済みの、既存の空トーンを貼る」という方法かと思います…!
誰しもが一瞬でハイクオリティな空が作れる優れものとなっております…!
…え?
今回聞きたいのはそういうのじゃない、自分で雲とか配置する方法を知りたいんだ、って…?
分かってます、分かってます私ももとよりそのつもりです
ではなぜこれをわざわざ一つ目の方法として取り上げたかというと…意外と落とし穴があるからです
そしてこれは、自分で一から空を描く時のポイントにもつながってくるので、ぜひ押さえておいて頂けると嬉しいです!
まず、素人さんの原稿とかでたま〜〜にお見かけするのが、
こういう貼り方をしちゃうパターン。。。
※雑書きイラスト例ですがご容赦ください
うーん、当初予定してた程のゴリゴリな違和感は出せなかったんですが(ぉぃ)、よ~~く見ると、空としてなんとなく違和感あるの分かります…?
これのどこがおかしいのか、という話に入るにあたって、まずお伝えしたいのは……
空にもパースがある、っていうの、分かります…?!
「え?パースって建物とか描く時にしか使わないんじゃないの?!」と思われたそこのアナタ…!!
そこに空間がある限り!!パースというのは存在するんですよ!!!
…というのを今日は覚えて帰ってください!
空のパース…と言って、ポカーンとしてしまう方もいらっしゃると思うのですが、なんのことはない!
こんな感じに、空にもパース定規に乗った線を引くと、遠近感がイメージしやすいの、分かります?!
※これは、パース定規に「グリッド線」を表示させたものをなぞってます!
パースに沿ったメッシュ状のものや、等間隔に並んだものを描きたいとき重宝しますよ!
表示のさせ方はググって調べてみて!(私も今度この記事書こうかな…!)
このように、「遠近感をしっかり意識する」ということが、空を描く上でも重要になって参ります!
そうそう、必ずしも「パース線を引かなくてはいけない」という話ではなくて、
「遠近感を意識する」というのが重要ですのでね…!
……え?
「でも一応いざパース線を引いてみる場合を想定した時に…
そのパース定規は何を根拠に消失点とか取るの?」って??
…うーんとね…自然物の場合その辺り難しいんだけど…
周囲に建物とかあればそれに合わせてパース定規設定するのもいいし(というかその時使ったパース定規にそのまま乗っけちゃうイメージ)、
わりと極端なこと言っちゃうと、
取りあえずアイレベルさえ合ってれば、どう設定しようとそこまで違和感は出ないかなぁとは思ってる…!
(※もちろん空間的にあまりにもおかしい消失点の配置(消失点同士が近すぎるなど)だと違和感は出ちゃいますそこは常識の範囲でお願いします!
)
例えば、さっきのイメージ絵を、アイレベルはそのままに、消失点の取り方を大胆に変えてみたのがコチラ!↓↓
ホラ、そこまで違和感出ないっしょ?!
何が違うかと言えば…
上のものは左右に消失点があって空の左右への広がりを感じるのに対して、
下のものは山の方向に向かう一点透視図に若干近い形になっていて、自然と山の方に視線が向くようになっている、という部分じゃないかしら…?
…という風に、
「どこに注目させたいのか」「どういう意図でその画面を切り取っているのか」に応じてパース定規の置き方も変わってくるというところでしょうか…!
なので、「そのコマのキャラや背景をどういうカメラアングルで見せたいのか」に合わせてあげる…という感覚でいいと思います!
…ここまではOKかしら?!
「え~、実際に作画で空にパース線引っ張る事なんてないんだし、空のパース考えたって意味ないんじゃないの~?」
…なんていうお声も聞こえてきそうですが…!
ちゃあんと意味があるんですよ…!
パース線を使わずに、空の奥行きをどうやって表現するかというと、
1にも2にも3にも
“雲の配置によって”表現していく…ということになります!!
で、その雲が「ちゃんとパースに乗ってないとおかしい」という事になる訳です…!
「え、そもそも雲なんて形が決まってる訳じゃないし、それこそパースに乗ってるかどうかなんて分かんなくな~い?!」
というお声も聞こえてきそうですね…!
確かにふわふわと不定形に見える雲ちゃんですが…!!
雲にもちゃんと雲なりのルールがあるのです…!!
というわけで、雲についての基礎知識をざっくりおさらいしてみましょうか!
昔、理科でこーんな感じの図を見たことあるような、ないような…っていう、
大昔の記憶がうっすら発掘された方もいらっしゃるのではないでしょうか…?!
この図を見てお分かり頂けるように、
雲には種類があって、
大体、同じ種類ごとに
形の傾向が決まっているのと、
存在する高さ(層)が決まっているのですよ…!
これらが、先ほどのパースの話とどう絡むかと言うと、
・描きたい雲の種類によって配置すべき位置や形が変わってくる
・雲の位置が近い(真上)のか遠いのかによって、雲の見え方が下からなのか横からなのかが変わってくる
……そう!!
特にこの2つ目のポイントがとっても重要なのですよ…!!
同じ雲でも、
横から見るのと下から見るのとで見え方が変わってきますのでね…!!
と、ここで冒頭に上げたイラストに戻ってみましょう…!!
これらの何がおかしいか、改めてパース線引っ張って考えてみましょう!
まず一枚目!
このイラストはアオリ(下からのアングル)のイラストなので、アイレベルはぐっと低くなっていて…
大体こんな感じのパースになっております…!
で、さっきこのイラストに使われてたのは、こちらの空トーンになるのですが…↓
この雲、よーく見てみると、
下の方の雲がうんと小さく、横から見た感じになってるの、分かりますか?!
この素材にパース線引っ張ってみるとこんな感じ…!
……こんな感じに、
下の方の空はかな~~り遠くの空になっている=下の方の雲はほぼ横から見ているようなアングルで見えている…
という部分、お分かり頂けますでしょうか?!
ホラホラ!
下の方に行けば行くほどう~~んと遠くなってるからこそ、雲の見え方が上の方の雲と違って、
・大きさは小さく
・横から見ている感じなので、細長いフォルムになっている
という訳なのです…!!
だからホラ!!
イラストのパースと噛み合ってないわけさ!!
こちらのイラストには…
こういう、下からほぼ真上を見上げた感じの…
こういうパースの空の素材が合う訳で……
ねっ!?
これで大分違和感なく落ち着いた感じがするデショ?!
一応ビフォーアフター↓
空間としてのまとまりが出たのではないかと思います!
では次!二枚目!!
二枚目は、さっきと逆で…
こういう空のパースのイラストになるわけで…
(あっ!田んぼのパースがおかしいwwそこは今回無視しといてww)
こんな下から見上げた空じゃぁ違和感出ちゃうわけで
こちらのイラストには…
こういう感じの、下の方がうんと遠くにある感じの空トーンを…
こうやって貼ってあげると、違和感がほぼなくなってくれる訳でございます!!
ビフォーアフター↓
……とまぁ、こんな風に…
①描きたい画面の空のパースを意識して…
②空トーン素材のパースをざっくり割り出して…
(雲の形や配置、大きさ、影などに注目すると割り出しやすくなるよ!)
③大きく破綻してないかどうかを確認してから貼る!
…という手順を踏んで、空のパースをしっかり意識するようにすると、空を素材で賄ったとしても「不自然な素人感」が出ず、素材の持つクオリティの高さがそのまま作品をキレイに彩ってくれます!!
覚えておいていただけたら嬉しいです~!!
もちろん、自分で雲を配置する際にもこの考え方がベースに必要になってきますので、ぜひ押さえておいて下さい!
……というところまでで、大分尺を食ってしまったので(笑)、
次回!改めて「自分で空を描く」際のポイントについてまとめさせていただきますね~!
楽しみにお待ち頂けましたら嬉しいです!
また次回!!