物理サークル(8月24日)の報告です。今回は動画が多く、YouTubeに動画を上げていたので、報告が遅れました。例によって、ぼくのごく私的な報告ですので、正式は報告はサークルの公式サイトでの例会報告を御覧ください。
冒頭のイラストは、昔作ったアドベンチャーゲーム「ガリレオ島の秘宝」の1シーン。なぜこの絵を冒頭に持ってきたのかは、今回の報告を見ていただけると、わかります。
まず、今回一番笑った臼井さんの実験から。
動画は最初の説明部分が長かったので、実験の部分だけをカットしました。それ以外は無編集です。
お玉を机の上で回転させるとぐらぐらと揺れ、最後に少しだけ戻ります。
臼井さん「これね、逆回転することがあるんだわ」
えーっと思って、みんな興味津々で実験を見ていましたが・・・
結果は動画の通り。
やはり、無理でしたね。
臼井さん「おかしいな、逆回転したと思っていたんだけど、思い違いしていたみたいだ・・・」
いやあ、エネルギー的に考えて、摩擦があるので、まず逆回転はしないと思います・・・
個人的に、一番お得だったなと思ったのが次の実験
ピンホールの映像を凸レンズで集めると、ピンホールがいくつでも1点に集まります。レンズの位置はピンホールの後ろでも前でも、結果は同じ。
ぼくはこの実験を見ていて、長年のギモンが解けました。
100円ショップに、プラスチック製の全面黒のメガネで黒い面にピンホールがいっぱい開いているのを売っています。今、手元にないので、その映像を載せられませんが、あれをかけると、小さな穴を通して、景色が普通に見えます。近眼の人でも、通常の眼鏡なしで、外の景色が普通に見えるんですね。
ピンホールがカメラ・レンズのような働きをするのは、物理をやる人なら誰でも知っています。しかし、複数のピンホールを通してみているのに、景色が何重にもダブらず、普通に見えるのは、ぼくにはちょっと説明できませんでした。
でも、この実験で、目の水晶体レンズがこの実験のと凸レンズの役割をしていることがわかり、ナットク。
さて、今回の冒頭イラストの謎解きは、こちら。
単振り子の周期は、ガリレオが発見したように、振幅が小さいときは、振幅の大小に関わらず一定です。しかし、振幅がもっと大きくなると、周期がずれていきます。
ところが、サイクロイド曲線にそって揺れるものは、振幅の大きさに関係なく、周期が一定になります。
山本さんのこの装置、作るの大変だったろうなあ・・・
・・・冒頭イラストはサイクロイド振り子ではありませんが、振り子つながりで選びました。
こちらは交流のLC回路。コイルと鉄心の組み合わせでコイルの自己インダクタンスLの値を変えることができ、LC回路で交流の60Hzに共振できるようにできます。(それができるように、使用するコンデンサーは相応の値のものを選んでいます)
コイルを貫く鉄心が閉回路となると、Lは最大になり、上の鉄棒部分をずらして遠ざけていくと、Lの値が小さくなっていきます。この実験では、鉄棒部分をずらすの途中で共振が起こり、LとCの合成インダクタンスが最大となって、電源とコイルの間の電流が非常に小さくなり、電源側の電球が点灯しなくなります。動画で見た通りですね。
これが林さんによる理論説明。
力学的な類推モデルだとこんな感じ。たしか、朝永先生による説明だとか。
整列振り子ですが、手前の振り子の長さが微妙で、だんだんずれていきました。
ビー玉とテグス糸の連結はパイプを使っていました。
井階さんは、職場の廃棄寸前の古い実験装置(壊れているもの)の部品を組み合わせて、新しい実験装置を作っていました。まさにゴミ箱から材料を仕入れるノラネコ学会流。
こちらが、この回転台と、光の屈折実験用の廃棄部品を組み合わせた、遠心力観察器。
非常に見やすい。いいですね。
児島さんの大気圧空き缶つぶし実験。
ぼくはアルミ缶の水を沸騰させてからフタをするので、いつも「アチチチ」といいながら、やけどしないように実験を見せています・・・
児島さんのこの方法だと、フタの上にガムテープを貼るだけなので、超カンタン。ぼくも次にこの実験をやるときは、この方法を採用したいと思っています。
今回、山本さんの発表、いくつもありました。
これは斜面を転がるのはどの曲線で落下するといいかという問題の実験装置。といっても、これ、高校物理の範囲ではありません。インドでのICPEで高校生相手にこれを見せたのが川上さん。実験後、多くの生徒に取り囲まれて質問の嵐でした。理由が知りたいという先生方もたくさん。
これはぼくが飯田さんに頼んでやってもらった実験。かなり初期に飯田さんが開発した、電気回路を用いないモンキーハンターの装置です。
ぼくも飯田さんも忘れていましたが、これ、『いきいき物理わくわく実験3』に載せていたそうです。イラストを描いたはずなんですが、すっかり忘れていました。
では、今回はここまで。
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