前田さんはエクセルで物理実験のリアルタイムデータ解析ができると発表。
ぼくはデジタル技術に弱いので、詳しく解説できません。物理サークルの公式ウェブサイトでの報告をお待ち下さい。
いろいろなセンサーとパソコンのエクセルと連動できるハード・ソフトを使うことで、エクセルの表に得たデータをどんどん入れていけるようです。それをさらにデータ解析ソフトでグラフ化することもできるのは、いろいろな実験に使えそうな気がします。
こちらは距離を測定する実験。
次のは加速度計との組合わせ実験。加速度センサーで3軸方向の加速度を測定。
画面を見ると、エクセルの表に3方向の加速度成分がリアルタイムで表示されるのがわかります。鉛直方向つまりz方向の加速度がだいたい9.8であることから、この装置とエクセルの連携ががうまく働いていることがわかります。
でも、この実験、みんながより興味を持ったのが、手回し装置そのもの。そこそこ大きいので、いろいろな実験に使えそうだと、みな興味津々。
スギさんは探求実験の紹介。紙コップにお湯を注ぎ、テーブルの上に置いておき、それをどかすと朝露のように紙コップの置いてあったところのテーブルが水滴で曇ります。この水滴はどこからやってきたのか、判断できる実験を考案せよ、というような探求活動。
これは、なかなかに難しい。
みな、ああでもないこうでもないと、次々に案を出し、ちょっとずつベールが剥がれていきます。
いろいろな実験と議論のあと、紙コップ自体が含んでいた水分が露の原因という説と、お湯が紙コップを通して外に出たという説の2つに落ち着きました。
プラスチックコップなら染み出しは防げるので試してみましたが、お湯の厚さでコップが変形してしまい、実験になりませんでした。
その後、スギさん自身が考えた実験が紹介されました。それがこちら。
紙コップの底部分だけ切り抜いてテーブルに置き、その上にお湯を入れたステンレスコップを置く、というシンプルなもの。これなら、染み出しかどうか区別できます。
結果は、動画の通り、これでも露がつくので、紙コップに含まれていた水分が露の原因になったとわかりました。
こちらは以前土肥さんがやって見せてくれた電気盆と電気クラゲ・・・この場合は輪なので、電気ループとでもいえばいいのでしょうか。
いいですね。
ちなみにこの動画、もう1万回以上再生されています。どういうこと?
ぼくの発表は、土肥さんのあいうえおマシンとAIの音声認識の話。
この動画を再生する時、横にある「︙」をクリックして、メニューから「字幕」をオンにしてください。AI音声認識で、喋る声がわりと正確に字幕化されます。
ところが、この音声認識、土肥さんの「あいうえお」マシンの「声」を人間の声とは認識できないことが、字幕にはっきり現れます。マシンが大きく「あいうえお」と叫んでも、字幕が現れません。
逆にいえば、土肥さんのマシンで出てくる音を「あいうえお」と人間の声のように認識している人間の脳の仕組みがフシギですね。
これは深谷さんの持ってきた巨大なフレネルレンズ。古いプラズマテレビに使われていたものだそうです。でも、劣化して曇りが出てきているということでした。
これも同じテレビから取ったというシート。よく見ると縞模様になっています。これは高速道路の中央分離帯の柵と同様に、斜めからだと見にくくなるようにするためだそうな。
こちらはAKKNのメーリングリストでの話題から、井階さんが、透磁率μの意味を考察。
その過程で、かつては電流間の力を用いて電流1(A)を定義し、Q=Itを使って電荷1(C)を定義していたのが、2018年に変更されたという話題も。
最初に電子の電気素量をe(C)と定義して1(C)を決め、1(s)間に電荷が1(C)流れたときの電流を1(A)とする、という再定義です。
これはある意味、昔の定義に戻ったともいえますね。
そもそも、電気研究の歴史をたどれば、最初はクーロン力の実験から電荷1(C)を定義し、さらに電流1(A)を1(C)を用いて決めていました。
歴史は巡る、ということでしょうか。
最初の定義と2018年の再定義で異なるのは、1(C)を定義する方法だけです。最近の物理量の再定義は自然界の定数を用いて行うという傾向が顕著です。
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