ひさしぶりに、ゆーじさんがイタズラっぽい笑みを浮かべながら、紙袋を手にやってきました。
なにやら、おもしろいものができた、とのこと。
(冒頭のイラストは、ユージさんのイメージイラストです。わりと似てると思うんですが・・・)
さっそく、紙袋から、謎のものを取り出します・・・
ぼくは「なんすか? これ?」と、まあ、相変わらずの反応。
ゆーじさんは「これね。おもしろいんだ。見て」
なんと、透明プラスチックで作った四角(立方体:正六面体ともいう)の箱に、三角の立体(正八面体)が、ぴったり入ります。
ぼく「すごいな〜、これ。ケプラーの初期の惑星モデルみたいですね。正多面体の中に別の正多面体がぴったり入るっていうの」
ゆーじさん(以下、ゆーじ)「ああ、そうなの? それ、おもしろいね」
ぼく「ケプラーは、当時見つかっていた惑星が6つしかないのは、正多面体が5つしかないせいだと思っていたんです。惑星の軌道(球面)を支えるのは、5つの正多面体だと。だから、正多面体と球で入れ子構造のモデルを作って研究していたんですよ」
ゆーじ「それは知らなかった。ぼくも、今日は、これだけじゃないよ。こっちの正四面体を見て」
ぼく「あれ? 透明な立方体より、大きいですよ。これ、どう使うんですか?」
ゆーじ「へへへ。それがね。こうすると・・・」
ぼく「あー! ・・・入っちゃった・・・」
ゆーじ「どう?」
ぼく「いやあ、びっくりしました」
ゆーじ「ぴったり入るんだ。おもしろいでしょ?」
ぼく「そういえば、高校生の時に解いた数学の問題に、こういうのあったことを思いだしましたよ」
ゆーじ「そうそう。そのときは、立方体の頂点を結ぶ線を引くと、それが正四面体になるっていう問題だったと思うよ」
ぼく「あー、そうですそうです!」
ゆーじ「でも、問題を解くだけじゃ、具体的なイメージがわかないから、モデルを作ろうと思ってね」
ぼく「いや、これ、いいですよ! 驚きがあって、数学の美しさに感動できます」
ゆーじ「別の方向から見ると、どうおさまっているのか、よくわかるよ」
ぼく「確かに・・・正四面体の辺が、すべて正六面体の面に接しているのが、おもしろいですよね」
ゆーじ「計算自体はそれほど難しくないんだ。でも、これをイメージするのはかなり難しい。だから、実物を作って見せようと思ってね」
ばく「いやあ、これは、実物を見た方がオモシロイですよ。思いつかないもん」
こうやって実物を作ってみると、脳内で問題を解くのとは違って、新鮮な感動がありますね。
数学の世界でも、実物の威力はスゴイ!・・・ということなんでしょう。
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