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『自転車吐息』 1990年度(日>
園子温監督作品。
僕の最初の園子温体験は、
「愛のむきだし」だった。
その破天荒でアナーキーな物語に、
大変な長尺作品であるにもかかわらず、興奮した。
そして「冷たい熱帯魚」、「恋の罪」を立て続けに鑑賞。
どんどんうまくなっていく園子温ワールドは、僕のお気に入りになっていった。
そして時間をさかのぼりして、
「自殺サークル」と「紀子の食卓」を観た。
「自殺~」は正直面白くなかったが、
「紀子~」には仰天した。
この中には「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」「恋の罪」の素地が、
全て詰まっていると思った。
そして「自転車吐息」である。
園子温監督の商業映画デビュー作といってもいいと思う。
タイトルから連想して、
勝手に爽快に疾走する映画を連想していた・・・が、
まるで正反対だったんだよね。
大人になる前のなんとも言えない鬱憤。
作りかけの映画、嬉しくない誕生日、新聞配達、透明ランナー、
成就しない恋愛・・・いやそれに似た感覚?
だんだn壊れていく自転車、
割れた牛乳瓶、似合わないスーツ、
そして自殺。
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これらのイライラが少しもガス抜きをされることなく、
ラストまで続いていく。
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その描写がデ・パルマ並みの長回しで延々と取られていったりするのだが、
はっきり言って、ここまでの描き方はうまくないしぎこちない。
このころから、園監督は構成が苦手なんだなと苦笑を誘われる。
ただ、だからこそエンディングに近いシーンでの、
自転車の相乗りは感動するし、
ラスト、妹が街の雑踏に消えていく場面などは、
カタルシスを感じてしまうほど。
現在の園監督を知る上での、
参考資料にはなると思います。
間もなく新作が公開されますが、
その前に一度どうですか?
「園子温」原体験!
★園子温監督レビュー
愛のむきだし
冷たい熱帯魚
恋の罪
ヒミズ
紀子の食卓
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