冷たい熱帯魚 | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます


あの時の映画日記
『冷たい熱帯魚』

2010年度 園子温監督作品


さて、昨夜に続きまして、

本日も園子温作品です。


実際に起きた猟奇殺人事件をベースにした物語。

神をも恐れぬというのは、まさにこの作品のこと。


暗喩的に、十字架やマリア像が出てくるが、

まさにこの作品が描いているのは、神への反逆である。


この作品も、「紀子の食卓 」や「愛のむきだし 」同様、

ぎこちない家族関係が描かれる。


その家族の小さなほころびをきっかけに、

吹越満演じる熱帯魚屋の店主社本が、残虐な事件に巻き込まれていく。


あの時の映画日記

この作品のグロ描写は、吐き気をもよおすほど酷い。

画面から溢れ出る血の量は凄まじい。


同監督の「自殺サークル」でも大量の血が流れたが、

リアリティがなかった。

それに対してこの作品の血はリアルである。


神に反逆する悪魔として登場するのが、

でんでん演じる村田。

村田は神が色をつけてくれた人間というものを、

透明にしてしまう。


村田と村田の妻(愛人?)に言われるがままに、

自らの手も血に染めていく社本。


あの時の映画日記

細かい部分に雑なところがあり、

園子温監督お決まりの、後半の交通整理のまずさもあるのですが、


「やっと死にやがったか、クソジジイ!」


この一言で物語を観ている我々を絶望の淵に遠慮なく追い込んで、

映画は終わります。


全く救いのない作品です。

ただ、なんだろう、

言い表すことが難しい爽快感を感じました。


あの時の映画日記

強烈な作品です。

愛も希望も絵空事・・・


ペタしてね 読者登録してね

クリック応援よろしくお願いします!

↓   ↓    ↓    ↓

人気ブログランキング   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ