2010年度 園子温監督作品
さて、昨夜に続きまして、
本日も園子温作品です。
実際に起きた猟奇殺人事件をベースにした物語。
神をも恐れぬというのは、まさにこの作品のこと。
暗喩的に、十字架やマリア像が出てくるが、
まさにこの作品が描いているのは、神への反逆である。
ぎこちない家族関係が描かれる。
その家族の小さなほころびをきっかけに、
吹越満演じる熱帯魚屋の店主社本が、残虐な事件に巻き込まれていく。
![あの時の映画日記](https://stat.ameba.jp/user_images/20121218/17/hal-9000hn/90/7d/j/t02200147_0500033312335788792.jpg?caw=800)
この作品のグロ描写は、吐き気をもよおすほど酷い。
画面から溢れ出る血の量は凄まじい。
同監督の「自殺サークル」でも大量の血が流れたが、
リアリティがなかった。
それに対してこの作品の血はリアルである。
神に反逆する悪魔として登場するのが、
でんでん演じる村田。
村田は神が色をつけてくれた人間というものを、
透明にしてしまう。
村田と村田の妻(愛人?)に言われるがままに、
自らの手も血に染めていく社本。
![あの時の映画日記](https://stat.ameba.jp/user_images/20121218/17/hal-9000hn/40/13/j/t02200147_0500033312335788790.jpg?caw=800)
細かい部分に雑なところがあり、
園子温監督お決まりの、後半の交通整理のまずさもあるのですが、
「やっと死にやがったか、クソジジイ!」
この一言で物語を観ている我々を絶望の淵に遠慮なく追い込んで、
映画は終わります。
全く救いのない作品です。
ただ、なんだろう、
言い表すことが難しい爽快感を感じました。
![あの時の映画日記](https://stat.ameba.jp/user_images/20121218/17/hal-9000hn/5d/eb/j/t02200147_0500033312335788793.jpg?caw=800)
強烈な作品です。
愛も希望も絵空事・・・