今日は、宮司を兼務するすぐ近くの金沢市岸川町・八幡神社で、“山祭り”と複数の“厄除祈願祭”奉仕のため、1月に当社権禰宜(ごんねぎ)に就任したばかりの嫁のIちゃんとともに出向します。
で、明日は北陸新幹線開業より1年ということで、昨日や今日は、金沢や沿線などで様々な記念イベントがおこなわれているようです。
JR西の発表では、昨日までの北陸新幹線乗客数が累計900万人を超え、1千万人も間近とのことで、26日に北海道新幹線(新青森―新函館北斗)が開業しても、2年目の開業効果が薄れることなく、さらなる飛躍が期待されています。
それにしても、北陸新幹線金沢延伸による開業効果はすごかったですよね~!。
まさに想定外の入り込みで、JRが前年比2倍と見込んでいたものが3倍となり、金沢の街中は人・ひと・ヒトであふれました。九州新幹線全線開業時は1,6倍だったからその凄さがわかります。
さらに、当県輪島を舞台にしたNHK朝ドラ「まれ」効果も加わって能登も、加賀温泉郷(粟津・片山津・山代・山中)を抱える南加賀にも観光客が押し寄せました。
今でもそうですが、開業以来金沢は、平日も土・日も関係なく人であふれかえっています。
ですが、金沢の負の部分もさらけ出してしまいました。開業後初のゴールデンウィークではホテル予約が困難な状態が続き、それに目を付けたのか秋のシルバーウィークには、平日素泊りで5千円のホテルが5倍に値を上げたり、近江町市場の海鮮丼が首都圏並みに馬鹿高かったり、便乗値上げで金沢の印象を落とす業者もあらわれました。
また、奥能登の友人が、会議や懇親会参加のため金沢に来ても、なかなかホテルの予約が出来ない状態が続いているといいますし、TVで金沢おでんの特集をしたものだから、行きつけのおでん屋へ行っても観光客で席を占められ、近江町市場も地元の者が行きづらくなりました。
それに、北陸新幹線開業に伴い、これまで金沢駅の出入り口も、「東口」→「兼六園口」に、「西口」→「金沢港口」に名称が変更されましたが、JR西のHPでは金沢の玄関口にふさわしい名前に変更したとあったのですが、あきらかに観光客シフトであり、長年親しんできた地元の者にとっては超わかりずらいのです。
そして、東口(兼六園口)のバス乗り場も、番号ごとに観光客を意識した表示になっており、「ひがし茶屋街」とか「兼六園」とかの行先看板が立ててあって、しかも兼六園シャトルバスなんか、「左回り」「右回り」とか書いてあって、南町まで行きたい私はどれに乗っていいかわからず、乗車したあと思わずドライバーさんに「これ、南町まで行く」と聞きました。
それでもやっぱり、待ちに待って、東京―金沢を最短2時間28分で結ばれたのは魅力です!。
なんぼ金沢が加賀百万石の城下町だ、北陸一の繁華街だと叫んでも、首都圏の人から見れば遠い“日本海側”の“裏日本”であり、北国の地方都市に過ぎないのですが、それが一気に時短効果で花が咲きました。
今朝の地元新聞には、開業イヤーの手応えと課題についての県知事さんへのインタビューが載せられていました…。
石川にはね、壮大なテーマパークや一点豪華な観光資源はないわけですよ。でも、昔ながらの町並みや伝統文化が残り、それが日常に溶け込んでいる。だから、首都圏の人には県民の生活そのものが「本物の日本」に見えるんや。
開業前から魅力的な場所という印象はあったんだろうけど、なんせ遠かったからね。そんな心理的なつっかえ棒を新幹線が外した。だから一気に人が来たんでしょう。
なるほど、伝統文化は街の根っこですからね。確かに空襲を受けていない金沢はハード面の伝統建築群と、加賀百万石から連綿と続くソフト面の文化が多く残り、かつ受け継がれていますからね!。
さらに知事に心配された「ストロー現象」についてのインタビューでは…。
それどころか、県外に本社を持つ企業の支社や支店が30ほど増えましたよ。金沢の拠点性が高まったってことです。時間的距離が短縮されると東京に吸い取られると思ったけど、金沢に集約する動きが出てきた。
一方で、こちらの支店を廃止して東京へ持ってったなんてケースはゼロや。「逆ストロー」になったわけですな。
とのことで、他の北陸新幹線沿線自治体から“金沢の一人勝ち”と言われているのでありますが、同時にストロー現象に見舞われることはなく、反対に「逆ストロー効果」をもたらしているのであります。
やはり、金沢は街の底力というか、文化と伝統によって、それなりの魅力と都市力を持っているのでしょうな!。
最後に、ちょうど1年前の北陸新幹線開業日、人でごった返してムタムタな金沢駅の画像をお届けして擱筆(かくひつ)します。
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