7月1日、今日から1年の後半戦のスタートです。
お朔日参り本日は、朝6時から月次祭を奉仕いたしますが、今日雨が降ることを予測していたので、昨日は早朝5時半から3時間かけて境内清掃をおこないました。
また、7月1日は霊峰・白山の開山祭でもあるわけですが、金沢では昔から氷室の日とされていますが、そのことについては最後の方で述べさせていただきます。
さて、水無月晦日の昨日は、宮司を兼務する金沢市久安1丁目鎮座の延喜式内 御馬神社の夏越大祓式奉仕のため、午後より向かいました。御馬神社(みまじんじゃ)は延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)に所載されている、加賀国石川郡十座の一つに数えられる由緒ある神社なのです。
本務の当・波自加彌神社も、加賀国加賀郡十三座中に数える式内社なのですが、河北郡の神社では今でも大祓の風習が無いので、旧河北郡である当社も行っておりません。
さて、御馬神社では、大祓式に先立って、午後3時より境内で祭器庫の地鎮祭を斎行いたしました。
氏子のYさんが還暦を記念して高額奉納されたもので、これまで幣殿床下の収納庫に祭具類を納めていたのですが、手狭になったので祭器庫を建設することになったのです。
Yさんのお父上は22年前に故人となられましたが、元総代会長をつとめておられました。
地鎮祭には、Yさんをはじめ、総代会長以下総代、維持奉賛会役員が参列いたしました。
そして、豊栄舞を奉奏いたしました。
祭典後、いよいよ茅の輪くぐりの神事です!。
神事に先立ち、私がパソコンで作成した茅の輪の由来や唱える神歌を記したチラシを全員にお配りしました。
宮司である私を先頭に、祭員、巫女、総代会長以下総代、参列者と続くのですが、祭員のFさんが奉じている三方(さんぽう)には、祓物として氏子の方々より寄せられた人形(ひとがた=形代)が奉載されております。
本来は、茅舟(かやぶね)を作って、これに人形を奉じて茅の輪をくぐり、後で川に流すものですが、住宅密集地であるので氏子区域を流れる伏見川なぞに流すと何を言われるかわからないので、後日茅の輪とともにお焚き上げいたします。
みなさんもご承知のように、茅の輪くぐりは8の字を描くように、左、右、左と3回くぐるのですが、私の先導でみなさんに神歌を3回奉唱していただきました。
①「水無月の 夏越の祓する人は 千歳の命延ぶといふなり」
②「思ふこと みなつきねとて麻の葉を きりにきりても祓へつるかな」
③「宮川の 清き流れに禊(みそぎ)せば 祈れることの叶わぬはなし」
そして、ご参列のみなさんには、1日早く氷室万頭がおさがりとして配られました。
金沢伝統の氷室(ひむろ)については、私の過去のブログ・氷室万頭の由来をご覧くださればわかると思いますが、今日は金沢の和菓子屋さんやデパ地下はこれを求める人でいっぱいになると思われます。
7月1日は氷室の日ですが、金沢では昔から「ヒムロツイタチ」または「イリガシボン」とも呼ばれていました。
金沢では、この日嫁の実家から嫁ぎ先へ氷室万頭を贈るという風習があります。
「イリガシボン」といわれるのは、炒り菓子、つまり米、豆、アラレなどを炒ったもので、ポン菓子も同類ですが、やはり氷室饅頭とともに娘の嫁ぎ先へ贈ります。
私の住む金沢市北郊の森本地区や南部の押野地区では、今日を「オニノキバ(鬼の牙)」あるいは「オンノキバ」といって、歯を固めて健康を念じるため炒り菓子を食べますが、一昨日の奥能登・珠洲市の羽黒神社宮司さんのブログにも、「オンノキバ」としてカキ餅を食べる風習を伝えていました。
氷室饅頭は、加賀藩五代藩主・前田綱紀公の時代、享保年間に片町の生菓子屋・道願屋彦兵衛(どうがんやひこべえ)の発案によって売り出されました。
饅頭の皮の材料となる麦は、雪に耐えて生長する強い生命力のある植物であり、万頭(まんじゅう)とも書くことから、「万(よろず)」の「頭(かしら)」となるようにとの願いを込めた菓子であるため、氷室の節会(せちえ)と麦の生命力から由来しているようです。
でも、大正初期頃までは、氷室万頭は今みたいな砂糖入りの餡ではなく、塩餡入りの麦まんじゅうだったんですよね!。
また、ヒムロツイタチの今日は、先述の氷室万頭や炒り菓子のほかに、氷室竹輪(ちくわ)や杏(あんず)や枇杷(びわ)を添えて贈る風習もあります。
氷室チクワは、字の通り竹輪と書きますが、芯に使われる青竹に殺菌作用があるため、夏場でも日持ちすることから、無病息災で夏を乗り切るとの願いをこめてこの時期に食されるのです。
ちなみに、当家では、金沢十一屋町の「つちや」の氷室万頭を毎年買っているのであります。
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お朔日参り本日は、朝6時から月次祭を奉仕いたしますが、今日雨が降ることを予測していたので、昨日は早朝5時半から3時間かけて境内清掃をおこないました。
また、7月1日は霊峰・白山の開山祭でもあるわけですが、金沢では昔から氷室の日とされていますが、そのことについては最後の方で述べさせていただきます。
さて、水無月晦日の昨日は、宮司を兼務する金沢市久安1丁目鎮座の延喜式内 御馬神社の夏越大祓式奉仕のため、午後より向かいました。御馬神社(みまじんじゃ)は延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)に所載されている、加賀国石川郡十座の一つに数えられる由緒ある神社なのです。
本務の当・波自加彌神社も、加賀国加賀郡十三座中に数える式内社なのですが、河北郡の神社では今でも大祓の風習が無いので、旧河北郡である当社も行っておりません。
さて、御馬神社では、大祓式に先立って、午後3時より境内で祭器庫の地鎮祭を斎行いたしました。
氏子のYさんが還暦を記念して高額奉納されたもので、これまで幣殿床下の収納庫に祭具類を納めていたのですが、手狭になったので祭器庫を建設することになったのです。
Yさんのお父上は22年前に故人となられましたが、元総代会長をつとめておられました。
地鎮祭には、Yさんをはじめ、総代会長以下総代、維持奉賛会役員が参列いたしました。
午後4時、大勢の参列のもと夏越大祓が斎行されました。拝殿内には大型エアコンが2基設置してあるので涼しくてとても快適でした。
本来、大祓式は境内の祓所に設けられた特設斎場で行うものですが、そこは田舎の神社なので、社殿を祓戸(はらえど)に見立て、三本立金幣を奉(たてまつ)りました。
大祓は「祭」ではなく「式」なのですが、中祭並みに神饌(しんせん)を供し、宮司や代表の総代会長や奉賛会長の玉串拝礼もあります。
そして、豊栄舞を奉奏いたしました。
祭典後、いよいよ茅の輪くぐりの神事です!。
神事に先立ち、私がパソコンで作成した茅の輪の由来や唱える神歌を記したチラシを全員にお配りしました。
宮司である私を先頭に、祭員、巫女、総代会長以下総代、参列者と続くのですが、祭員のFさんが奉じている三方(さんぽう)には、祓物として氏子の方々より寄せられた人形(ひとがた=形代)が奉載されております。
本来は、茅舟(かやぶね)を作って、これに人形を奉じて茅の輪をくぐり、後で川に流すものですが、住宅密集地であるので氏子区域を流れる伏見川なぞに流すと何を言われるかわからないので、後日茅の輪とともにお焚き上げいたします。
みなさんもご承知のように、茅の輪くぐりは8の字を描くように、左、右、左と3回くぐるのですが、私の先導でみなさんに神歌を3回奉唱していただきました。
①「水無月の 夏越の祓する人は 千歳の命延ぶといふなり」
②「思ふこと みなつきねとて麻の葉を きりにきりても祓へつるかな」
③「宮川の 清き流れに禊(みそぎ)せば 祈れることの叶わぬはなし」
そして、ご参列のみなさんには、1日早く氷室万頭がおさがりとして配られました。
金沢伝統の氷室(ひむろ)については、私の過去のブログ・氷室万頭の由来をご覧くださればわかると思いますが、今日は金沢の和菓子屋さんやデパ地下はこれを求める人でいっぱいになると思われます。
7月1日は氷室の日ですが、金沢では昔から「ヒムロツイタチ」または「イリガシボン」とも呼ばれていました。
金沢では、この日嫁の実家から嫁ぎ先へ氷室万頭を贈るという風習があります。
なお、上の画像は越山甘清堂の氷室万頭ですが、この下の画像をクリックして氷室万頭の由来解説をご覧ください!。
「イリガシボン」といわれるのは、炒り菓子、つまり米、豆、アラレなどを炒ったもので、ポン菓子も同類ですが、やはり氷室饅頭とともに娘の嫁ぎ先へ贈ります。
私の住む金沢市北郊の森本地区や南部の押野地区では、今日を「オニノキバ(鬼の牙)」あるいは「オンノキバ」といって、歯を固めて健康を念じるため炒り菓子を食べますが、一昨日の奥能登・珠洲市の羽黒神社宮司さんのブログにも、「オンノキバ」としてカキ餅を食べる風習を伝えていました。
氷室饅頭は、加賀藩五代藩主・前田綱紀公の時代、享保年間に片町の生菓子屋・道願屋彦兵衛(どうがんやひこべえ)の発案によって売り出されました。
饅頭の皮の材料となる麦は、雪に耐えて生長する強い生命力のある植物であり、万頭(まんじゅう)とも書くことから、「万(よろず)」の「頭(かしら)」となるようにとの願いを込めた菓子であるため、氷室の節会(せちえ)と麦の生命力から由来しているようです。
でも、大正初期頃までは、氷室万頭は今みたいな砂糖入りの餡ではなく、塩餡入りの麦まんじゅうだったんですよね!。
また、ヒムロツイタチの今日は、先述の氷室万頭や炒り菓子のほかに、氷室竹輪(ちくわ)や杏(あんず)や枇杷(びわ)を添えて贈る風習もあります。
氷室チクワは、字の通り竹輪と書きますが、芯に使われる青竹に殺菌作用があるため、夏場でも日持ちすることから、無病息災で夏を乗り切るとの願いをこめてこの時期に食されるのです。
加えて、今が旬の果実であるアンズやビワは、夏負けしない栄養バランスを考えてのことだと思われますが、一説には卒中(脳卒中)予防の願いもこめられているとのことです。
ちなみに、当家では、金沢十一屋町の「つちや」の氷室万頭を毎年買っているのであります。
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