神へのお供え物を「神饌(しんせん)」といいます。
画像は、昨年秋、金沢の尾山神社で斎行(さいこう)された、神宮大麻・歴頒布始奉告祭(じんぐうたいま・れきはんぷはじめほうこくさい)での神饌です。
神社の祭は、大祭、中祭、小祭に区別され、神饌の台数も決まっております。特に、明治8年に「官国幣社(かんこくへいしゃ)以下神社祭式」が定められて以降は、神饌は全国的に画一化されたものになりました。
神社本庁の「神社祭式」による現在の大祭式の神饌は…
1、和稲(にぎしね)…精米したお米
2、荒稲(あらしね)…籾(もみ)の状態のお米です、画像は、古代米と黍(きび)の荒稲で、私が神饌調理しました。
3、酒…お神酒です、新嘗祭の場合は濁酒を供える神社もあります
4、餅…白・白の鏡餅が基本ですが、一社の故実で、丸餅や花びら餅など、特殊な形状の餅を供える場合もあります
5、海魚…一般的に鯛を供えますが、当社の鎮火祭のように鱈(たら)や、一社の故実で鰤(ぶり)や鱸(すずき)、アワビなど貝類を供える場合もあります
6、川魚…鯉(こい)が基本ですが、中には鮎(あゆ)や鮒(ふな)などを供える場合もあります
7、野鳥…奈良県奈良市の春日大社や同県橿原市の橿原神宮では、実物の雉(きじ)や鶏(にわとり)などの山鳥をお供えしますが、入手が困難なので、一般の神社では鶏卵を代用としています
8、水鳥…雁(がん)や鴨(かも)などの実物の水鳥を供える神社もありますが、これも入手が困難なので、明治神宮などでは鶉(うずら)の卵を代用としています
9、海菜…「奥津藻葉(おきつもは)」の昆布や若布、「辺津藻葉(へつもは)」である、ひじき、あらめ、海苔(のり)など
10、野菜…「甘菜(あまな)」である芋、人参、藷(いも)、芹(せり)、かぶ、なずな、はこべらなどで、一方、「辛菜(からな)」は大根、芥菜(からしな)、薑(はじかみ)などですが、現在は季節の野菜を供えます
11、果…果物です、菓子は昔、「くだもの」と呼ばれ、木の実を意味していました、干し柿のように菓子は果子であり、果物がすなわち菓子であったからです、後に人工の菓子が現れて、菓子と果物が区別されるようになりました
12、塩・水…お塩とお水です、人間も塩分と水がなければ生きられないように、神様にも「おわしますが如く」お供えするのです
特例として、靖国神社の春・秋の例大祭の神饌は50台で、御英霊へのお供えのため、タバコやビールなどの嗜好品を供えるとお聞きしたことがあります。
また、神饌は一般の神社は三方(さんぽう)に盛られますが、高杯(たかつき)や、伊勢の神宮の神楽殿や石川県輪島市の住吉神社などのように、丸三方を使う神社もあります。
下の画像は、高杯に盛られた、神奈川県箱根町の箱根神社の神饌です。
大和路写真帳さんのHP を参照させていただくと…、奈良市・春日大社の春日若宮のおん祭(国指定重要無形民俗文化財)に供えられる特殊神饌です。
これらを懸鳥(かけどり)というそうです。祭の大役である大和士(やまとざむらい)の参籠所「大宿所=おん祭の願主役(がんしゅやく)、御師役(おしやく)、馬場役(ばばやく)を勤める大和士が、神事奉仕に当って精進潔斎を行う参籠所」に供えられています。大和のわらべ歌にも「尾のある鳥と尾のないとりと~♪」と唄われています。昔はキジや鯛などとともに、ウサギや狸(尾のない鳥)、なども供えられていたそうです。やはり、四つ足は遠慮されたのでしょう。
そうすると、女房が張り切って、一昨日の夜に茶碗蒸しを10個もつくったもんだから、翌朝まで3個も食べました。
なぜかっていうと、兼務神社の春祭のお供え(神饌)で、前述のごとく「山鳥」の代用で鶏卵がお供えされるからです。
メインの第1冷蔵庫にも…
第2冷蔵庫にも…
社務所の第3冷蔵庫も卵でいっぱいです。
ご近所にもお配りしましたが、まだこれだけあるので、いくら冷蔵庫といっても日持ちを考えて、茶碗蒸しを大量につくったのです。
そして、第2冷蔵庫には、私がいつでも飲めるように、ビールが常時冷やされています。
これは、神へ捧げる神饌ではなく、ワシへのお供えです。
タケノコご飯にメザシ、ホウレン草のおひたし、白菜とニンジンとキュウリの切り漬け、肉厚シイタケとエノキのキノコ汁で昼食を聞し召したのでした。
明日の、「神饌…その2」へと続く!。
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