梨木香歩(なしき かほ)さんの書いたおすすめ本を紹介します。梨木香歩さんは、児童文学作家、絵本作家、小説家として広く執筆活動を行っています。また、カヤックの愛好者でもあるそうで、カナダのアルゴンキン自然公園で乗ったのがきっかけで、帰国後も趣味として続けていて、カヤックで水辺に漕ぎ出すと見えてくる世界を描く作品『水辺にて』もあります。
梨木香歩(なしき かほ)さんの略歴は次のとおりです。
- 児童文学作家、絵本作家、小説家。
- 1959年、鹿児島県生まれ。
- イギリスに留学し、児童文学者のベティ・モーガン・ボーエンに師事しました。
- 通訳を目指しながら、卒業後は臨床心理学者の河合隼雄氏の下でアルバイトを経験しました。
- 1993年から児童文学誌「飛ぶ教室」に作品を寄稿し、1994年に「西の魔女が死んだ」で作家デビューしました。
- 1995年に『西の魔女が死んだ』で第28回日本児童文学者協会新人賞、第13回新美南吉児童文学賞、第44回小学館文学賞を受賞し、また『裏庭』で第1回児童文学ファンタジー大賞も受賞しました。2005年に『沼地のある森を抜けて』で第5回Sense of Gender賞大賞、2006年に同作品で第16回紫式部文学賞を受賞し、2011年には『渡りの足跡』で第62回読売文学賞(随筆・紀行賞)を受賞しました。
- 『西の魔女が死んだ』が映画化され、ラジオドラマ化もされました。
- 作品には『西の魔女が死んだ』『丹生都比売』『裏庭』『からくりからくさ』『家守綺譚』『村田エフェンディ滞土録』『沼地のある森を抜けて』『僕は、そして僕たちはどう生きるか』『海うそ』『椿宿の辺りに』など、絵本には『ペンキや』『蟹塚縁起』『マジョモリ』『ワニ』など、エッセイには『春になったら莓を摘みに』『ぐるりのこと』『水辺にて』『渡りの足跡』『風と双眼鏡、膝掛け毛布』『やがて満ちてくる光の』『ほんとうのリーダーのみつけかた』『炉辺の風おと』などがあります。
梨木香歩さんの書いた人気のおすすめ本7冊を紹介します。以下、内容を本ごとにまとめています。
1冊目
よんひゃくまんさいのびわこさん 大型本
著者:梨木香歩、小沢さかえ (イラスト) 発売日:2020/12
概要
びわこは400万年くらい前に伊賀のあたりで生まれ、移動を繰り返して、今の場所に落ち着いたのは100万年ほど前と言われています。
内陸なのに、ハマヒルガオなどの海浜植物が生え、たくさんの固有種を育みながら移動してきた「びわこさん」。
地学や植物学の成果と想像力豊かなフィクションが融合した絵本。
おすすめポイント!
詩のような言葉とのびやかな絵が響き合う、大判の絵本です。
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著者:梨木香歩、小沢さかえ (イラスト) 本の書式:大型本 定価:1,760円
2冊目
炉辺の風おと 単行本
著者:梨木香歩 発売日:2020/9
概要
炎に映る孤独はひたひたと一人を満たす。他の誰でもない、自分の生を生きていく。
大転換の時――八ケ岳での山小屋暮らし、鳥や植物、小動物との交流から〈新たな日常〉を探る地球視線エッセイ。
目次
第一章 山小屋暮らし
第二章 巡りゆくいのち
第三章 鳥の食事箱
第四章 いのちの火を絶やさないように
第五章 遠い山脈
おすすめポイント!
毎日新聞「日曜くらぶ」連載の単行本化。
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大自然の中でひとり暮らす地球視線エッセイを読みたい方へ!
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著者:梨木香歩 本の書式:単行本 定価:1,760円
3冊目
ほんとうのリーダーのみつけかた 単行本
著者:梨木香歩 発売日:2020/7
概要
この講演録は、『僕は、そして僕たちはどう生きるか』(岩波現代文庫)の刊行を記念して、2015年4月4日、ジュンク堂書店池袋本店において20歳までの方を対象に行われた梨木さんのトークセッション、『「どう生きるか」をどう生きるか』でのお話に、加筆・訂正を行ったものです。
5年前に行われたトークセッションではありますが、このときのお話には、コロナ禍の中で私たちが考えるべきことのエッセンスが詰まっています。
非常時というかけ声のもと、みんなと同じでなくてはいけないという圧力が強くなっています。息苦しさが増す中で、強そうな人の意見に流されてしまうことって、ありませんか?でも、あなたがいちばん耳を傾けるべき存在は、実は、もっと身近なところにいるのです。あなたの最強のチームをつくるために、その人を探しに出かけよう。
おすすめポイント!
コロナ禍の事態にあたって、梨木香歩さんの以前の講演記録が手助けをしてくれます。
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著者:梨木香歩 本の書式:単行本 定価:1,320円
4冊目
風と双眼鏡、膝掛け毛布 単行本
著者:梨木香歩 発売日:2020/3
概要
双眼鏡を片手にふらりと旅へ。地名を手掛かりにその土地の記憶をたどり、人とそこに生きる植物や動物の営みに思いをはせ、創造の翼を広げる珠玉のエッセイ集。『ちくま』連載を加筆し単行本化。
本書に登場する地名
・塩の道・三州街道の地名/足助 伊那
・熊野街道の地名/紀伊長島 尾鷲 八軒屋 布施屋
・東海道の地名/大津 石場(大津宿) 矢橋(草津宿) 頓宮(土山宿) 生野(土山宿) 知立(池鯉鮒宿)
・アイヌ文化由来の地名/蕪島 種差 是川 母袋子 鮫 星置 鷹栖 熊牛安瀬 濃昼 利尻
・国境の地名/人里 数馬 猿ヶ京 法師 道志
・沖縄の地名/普天間 読谷山 喜名 今帰仁 平良 東風平 富盛 ほか)
おすすめポイント!
地名から喚起され、想起された世界を描くエッセイ集。
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地名を手掛かりに創造の世界へ旅したい方へ!
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著者:梨木香歩 本の書式:単行本(ソフトカバー) 定価:1,650円
5冊目
ヤービの深い秋 (福音館創作童話シリーズ) 単行本
著者:梨木香歩 発売日:2019/7
概要
冬ごもりの支度におおいそがしのヤービたちは、博物学者であったグラン・グランパ・ヤービが、ややこし森で見つけたという、幻のキノコ、ユメミダケを探す冒険に出発します。
一方同じころ、フリースクールの生徒ギンドロと、ウタドリ先生、庭師のカンヌキさんも、ギンドロの見つけた不思議な手紙に導かれ、テーブル森林渓谷、つまりヤービたちのいうところのややこし森へと向かっていたのでした。
ヤービシリーズ待望の第二弾。
おすすめポイント!
秋の森深く。幻のきのこを探して、ヤービたちと大きな人たち2組の冒険が始まる。
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ヤービたちと秋の心に出会う旅に出かけたい方へ!
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ヤービの深い秋 (福音館創作童話シリーズ) [ 梨木香歩 ]
著者:梨木香歩 本の書式:単行本 定価:1,870円
6冊目
やがて満ちてくる光の 単行本
著者:梨木香歩 発売日:2019/7
概要
森を歩き、鳥を観る。きのこの生命に学び、人の未来を思う……物語を育む日常の思索をつづる、作家人生を映し出すエッセイ集。
「この文章が、いつか生きることに資する何かになってくれたら。受け手があって読んでくれて、初めて物語は完成する。作り手を離れ、そこから紡がれていく何かがあると思うのです。」――創作の萌芽を伝え、読み手を照らす光が、胸に静かに届きます。
おすすめポイント!
25年の作家生活を映し出すエッセイ集。
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さまざまな媒体で書かれたエッセイを一冊で読みたい方へ!
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著者:梨木香歩 本の書式:単行本(ソフトカバー) 定価:1,760円
7冊目
椿宿の辺りに 単行本
著者:梨木香歩 発売日:2019/5
概要
皮膚科学研究員の佐田山幸彦は三十肩と鬱(うつ)で、従妹の海子は階段から落ち、ともに痛みで難儀している。なぜ自分たちだけこんな目に遭うのか。外祖母・早百合の夢枕に立った祖父から、「稲荷に油揚げを……」の伝言を託され、山幸彦は、鍼灸師の双子の片割れを伴い、祖先の地である椿宿(つばきしゅく)へと向かう。
屋敷の中庭には稲荷の祠、屋根裏には曽祖父の書き付け「f植物園の巣穴に入りて」、明治以来四世代にわたって佐田家が住まいした屋敷には、かつて藩主の兄弟葛藤による惨劇もあった。
『古事記』の海幸山幸物語に3人目の宙幸彦が加わり、事態は神話の深層へと展開していく。
おすすめポイント!
深遠でコミカル、重くて軽快。著者五年ぶりの傑作長編小説。歯痛から始まった『f植物園の巣穴』の姉妹編。
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つながっている現実と異世界を体験したい方へ!
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著者:梨木香歩 本の書式:単行本 定価:1,650円
梨木香歩さんの短編小説公募プロジェクト「BOOK SHORTS」のインタビューの中で、「作品を書くきっかけやモチーフの選び方」について、
生きて生活していると、いろんなものが眼前を流れていくでしょう。ことばであったり、映像であったり、そこから想起されるさまざまなできごとや物語のようなものも。そのなかから、頭で考えるのではなく、自分の心に強く訴えてくるものを選ぶ。そのときはその意味がわからなくても、いろいろな角度からそれと深くかかわっていく。そうすると、あとで、なぜ、これにそれほど引っかかったのか、わかるときがきます。ふいにきます。どういうしくみが働いているのか、よくわからないけれども、それは人生をおさめ、鎮めていく方法のひとつでもあるのでしょう。
と語っています。人生においても、「自分の心に強く訴えてくるものを大切にしたい」ことも述べています。
今回は、梨木香歩さんが書いたおすすめの本を紹介しました。もし、自分に合った本があったら、手に取ってみてください。本好きおじさんからの紹介コーナーでした。じゃあまた!
▼短編小説公募プロジェクト「BOOK SHORTS」のインタビュー
その他のおすすめ本
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