デジタルマーケティングを考えるのにおすすめの本を紹介します。マーケティングにおいて顧客へのアプローチ手段としては、実店舗やオンライン店舗(ECサイト)、モバイルサイト、SNS、メール、通販カタログ、ダイレクトメール、マスメディア広告、コールセンターなどがあります。広義では、これらすべてがデジタルマーケティングの対象と考えられます。私のデジタルマーケティングのイメージでは、顧客の一人一人の行動や売上などの顧客データや各種情報をデジタル化することで、マーケティングとして分析し、それを各チャネルで活用・連携を図る仕掛けを作ることで、成果を上げるための手段です。
本の紹介の前に、少し用語説明をさせていただきます。AdobeホームページやIT用語辞典には次のような説明がありました。
- Webマーケティングとは、企業の運営するWebサイトのコンテンツを充実させて、いかにして顧客を流入させ、誘導し、購買などのアクションにつなげていくのかを考えます。具体的にはSEO対策やリスティング広告の利用、アクセス解析とその後のWebサイトの改善などです。Webを中心に施策を行い、Webで取得可能な情報を使って効果測定を行います。
- デジタルマーケティングとは、Webサイト内でのマーケティングにとどまらず、オンラインのあらゆるチャネルや接点を活用し、顧客との関係を構築していくためのマーケティング施策です。Webサイト、メール、SNS、ウェブ広告等を単一のチャネルとしてではなく、顧客データを統合し、カスタマージャーニーを進めるための仕掛けを作ることです。
- カスタマージャーニーとは、デジタルとオフラインをまたいで進行する顧客ごとに異なる一連の顧客体験のことです。統合されたひとつのマーケティング基盤を導入することで、チャネル、デバイス、地域をまたぎ、相手に見合った有意義でパーソナルなエクスペリエンスで満たされたジャーニー(商品購入へ至る一連の行動の流れ)を構築できます。
- ECとは、データ通信やコンピュータなど電子的な手段を介して行う商取引の総称。電子商取引、eコマースとも呼ばれます。
- SEOとは、Webサイト運営者が行うサイト改善策の一つで、Web検索サイト(検索エンジン)の検索結果リストの上位に表示させるためにさまざまな工夫を行うことです。
また、紹介する本によるとデジタルマーケティングの内容には次のようなものがあります。
- 1冊目の内容(「成果の出ないことがわかっている施策」を止める/デジタルに「できること」「できないこと」を理解する/「5名の行動観察」は「データ分析」に勝る/最短・最速で「ゴール直行」できる仕掛けをつくる/コストパフォーマンスの高いデジタルの良さを最大限に生かして成果につなげる など)
- 2冊目の内容(デジタルマーケティング見るだけノートの活用/PV数、CVR、リピート率向上を実現 など)
- 3冊目の内容(EC市場やWeb広告といった基本を理解/デジタルマーケティングの幅広いトピックを理解 など)
- 4冊目の内容(身近な企業ケースを通して概念や理論を説明/デジタル・マーケティング実践するためのツールやインフラを紹介 など)
- 5冊目の内容(新規顧客と継続顧客の育て方、デジタルコミュニケーションの基本/デジタルの接点を通じていかにロイヤルカスタマー化していくか/売上成長の基本的な考え方とその数字の見方を紹介 など)
取り上げた最近人気があったデジタルマーケティングを考えるのに参考となるおすすめの本5冊を紹介します。
1冊目
デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか? 単行本
著者:垣内勇威 発売日:2020/9
概要
最初のおすすめ本の内容は次のとおりです。なお、著者の垣内勇威さんは株式会社WACUL(ワカル)取締役CIO兼WACULテクノロジー&マーケティングラボ所長です。データ分析から改善提案や成果の測定といった「Webマーケティングの売上拡大のPDCA」をAIが支援するSaaSツール『AIアナリスト』を生み出しました。
- 多くの企業・マーケター・コンサルタントが「成果の出ない施策」を繰り返してしまうのは、デジタルマーケティングの「定石」を知らないからです。そのせいで、「成果の出ないことがわかっている施策」を再びゼロから作り直してしまう「車輪の再発明」が、いたるところで起こっています。これは、「経営資源の無駄遣い」以外の何物でもありません。この「車輪の再発明」に終止符を打つのが本書です。
- 本書ではその知見をもとに、デジタル活用の「正解・不正解」を一刀両断します。
・デジタルに「できること」「できないこと」を理解する
・最新技術・バズワードは「魔法の杖」ではない
・ビジネスを変革する「デジタル人材」はどこにいるのか
・A/Bテスト・SEO・アトリビューションは無駄
・「5名の行動観察」は「データ分析」に勝る
・最短・最速で「ゴール直行」できる仕掛けをつくる - 本書を読んで、デジタルマーケティングの「定石」を理解すれば、最新テクノロジーやバズワードに振り回されることなく、無駄や非効率なやり方を根こそぎ排除し、コストパフォーマンスの高いデジタルのよさを最大限に活かして成果につなげられます。さらには、デジタル化によって事業を速やかに再構築し成長させる「デジタル戦略」「DX戦略」立案の一助になるはずです。
おすすめポイント!
デジタル活用の目的を整理し、定石=成果を出すための施策パターンを徹底解説。
こんな方におすすめ!
成果の出るからデジタルマーケティングの定石を学びたい方へ!
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デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?
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デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか? [ 垣内勇威 ]
著者:垣内勇威 本の書式:単行本(ソフトカバー) 定価:2,420円
2冊目
知識ゼロからPV数、CVR、リピート率向上を実現! デジタルマーケティング見るだけノート 単行本
著者:山浦直宏 発売日:2020/7
概要
次のおすすめ本の内容は次のとおりです。なお、著者の山浦直宏さんはデジタルマーケティングアドバイザー&コンサルタントです。読売広告社では社内起業し、子会社の代表取締役に就任しました。
あらゆるビジネスがオンライン化する“アフターコロナ時代”の必修知識を全網羅しています!!
・ 対面営業での売上が減ってきており、ECを伸ばしたい
・ WEBを強化したいが、何をすればいいかわからない
・ TwitterやInstagram、YouTubeなどを活用したSNSマーケティングに興味がある
・ PVやCVRなど、基本的な用語から学びたい
専門用語が多く難解なデジタルマーケティングが、知識ゼロでも、イラストを見ているだけでサクッとわかる!身につく!すぐ使える!一冊です。
おすすめポイント!
SEO、リスティング広告、PV数、CVR、UI/UX、MA、VRなど押さえておくべき専門用語95を紹介しています。デジタル施策の基本と最新トレンドが2時間でわかります!
こんな方におすすめ!
デジタルマーケティングの基本と最新トレンドを学びたい方へ!
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知識ゼロからPV数、CVR、リピート率向上を実現! デジタルマーケティング見るだけノート
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知識ゼロからPV数、CVR、リピート率向上を実現! デジタルマーケティング見るだけノート [ 山浦 直宏 ]
著者:山浦直宏 本の書式:単行本 定価:2,178円
3冊目
はじめてでもよくわかる! デジタルマーケティング集中講義 単行本
著者:カティサーク押切孝雄 発売日:2017/4
概要
3冊目のおすすめ本の内容は次のとおりです。なお、著者のカティサーク押切孝雄さんは株式会社カティサーク 代表取締役です。WEBメディアのエヴァンジェリストとして、ITの効果的な活用方法をセミナーや講演にて伝えることに定評があります。
- 本書では、そのデジタルマーケティングを「ざっくり押さえる」ことができるよう、トピックごとに章を分け、講義形式で解説していきます。講義の最後には「考えてみよう!」や「さらに深掘り」といった、より理解を深めるための記事も用意しています。そして確認のクイズも入れてありますので、理解度をチェックしながら読み進めることができます。
- EC市場やWeb広告といった基本から、マーケティングオートメーション、シェアリングエコノミー、3Dプリンティング、4Dプリンティングまで、デジタルマーケティングの幅広いトピックを扱っています。さらには第5次産業革命のシンギュラリティまでを見据えた内容を提供しています。
おすすめポイント!
デジタルマーケティングの「いま」と「これから」がわかります!
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はじめてでもよくわかる! デジタルマーケティング集中講義 [ カティサーク 押切孝雄 ]
著者:カティサーク押切孝雄 本の書式:単行本(ソフトカバー) 定価:2,618円
4冊目
1からのデジタル・マーケティング 単行本
編集:西川英彦,澁谷覚 発売日:2019/2
概要
4冊目のおすすめ本の内容は次のとおりです。なお、著者の西川英彦さんは法政大学経営学部教授です。
- アマゾンや食べログ、メルカリ、無印良品など身近な企業ケースを通して概念や理論を説明する入門テキスト。デジタル・マーケティング実践するためのツールやインフラも紹介しています。
- 日本マーケティング学会員が選ぶ「日本マーケティング本大賞2019 大賞」を受賞しています。
- 大目次:第I部 デジタル・マーケティングとは/第II部 デジタル・マーケティング戦略/第III部 デジタル・マーケティングのマネジメント
おすすめポイント!
デジタル・マーケティングをはじめて学ぶ人に最適な基本テキストです!
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著者:西川英彦,澁谷覚 本の書式:単行本 定価:2,640円
5冊目
デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法(MarkeZine BOOKS) 単行本
著者: 西井敏恭 発売日:2017/10
概要
最後のおすすめ本の内容は次のとおりです。なお、著者の西井敏恭さんはオイシックスドット大地株式会社執行役員、CMT、株式会社シンクロ代表取締役社長です。
- 企業の「売りたい気持ち」が消費者に見透かされる時代です。マーケターは「売りたい気持ち」を消費者の「買いたい気持ち」にどう変えていけばよいのでしょうか?新規顧客と継続顧客の育て方、デジタルコミュニケーションの基本が1冊になりました!
- 売上は顧客がもたらすものですが、一言で「顧客」といっても、
・はじめて買ってくれた人
・一度買ったきり、関係性が途切れた人
・何年も継続して買ってくれている人
……など、状態や関係性はさまざまです。 - 本書は「新規とリピート」をデジタル時代に即した形にバージョンアップしました。新規顧客と継続顧客を生み出し、デジタルの接点を通じていかにロイヤルカスタマー化していくかを解説します。顧客の構造を強化することで、見えてくる売上成長の基本的な考え方とその数字の見方を紹介します。
おすすめポイント!
顧客へのアプローチが変わる10のメソッド。基本的な数字の見方、やるべき施策の優先度がわかる超実践的な入門書です。
こんな方におすすめ!
デジタルマーケッターが知っておくべき考え方やノウハウを学びたい方へ!
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デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法(MarkeZine BOOKS)
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デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法(MarkeZine BOOKS) [ 西井 敏恭 ]
著者:西井敏恭 本の書式:単行本(ソフトカバー) 定価:1,980円
今回は、デジタルマーケティングを考えるのに参考となるおすすめの本を紹介しました。もし、自分に合った本があったら、手に取ってみてください。
商品購入へ至る一連の行動の流れはWeb上だけで完結するものではなく、デジタル化の中で広がりを見せていることから、デジタルマーケティングという言葉が必要となったのではないでしょうか。それは、技術革新やデジタル化によっていろいろなチャネルとの連携・再構築がしやすくなったからだと思います。どんなマーケティング手法がこれから成果を上げ、うまく取り入れることができるのかは、試行錯誤が続くのでしょう。紹介した本が、マーケティングで悩んでいる人の助けになれば幸いです。
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