H4O水素水のブログ -13ページ目

急成長する太陽エネルギー産業に潜む環境破壊

 太陽エネルギー業界の成長が中国の土壌を汚染しているという。Washington Postが報じている。


 ソーラーパネルの製造に使用されるポリシリコンが供給不足に陥っている。ポリシリコンの生産コストを抑えるため、中国企業は有毒廃棄物を土壌に垂れ流しにしており、これにより野生生物は命を奪われ、人体を危険にさらされているという。


 Washington Postの記事では、四塩化ケイ素の粉末廃棄物により、中国の内陸東部にある河南州の田園地帯が真っ白になったと報告している。ポリシリコンが1トン製造されると、4トンの四塩化ケイ素が廃棄物として出ることになる。この廃棄物からは、有毒な塩化水素ガスと酸が分離して空中に漂う。


 この廃棄物は、中国のポリシリコンメーカー、Luoyang Zhonggui High-Technologyが排出しているといわれている。Washington Postによると、同社は太陽エネルギー大手Suntech Powerのサプライヤーだという。


 この記事の執筆者であるAriana Eunjung Cha氏は、「中国では、ポリシリコン工場が新たな成長企業となっている」と記している。中国に新しく開設された工場は、現在世界で製造されている生産量の2倍以上の量を製造するように設定されているという。四塩化ケイ素は再利用が可能な素材だ。だが、製造者は環境保護を無視すれば、ポリシリコンの生産コストを約3分の2抑えられるという。


 米国の政治家や活動家は、ブルーカラー経済の減少により生まれたギャップを埋めるため、「グリーンカラー」という職種を推し進めている。


 「グリーンな」乾式壁を製造するSerious Materialsは、米国に工場を設立することを検討している。Suntech Powerも、ソーラーパネルの出荷コストを抑えるため、米国工場設立への関心を示している。


 しかし、米国の監視団体および環境法は、中国のポリシリコンメーカーが非難されているこの種の産業廃棄物の排出を防止し、罰することが予想される。


 新しい「クリーンな」技術のそのほかの予期しない副次的な悪影響としては、エタノール燃料のためトウモロコシの需要が高くなり、それに関連して食料コストが上昇していることや、バイオ燃料のためヤシの需要が高まりインドネシアの熱帯雨林が伐採されていることが挙げられる。また、中国の三峡ダムは、世界最大級の水力発電所を実現するために広大な土地を水没させている。


出典:CNET Japan

新型ロケット「長征5型」2014年に海南で打ち上げ

 中国運搬ロケット技術研究院の梁小虹副院長は10日、開発中の長征ロケット5型について、2014年の初打ち上げを目指すと述べた。同ロケットは、エンジンの組み合わせなど選択肢が多く、広いニーズに対応できる特徴があるという。


 設計作業は順調に進んでおり、10月には初歩的な試作モデルの制作を開始。2年間にわたり地上実験を繰り返した後、本格的試作機の制作に着手するという。


 2014年の初飛行では、海南省に建設中の海南ロケット発射場を利用する。


 中国は大陸間弾道ミサイルの技術を応用した長征1型で、1970年4月、初の人工衛星「東方紅1号」の打ち上げに成功。その後、主力の大型液体燃料ロケットを「長征シリーズ」として開発した。現在は2C、2D、2F、3A、3B、4Bの各型が使われている。


 これまでの長征シリーズは1段ロケットの燃料などに四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジンを使っていたが、毒性が極めて強いという問題があった。長征5号では、液体酸素-液体水素の組み合わせで推力50トンのエンジン「YF-77」、液体酸素-石油系燃料で推力100トンの「YF-100」の組み合わせで無毒、無汚染の打ち上げを目指す。


 中国航天科技集団公司によると、ロケット本体には「YF-77」2基を搭載。ブースターでは「YF-77」と「YF-100」を組み合わせて使う。標準タイプは、高度の高い静止トランスファー軌道(近地点200キロメートル、遠地点3万6000キロメートル、傾斜角190度)に重量10トンの打ち上げが可能。他に、14トン、6トンのタイプを予定している。


 別に、低周回軌道(LEO)への打ち上げを目的とするタイプもあり、それぞれ18トン、25トン、10トンの重量の軌道投入能力を予定している。長征5号は、さまざまなタイプを用意することで、打ち上げ打ち上げコストを低減することも、目標の1つにしている。


出典:中国情報局ニュース

土井さん着替えて発射台へ エンデバー打ち上げ

 米航空宇宙局(NASA)は米東部夏時間10日午後8時(日本時間11日午前9時)、日本初の有人宇宙施設「きぼう」の船内保管室を載せたスペースシャトル・エンデバーへの推進剤(液体酸素と液体水素)注入を終えた。土井隆雄さん(53)ら乗組員7人は同日深夜、シャトルに乗り込んだ。


 土井さんらは同日午後5時半(同11日午前6時半)に起床。食事後、最後の医学検査を受け、オレンジ色の飛行服に着替えた。待ち受ける報道陣に笑顔で手を振り、全員で親指を立ててポーズを取った後、飛行士専用の小型バスに乗り込んで発射台に向かった。


 エンデバーは11日午前2時28分(日本時間11日午後3時28分)、約400キロ上空の国際宇宙ステーションに向けて飛び立つ。発射場のあるケネディ宇宙センター周辺の天候に大きな問題はなく、打ち上げ準備は順調に進んでいる。


出典:朝日新聞

隕石中の有機物探る  衝突して進化?

 隕石(いんせき)や彗星(すいせい)が生命の源となる有機物を地球に運んだのではないか。近年の観測や実験で、このような考え方が主流になってきた。隕石は、宇宙のガスや粒子が衝突を繰り返して出来上がり、落ちてくる際には、地球とも激しく衝突する。この「衝突」によって、有機物がより複雑化して“進化”することが分かってきた。


 一九六九年、オーストラリアのマーチソン村に落ちたことから命名された「マーチソン隕石」。その中にはタンパク質の基になるアミノ酸や、脂肪酸、炭化水素、リン酸などさまざまな有機物が含まれていた。化学組成や放射性同位元素の比率から、地球外で生成された有機物と分かり、隕石が生命の源を運んできたのではないかとの考えが注目されるようになった。


 その後、研究テーマとなったのは、隕石に含まれる有機物はどのように生まれ、どんな環境を経験してきたかという問題だ。名古屋大大学院環境学研究科の三村耕一准教授は、どの隕石も必ず経る反応である「衝突」に着目した。


 隕石は、小惑星が何らかの原因で壊れ、地球に落下する。小惑星は、より小さな微惑星などとの衝突を繰り返して成長する。物体は衝突すると、衝撃波が広がって衝撃圧縮現象が起こり、圧力と温度が急激に上昇する。隕石に含まれる物質は、衝撃圧縮の影響を必ず受けていることになる。


 温度や圧力の変化に敏感な有機物は、衝撃を受けた時、どんな変化をするのか。三村准教授は、隕石に多く見られる、多環芳香族炭化水素(PAHs)と脂肪酸の二つの有機物を使って衝突実験をした。


 PAHsは、いくつかのベンゼン環が連なった構造で、脂肪酸とともに、隕石中や地球上でアミノ酸が作られる際の原料になる可能性が示唆されている。


 実験では、火薬を爆発させて弾丸を秒速二キロまで加速できる装置を使用。PAHsや脂肪酸を直径六センチの容器内に入れ、さまざまな速度で弾丸を当てた。


 その結果、PAHsと脂肪酸は、衝撃による圧力が低いと、より分子量が大きい複雑な有機物に変化。一方、圧力が高い場合は分解し、PAHsは三十ギガパスカル(約三十万気圧)、脂肪酸は二十五ギガパスカルをそれぞれ超えると、ほとんどすすになった。


 衝撃の圧力は衝突する速度に比例。あまり高速で地球に衝突すると、脂肪酸などの有機物は分解してしまう。しかし、初期地球(四十六億-三十八億年前の地球)は現在よりも厚い大気に覆われていた。


 大気がブレーキをかけ、隕石が地球表面にぶつかる速度は小さくなると推定されている。実験から、脂肪酸などが壊れてしまう衝突速度が分かったが、初期地球ではこれを下回った可能性が高く、PAHsや脂肪酸は壊れることなく地球に“軟着陸”できたことになる。


 月のクレーターの研究によって、初期地球には多量の隕石が衝突していたことが分かってきている。三村准教授は「宇宙空間で衝突を繰り返し、複雑化した有機物が隕石によって地球に運ばれてきたとのシナリオは、より有力になってきた」と語る。


 現在、三村准教授は、実際のマーチソン隕石を用いて衝突実験を進めている。脂肪酸は、衝撃によって量が増えるとの結果が出た。


 「隕石に含まれる別の有機物が、衝撃によって脂肪酸を新たに生成すると考えられる。このことは、脂肪酸がより生まれやすい環境になることを示唆している」と三村准教授。「今後は、衝突によって隕石中のアミノ酸がどのように変化するかなどにも迫っていきたい」とする。


出典:中日新聞

細菌のべん毛運動で新知見動力源はプロトン

  大阪大学大学院生命機能研究科の難波啓一教授、南野徹助教らは、細菌のべん毛を構築するタンパク質輸送装置が駆動するためには、ATPの加水分解エネルギーだけでなく、水素イオン(プロトン)の駆動力も用いていることを発見した。ネイチャー(1月24日号)に掲載された。


  細菌には細胞表層にべん毛がある。これは、らせん状になった細長い繊維が束になって運動する、30種ほどのタンパク質で構成された超分子ナノマシンだ。細胞膜にある基部体と細胞外に伸びるフックとべん毛繊維で構成される。基部体は回転モーターとして働き、らせん状のべん毛繊維はプロペラのように回転して推進力になり、フックはそれらをつないでいる。べん毛は、タンパク質が順次、先端の構築を助けるキャップの真下まで運ばれ、周りのべん毛タンパク質・フラジェリンと結合することで伸長する。


  直径40nm・高さ50nmの基部体の中心には、タンパク質輸送装置がある。フラジェリンは、この装置の中央基底部にある輸送ゲートから直径2nmのチャネルの中へ選択的に取り込まれる。毎秒20分子程度が、ゲートの前でチャネルに入ることができるよう解きほぐされ、装置を通過し、べん毛の先まで輸送される。


  これらの過程でエネルギー補給源と考えられていたのが、輸送装置を形成するタンパク質の1つ、ATP加水分解酵素(ATPase)の『FliI』だ。FliI遺伝子が欠損するとべん毛が作られないことから、これがフラジェリンの輸送をするためのエンジンであると考えられてきた。しかし、ATP加水分解反応のエネルギーがどのようにフラジェリンの輸送に用いられるかはわかっていなかった。


  研究グループでは、FliIや、FliIのATPase活性を制御する輸送装置タンパク質『FliH』等を欠損させた変異株で運動性を調べたところ、FliIとFliHを一緒に欠損させるとわずかにべん毛が形成された。さらに、輸送装置でゲートを形成するタンパク質『FlhA』と『FlhB』が変異すると、べん毛の形成頻度が高くなることや、水素イオン濃度勾配や電位差で作られる『プロトン駆動力』を無くすと、輸送が起きず、べん毛が形成されないことがわかった。この駆動力は、基部体の回転のエネルギーなども担っている。


  ATPを用いるFliIとFliHは、フラジェリンが輸送ゲートに入るまでの初期過程を助けている。その後の過程となる多くのエネルギーを必要とするフラジェリンをほぐしながらチャネル内に継続的に送り込む際には、輸送ゲートがプロトン駆動力のエネルギーを用いて働いていることが判明した。


  今回、タンパク質輸送装置が、プロトン駆動力を巧みに利用して、高速かつ高効率にタンパク質の輸送をしていることがわかったが、実際どのように利用されるかはまだ理解されていない。今後、輸送装置の立体構造を明らかにしていくと共に、輸送に関わるタンパク質を1分子で計測することなどで、高効率な物質輸送の仕組みやエネルギー変換の仕組みを解明していくという。


  この仕組みを理解することは、今後バイオナノデバイスやバイオナノマシンが生み出されていくための重要な基盤となる。難波教授は「この輸送装置は、赤痢菌やサルモネラ菌など、病原性細菌の病原性因子分泌装置と極めて類似性が高いため、病原性細菌による感染症の予防や新しい治療方法の開発にも役立つでしょう」と話す。


出典:知財情報局

湯治の真髄を極める 「奇跡の温泉」秋田・玉川温泉とは?

重い病からの回復を信じ、全国から湯治客が集まる秋田・玉川温泉。殺風景で設備が悪いにも関わらず、自炊部には何ヶ月も滞在する人が多い。いつも予約で一杯のこの温泉、一体何がそんなにすごいのであろう。


八幡平国立公園を秋田県側に入ると全国でも有名な温泉が点在している。そのひとつに、重い病からの回復を信じて全国から湯治客が集まる玉川温泉があり、自炊部には長期滞在客が絶えることがない。手術跡が痛々しい者同士の裸の付き合い。闘病生活を語り合いながら何ヶ月という日々を共に過ごすという。


岩場からは毎分9000リットル、98度もある源泉がゴボゴボ噴出している。なんと日本一の強酸性(ph1.2)を誇り、金属を浸しておくと一日で溶けてしまう塩酸のような温泉で、加水されていても皮膚が痛くなるため、数日かけて慣らしていくという。また、台湾とここにしか存在しないと言われる北投石のお陰で付近一帯にラジウム放射能が放出され、岩盤浴でも効果があるため癌患者の集まる理由になっている。ただし岩盤付近では硫化水素ガスも発生するため、目がチカチカしてきたら離れるよう呼びかけられている。


実はここ、空気中の酸度が強く錆、腐食が発生するため、長期にわたると車をダメにしてしまい、冷蔵庫やTV、電話機もない。携帯電話もNTTのみOKだが通じなくなることが多い。看護師が駐在しているものの11月?4月までは一般車両は通行止め、一番近くの病院までも1時間を要するため、あくまでも自分の体調管理に責任を持つことが望まれる。


“きっと効果がある”と信じたくなるこの強烈なインパクト、そうと思ったらぜひ早めのご予約を。


出典:Techinsight japan

電池で走る路面電車「ハイ!トラム」、一般試乗会

 札幌市交通局は9日、次世代型路面電車(LRT)の新型車両「ハイ!トラム」の試乗会を市電営業路線で行い、1000人を超える応募者から選ばれた60人が、3回に分けて、未来の路面電車の乗り心地を楽しんだ。


 鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)が開発し、リチウム電池を搭載して架線がない区間でも走行できるハイブリット車両。昨年11月に札幌に運ばれてから、約2000キロを走行。川崎重工製でニッケル水素電池を使った「SWIMO(スイモ)」とともに、氷点下12・6度まで冷え込んだ夜に屋外に放置し、朝起動するなど、寒冷地での性能試験を重ねてきた。


 7日までにさまざまなデータ測定を終え、この日は一般に公開。電車事業所の車庫からすすきのまでの区間を走行し、途中、パンタグラフを下げてバッテリーだけで走るなどした。


 試乗した市民らからは「低床式なので乗りやすいが、従来の電車に比べて車内が狭い」「この電車を導入すれば非電化で市電を延ばすことができるのか」など、交通局や研究所の係員にさまざまな意見や質問が飛んだ。


出典:MSN産経ニュース

環境、防災の先端技術学ぶ 室工大で国際セミナー

 室蘭工大で七日、海外の研究者も参加し、「環境科学・防災研究国際共同セミナー」が開かれた。室工大環境科学・防災研究センターが毎年開いており、三回目。学生や市民ら約八十人が最先端の環境研究に触れた。


 室工大と国際交流協定を結ぶチェンマイ大(タイ)工学部長、サムキャット・ジョムジュンヨン教授が、環境に配慮した小型の水力発電の研究について説明した。


 会場では、室工大の学生や研究者ら三十九グループが各ブースで、水素エネルギーなどの研究内容をポスターを使って発表した。


 室蘭きのこの会の西原羊一会長も、ブース展示に参加し、地球温暖化の影響で、道内では分布していなかったキノコを採集した事例を発表。来場者からの質問が相次いでいた。


出典:北海道新聞

広島からロケットタンク部品

 三菱重工業広島製作所(広島市西区)が、2009年度に打ち上げ予定の国内最大の新型ロケットH2Bの1号機に搭載するため製作していた燃料タンク用ドームが完成し、西区の観音工場で7日、搬出作業があった。8日未明に出荷。長崎県のメーカーで表面処理して同名古屋航空宇宙システム製作所(名古屋市)で組み立てられる。


 宇宙ロケット部品の生産は広島製作所では初めて。ドームはアルミ合金製で直径約5.2メートル、高さ約1メートル。円筒形をした第1弾ロケット内の液体酸素用と液体水素用の2つのタンクの上部と底部に計4枚取り付けるうちの1枚で、出荷は2月に続いて2枚目。5月までに残る2枚も出荷する。


 ドーム製作は、マイナス200度前後の液体燃料の超低温と、打ち上げ時の高圧に耐えるため、高強度と誤差1ミリ以内の精度が求められる難しい技術。広島製作所はかつて造船が主力だったが、製鉄用機械やタービンで培った技術力を生かし、最近は航空機関連などへシフトしており、宇宙分野への参入も目指している。


出典:中国新聞

メード・イン・アキタのハイブリッドカー、秋田県庁に展示

 太陽電池と燃料電池を搭載するハイブリッド自動車「JonaSun(ジョナサン)」が3月7日、秋田県庁第二庁舎1階ロビーに展示された。


 秋田市在住のヘアメークアーティスト・山本ヒサヒロさんらが中心となって結成した「チーム・ジョナサン」(秋田市千秋明徳町、TEL 018-831-0009)が製造した同車は、全長4メートル、全幅1.5メートル、全高1メートル、重量約180キログラム(燃料搭載時)で1人乗り。


 全長約30キロメートルのソーラーカー・レース専用コース「大潟村ソーラースポーツライン」(秋田県大潟村)で開催する「ワールド・ソーラーカー・ラリー(WSC)」の仕掛け人で、2001年にはウラジオストクからサンクトペテルブルクまでユーラシア大陸をソーラーカーで横断した実績も持つ山本さんが「ハイブリッドカー」の製作に転身したきっかけは、2003年、同レースに「燃料電池部門」が新設されたこと。


 「それまで培ってきたソーラーカーの技術に燃料電池車を融合させたものがジョナサン」(山本さん)で、「世界で誰もやっていなかったから、挑戦する価値があると思った。水素と酸素の反応によるクリーンエネルギーの燃料電池と太陽電池とのハイブリッドは、ソーラーパネルが使えない天気の悪い日でも走ることができる利点もある」(同)と話す。


 1994年の初代から玉川大学(東京都町田市)などと協働で改良を重ね、5代目となる同車は、「一般的なヘアドライヤーの消費電力1,200ワットより小さい約900ワットの消費電力ながら時速80キロ以上で巡航できる」(山本さん)性能を持つ。昨年は、山本さん自らがハンドルを握ってオーストラリア大陸3,000キロを縦断するレースにも参戦し、見事完走した。


 オーストラリア大陸縦断の際には「この分野で世界をリードしている車なので、安全面にも留意した」(同)という同車には、米企業からアメリカ横断ツアーなどのオファーもあるが、「これまでスタッフがボランティアでやってきたことだから、プロジェクトへの愛着が大きい」(同チーム・スタッフ)ことから、研究・開発は、自動車メーカーや大手スポンサーには頼らない方針。開発費は、燃料となる「水素」やタイヤなどを協賛企業からの提供を受ける以外は、山本さんが経営する美容室「モードスタジオQ」(千秋明徳町2)の「お客さんによるカンパが中心」(同)だという。


 軽量化のためシャーシは「カーボンコンポジット(CFRP)」製で、ボディーの一部には木材も使用。同車のデザインも手がける山本さんは「ハイテクな自動車だからこそナチュラルな素材として木材も使用したが、かつて、予算の都合でバルサ材を使っていたころの名残りでもある(笑)」と話す。


 4月19日(12時~16時30分ごろ)には、遊学舎(上北手新巻、TEL 018-829-5805)での展示も予定する。


出典:六本木経済新聞