新型ロケット「長征5型」2014年に海南で打ち上げ | H4O水素水のブログ

新型ロケット「長征5型」2014年に海南で打ち上げ

 中国運搬ロケット技術研究院の梁小虹副院長は10日、開発中の長征ロケット5型について、2014年の初打ち上げを目指すと述べた。同ロケットは、エンジンの組み合わせなど選択肢が多く、広いニーズに対応できる特徴があるという。


 設計作業は順調に進んでおり、10月には初歩的な試作モデルの制作を開始。2年間にわたり地上実験を繰り返した後、本格的試作機の制作に着手するという。


 2014年の初飛行では、海南省に建設中の海南ロケット発射場を利用する。


 中国は大陸間弾道ミサイルの技術を応用した長征1型で、1970年4月、初の人工衛星「東方紅1号」の打ち上げに成功。その後、主力の大型液体燃料ロケットを「長征シリーズ」として開発した。現在は2C、2D、2F、3A、3B、4Bの各型が使われている。


 これまでの長征シリーズは1段ロケットの燃料などに四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジンを使っていたが、毒性が極めて強いという問題があった。長征5号では、液体酸素-液体水素の組み合わせで推力50トンのエンジン「YF-77」、液体酸素-石油系燃料で推力100トンの「YF-100」の組み合わせで無毒、無汚染の打ち上げを目指す。


 中国航天科技集団公司によると、ロケット本体には「YF-77」2基を搭載。ブースターでは「YF-77」と「YF-100」を組み合わせて使う。標準タイプは、高度の高い静止トランスファー軌道(近地点200キロメートル、遠地点3万6000キロメートル、傾斜角190度)に重量10トンの打ち上げが可能。他に、14トン、6トンのタイプを予定している。


 別に、低周回軌道(LEO)への打ち上げを目的とするタイプもあり、それぞれ18トン、25トン、10トンの重量の軌道投入能力を予定している。長征5号は、さまざまなタイプを用意することで、打ち上げ打ち上げコストを低減することも、目標の1つにしている。


出典:中国情報局ニュース