2009年 オランダ/イギリス 90分

監督:トム・シックス
出演:ディータ・ラーザー、アシュリン・イェニー、北村昭博

 

 ストーリー

 ヨーロッパを旅行中の2人のアメリカ人女性が突然のパンクに見舞われ、一軒の大邸宅に助けを求める。翌朝彼女たちが目覚めると、地下室のベッドに日本人男性と共に寝かされており、異常事態を察知するが、家の主であるドイツ人男性によって、人間の口と肛門を結合させる“ムカデ人間”の手術が始まろうとしていた。

 

 

 

  ​評論・解説・考察・感想

 やっぱりね・・・こういうアカデミー賞なんか一切獲る気ない作品もたまにはいいですねw
なんか、こう・・・「くだらない事を一生懸命やる」精神って大事だと思います。その心意気、高く買いたいです。
そんな「ムカデ人間」3部作が現在、U-NEXTで絶賛配信中ですのでまだ見てない方はお早めにご鑑賞ください。
通算3回目ぐらいの鑑賞でしたが、やっとこの作品を語れる時が来たんだと思うと感無量です。

 

 

  発想

 まず発想がもの凄く良い。

僕は職場でも何となく映画通を気取ってるのですが、たまにお勧めの映画を教えてと乞われます。
派遣のバイトで入ってきた初対面の可愛らしい女性が最近から映画をたくさん観始めたらしく、同様な質問を投げかけられたので
もちろん、この「ムカデ人間」をお勧めしときましたww

 実は個人的にこれって女性を笑わせる手段なんですよね。いわゆる「すべらない」っていうやつです。

「どんなあらすじですか?」
と聞かれたらこっちのもんです。


≪それはそれはもうサイコパスな医者がいまして、そいつが【人と人との口と肛門を繋いで、ムカデ人間を作りたい!】とw
そんな医者がいるんですw
そして実際にくっつけてしまう。
「先頭の人が食べた栄養が、3人目で吸収されるのが素晴らしい!!」

ですって。アホでしょ(笑)≫


って言ったら、一気に会話が盛り上がります!!!
興味がグーゥゥゥーン!とこちらに傾きます。

こんな設定の映画なんてまず無いからね。

というか、初対面の女性に1本目から「ムカデ人間」をお勧めする俺もサイコパス!


一応、女性と会話をして仲良くなって、この人なら「ムカデ人間」をお勧めしても大丈夫だな、との判断のもとお勧めしてます。
人によっては本気で引かれる場合もございますので、くれぐれもご注意ください。全ての女性にあてはまるわけではございません。

 

 

  残念な点

 通算3回目の鑑賞ですが、毎回見ててこの映画が残念だと思うのが口と肛門を繋げた後の展開。
その後のネタ切れ感が半端ないんですよね。。展開の乏しさも顕著でした。

僕もこの映画を観る前に、そんな映画っていう情報だけはもちろん仕入れてたんですよ。
だからこそ面白そうだな、と。
 

これ、3人繋いだら2人目以降は実質、ウンコしか食べれないじゃん!

・・だからこそ面白そうだな、と。

 

 

それで!?それで!?それで!?

どうなんの!?
 

 

期待値も上がるわけです。

そしたら実際にそのウンコのくだりが僕が想像した通りそのままありましたし、僕の想像を超えることがなかった。
 

サイコパスな医者、彼にとっては口と肛門を繋げた時点でもうすでに目的が達成されてるんですよね。

 

 

 

そっからがなんか、新聞を口に挟ませて「ここに持ってきて!」とか、ムカデ人間の上に乗って「1,2,3,4,」とか言って、進ませようとするぺットの様な扱いの件は正直萎えました。
お前は繋げて何がしたかったんだ?これがしたかったのか?と。
サイコパスな医者ですからね。ただ「繋げたいから」でこのストーリーは成立する。
だからこそ3人を結合した後は、3人をシカトで良かったんですよw

あと、せっかくムカデ人間になったんだから、普通の僕らではわかんない、ムカデ人間にしか分からない、ムカデ人間の苦悩というか「ムカデ人間あるある」があったらさらに良かったですね。


‘ハッ!真ん中のやつ洋服着られへん’ とか、

‘一番後ろの3番目のやつがウンコして「誰かケツ拭いて~」’とか
 

実はそこが気になったりしました、僕は。

昔、教え子が水泳でタッチの差で負けたからそれを解消するためにムカデ人間を作った’とかでも良かったし・・

いや、それは話が成立しないですけど。なんかね・・・繋げてからの展開にもうちょっと味付けが欲しかった印象はありました。

 

 

  「笑い」としては満点

でもこれは「笑い」という意味では素晴らしい映画だったと思います(いや、一切、監督は「笑い」を取りにいってないと思いますが・・)。僕にとってこれはホラー映画というかコメディー映画です。U-NEXTのカテゴリではホラーにありましたが、コメディーに分類されても何も不思議ではない。


 

 

 

まず一番冒頭の
犬を繋いだ写真を見て思い出に浸ってるとこも面白いですし、

 

 

 

繋げる前にちゃんとパワポでプレゼンしてんのも面白い


 

 

 

そしてあの、3人を結合を完成させて博士が喜ぶシーン。もう博士が感極まって泣きながら喜ぶんです。‘そんな嬉しいか?’とwww

その面白さもあるんですけど、そのあと繋がってる3人に1人ずつ自分の顔の結合部分を手鏡で見せて、さらに感極まって泣く。

 

 

で、その顔と肛門の結合部分を見せられ3人が「ヒャーーーー!」って喚くんですけど、
2人目と3人目が喚くのはわかるんです。他人の肛門と自分の口が繋がってる部分を見てますから。

ただ、1番目のやつの口は何も繋がってないのに、自分の顔を手鏡で見せられて「ヒャーーーー!」喚いてる。いや、顔!顔!お前だけは自分の顔だからwwww

あそこめっちゃ面白かったなぁ~。
あと、最後の頑張って3人が逃げようとして、足に傷を負った博士と互いに四つん這いで対峙する、先頭の男が「俺はクズな人間やけど・・・・」って神に嘆くシーン。

 

 

 

結構な長ゼリフで神に嘆いているんだけど、

 

 

あそこも、その長セリフの間、繋がっている後ろの2人がずっと「ウーーーーン!!」ってなってる。

 

 

 

口が塞がっているから言葉は出せないけど、もうあそこは、「いらん、そんなセリフ、いらん。長い、長い!こっちは口と肛門繋がってんねん!」でしょ。

もう、あれはコントですよねwwwでもやっぱ文字では伝わりにくいなぁ~。このシーンはもう自分でご確認ください。

 

これ「キング・オブ・コント(KOC)」決勝でやったら優勝ですよw

 

 

  最後に

 最後に・・これは完全なる余談なので無視してくれちゃっても構わないんですが

ちょっと細かいんですけど、タイトルの「ムカデ人間」。

これね、どう考えても「人間ムカデ」のほうが僕はしっくりくるんですよんね。
何か「ムカデ人間」だと、仮面ライダーの地獄大使みたいな・・

 

 

こんな感じを想像しちゃうんですよね。

どうでもいいか(笑)
 

とにかくこの「ムカデ人間」。

とりあえずこれは1人で観た方がいい作品だということは間違いないと思います。少なくとも家族団らんの場や彼氏、彼女とは観ないほうがいいでしょう。

お父さんが娘と一緒に今作を観て、娘に何と説明したらいいか僕には分かりません。

なんだかんだで僕が1番衝撃だったのは、これが3部作だったということですよね。
「ムカデ人間2」も「ムカデ人間3」も観たら、このブログに評論としてアップしたいと思います。
もしかしたら続編に「ムカデ人間あるある」が描かれているのかもしれないですね。楽しみにしときましょう。

 

 

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 TODAY'S
 
採点

 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️☆☆☆ 7点(10点満点中)