つわりのことを振り返る。

もちろん私よりも酷い人はいると思うけれど、それなりに辛かった。

 

私はいわゆる「吐きづわり」と「匂いづわり」だった。

気持ち悪さを感じ始めたのは、不妊治療の病院を卒業するよりも前、7wの終わり、ちょうど妊娠3か月に入るか入らないかの頃だった。

 

その頃、出張で新幹線に乗る機会があったのだけれど、気持ち悪すぎて、お手洗いで吐いてしまった。

それをきっかけに、常時気持ち悪さを感じるようになる。

 

食べられたものは、ゼリーや、ひやむぎなど、のど越しが良くあまり癖がないものや、果物。

食べたくて食べるのではなくて、お腹の子に栄養を送らなきゃ、と義務感にかられて食べる感じ。

まったく美味しいと感じなかった。

 

飲み物も、飲めるものと飲めないものが分かれた。

飲めたのは、レモンの入った炭酸水や、お茶。不思議なことに、ただの水は飲めなくなった。

 

あと、温かい食べ物や飲み物もだめになった。

湯気が気持ち悪いのだ。

 

匂いは、シャンプーやボディソープの香りがだめになり、無香料のものに変えた。

シャンプーは最後まで迷走していたけれど、ボディソープはキュレルのものにした。

 

あと、お米を炊ける匂いも耐えられなくなった。

台所にも立てなくなって、旦那にはテイクアウト等で夕ご飯を済ませてもらっていた。

 

常に気持ちが悪いので、仕事も休みがちになってしまった。

ちょうどシーズンオフで出張が比較的少なく、デスクワークが多い時期だったのが救いだった。

 

家にいる時は大体横になって、一日一回はお手洗いに駆け込んでいた。

お風呂に入るのもしんどくて、とくに、一番つわりで苦しんでいた時は髪が長くて(コロナが怖くて切りにも行けず)、髪を洗い、乾かすのが本当に辛かった。

 

でも髪を洗わないと自分の頭皮の匂いでまた気持ち悪くなる、という負の連鎖に陥るので、泣きそうになりながら(実際ちょっと泣いた)髪を洗っていた。

あと少し、つわりで苦しんだ期間が長かったなら、自分で切っていた気がする。

 

ーーー

 

そんなのが1か月ほど続いて、ちょうど13週の終わり頃。

気が付けば、1週間ほど吐いていなかった。

 

なんとなく調子も良くて、久しぶりに台所に立った。

 

たくさん野菜を摂ろうと思って、冷蔵庫にあった白菜、ネギ、大根、ニンジンを入れて、お味噌汁を作った。

お味噌を溶かして、味見…



すっごく、美味しかった。



つわりで苦しんだ1ヶ月、食べ物が美味しくなくて、気持ち悪くて、食べることが辛かった。

でも、お味噌汁を美味しいと思えた。

食べ物を美味しいと思えることが、こんなに嬉しいなんて。

思わず少し、泣いた。


それから、波はありながらも、安定期に入る16w頃には、ふつうの食事を摂れるようになっていた。

職場のお姉さん方には、

「つわりが終わったら食欲爆発するよ」

と脅されて(?)いたけれど、ふつうに食事はできるものの、少し気持ち悪さは残っていたので、幸いなことに食べ過ぎることななかった。
 

つわりに苦しんだ約1か月で体重は3㎏減ったが、検診で特に何かを指摘されることはなかった。

胎児もちゃんと成長してくれていたので、平和に乗り越えられた方なのかな。