いつのまにかシゴトが11連勤になった先日。
さすがに疲れも感じてきた。
それでなくても、最近は気分も沈みがちである。
午後から1日半のオフが生まれたので、近場に出かけることにした。
多少は夏らしい行動をしてもよかろう。
クルマで向かった先は銚子である。
向かった先は「大新旅館」だ。
創業370年あまりの老舗宿だ。
以前から気になっていた。
1泊素泊まりで5,500円。
楽天トラベルで事前決済してから向かった。
犬吠埼などに立ち寄った後、宿には16時前に着いた。
かなり趣のある、昔ながらの旅館の佇まいだ。
かつては「国際観光旅館」「日本交通公社協定旅館」などのブランドが活きていた時代もあった。
皇族や文人なども数多く宿泊したという老舗名旅館も、今では宿泊料金的には安宿である。
しかし、玄関周りの雰囲気は、かつての栄華も感じられる。
建物に入り声をかけると、愛想の良い女性(女将さんか?)が現れた。
ごちゃごちゃとしたロビー周りが妙に落ち着く。
宿帳への記帳を終えた後、部屋へと案内される。
廊下を歩き、階段を上がる。
館内はかなり広い。
通された部屋は新館2階の「巴」だった。
6畳と広縁。
小さな洗面台も付いていた。
布団はすでに敷いてある。
窓からは銚子漁港も眺めることが出来た。
レトロなラジオが埋め込まれていたが、使えないようである。
ハンガーに書かれた宿名は右からの「大新」。
いったい、いつから使っているのだろうか。
部屋を出て、迷路のような館内をさまよってみる。
大広間もあった。
かつてはきっと豪華な宴会で盛り上がっていたのだろう。
浴室の手前のホールには卓球台も置かれていた。
ラケットとボールが傍らに無造作に置かれていたので、無料で使えるらしい。
とにかく、古き良き時代の旅館がまだ残っていることが驚きでもあり、嬉しかった。
早めの夕食をとろうと外に出る。
こちらは宿の外観。
自分の部屋も、この窓のどこかにあるはずだ。
その晩はよく眠れた。
翌朝、卓球台の横を通って朝風呂に入る。
年配の先客が一人、目を閉じたまま浴槽の隅でジッと動かずに居た。
ここは宿泊客でなくても入浴可能らしい。
温泉ではないのだが、銭湯のような役割を担っているのかもしれない。
旅行客というより、地元のご常連という雰囲気だった。
成田市からクルマで1時間半ほどの距離でありながら、すっかり旅気分を味わえた。
50歳になった身としては、いろいろと無理しない旅がちょうどよいとも思えた。