きょうはツツジを見に出かけた。
毎週土曜日に新聞折り込みで届く『エリート情報』という無料情報紙で、今が見ごろだという記事を目にしたからだ。
30代半ばまで住んでいた杉並区の実家の庭にはツツジがあった。
小学生時代、友人たちと自転車で出かけて遊んだいくつかの公園にもツツジがあった。
ツツジは幼いころから見慣れ、なじみある春の景色である。
クルマで走ること40分あまり。
まずは香取市にある「小見川城山公園」に行った。
世の中は大型連休に突入しているようだが、付き物の渋滞とは無縁だった。
駐車場から歩く。
坂道、階段を上れる健康があるかぎり、旅は楽しめるといつも思う。
遠く、鹿嶋方面の工場群なども見えた。
一帯にはツツジが咲く。
のんびり散策する人たちで穏やかな雰囲気だったのだが、
眼下の道路で爆音が響き続ける。
今でも存在するらしいオートバイの暴走族?軍団だった。
それは、それ。
こちらは静かに歩く。
ツツジに埋もれるかのように配置された、朽ち果てたテーブルセットもあった。
顔をツツジの中に入れてスマホで自撮りしてみた。
使い道は、ない。
次いで、東庄町にある「雲井岬つつじ公園」に行った。
先日シバザクラを見た場所の近くでもある。
駐車場から歩いてすぐに視界が開け、広々とした空間が広がっていた。
いくつもの種類のツツジが咲き、その合間を歩くのは楽しい。
シバザクラ、ツツジ、と東庄町は季節の花に力を入れているのだろうか。
どちらの公園も大型連休とは関係なく、普段の休日といった雰囲気がよかった。
家族連れや落ち着いた年齢層のご夫婦連れなど、皆さんゆっくりと楽しんでいる様子だった。
暴走族を除けば喧騒とは無縁のよい時間をいつものように独り、過ごせた。
杉並区にあった実家の土地は10年以上前に売却したので、もう帰る場所ではない。
一緒に遊んだ小学生時の友人たちの名前と顔は思い出せるも交流はしておらず、今後もまず会うことはないと思う。
きょうは、戻ることができない懐かしい情景を探してツツジの中を歩き続けていたのかもしれない。