こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も今昔まんがまつりというテーマで
ユニコ 魔法の島へ(1983)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★"今昔まんがまつり"とは?
↑本シリーズの概要はコチラ!
本作は1983年に公開された手塚治虫原作の「ユニコ」という作品を、村野守美が映像化したサンリオ映画。
手塚治虫先生のアニメ作品は膨大な数に及ぶのですが、幼い子供が楽しく観れるようなファンタジックな作品はあまり多くないのですが、本作はユニコーンの子供のユニコが主人公の子供向けファンタジーとなっているのです😊
難しいテーマがないファンタジー作品。
そんな本作は、もし「今昔"子供向け"まんがまつり」というものが上映されたら?というセレクションの中に選ばせて頂きました。
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
生き人形にされた人間や動物!?
はい。
本作は、邪悪な魔法使いによって、人間や動物だけでなく幽霊までもが次々と生き人形にされてしまうのです!
そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り。
① 【物語の前提】ユニコの舞台はギリシア神話の時代。プシケという人間の少女に飼われていたユニコーンの子供のユニコは、プシケが自分より美しい事に嫉妬したビーナスに意地悪をされ、西風の精ゼフィルスによってプシケから取り上げられ、世界のどこかに連れ去られてしまいます。連れ去られた地で記憶を失ってしまうユニコですが、新しい土地でもユニコが人々に愛されるようになると、ゼピュロスは再びユニコを見知らぬ土地に連れ去ってしまうので、ユニコは常に見知らぬ土地でひとりぼっちでした。
ゼフィルスによって毎回見知らぬ土地に
連れ去られてしまうユニコ。
② 記憶を失い森の中でひとりぼっちになってしまったユニコは川に落ちてしまいますが、チェリーという少女に救われ、ユニコとチェリーは仲良しになりました。
最初は怯えていたユニコでしたが
チェリーの優しさを知り、親友になりました!
③ そんなチェルシーには、トルビーという名の大好きな兄がいましたが、貧乏暮らしを嫌ったトルビーは家出して、ククルックという名の魔法使いの弟子になりましたが、ククルックは邪悪な魔女で、トルビーに命じて動物や人間を魔法で木人形に変えさせ、ふいご島という島に木人形を組み合わせて作った城を築かせていました。
道化師のような風貌のトルビーは
ククルックの下僕となり
生き人形を生み出し続けていました。
③ トルビーの魔法によって、チェルシーの父母を含む町の住人全員が生き人形にされて、ふいご島へと連れ去られてしまいましたが、その事を悲しんだチェリーは、トルビーが止めたにもかかわらず、ユニコと共にふいご島に向かい、ククルックに直接会って、生き人形を元の二元に戻すようお願いする事にしたのです!
ククルックさん、みんなを人間に戻して!
さて、一体どうしてククルックは、人間や動物を生き人形にしてしまうのでしょう?そしてチェルシーとユニコはどうなってしまうのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
生き人形を人柱のようにして
作られているふいご島。
果たして柱にされた生き物を
蘇らせる事はできるの?
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作を選ばせて頂いた理由は以下の3つ。
選ばせて頂いた理由① 主人公のユニコがピュア
現代においてはアニメのキャラにも、性格の掘り下げや、欠点が描かれる事も多いのですが、本作の主人公のユニコには欠点がなく、とても純粋な生き物として描かれており、小さい子供が観る上では楽しめるのではないかと思います。
選ばせて頂いた理由② 敵のククルックがこわい
本作に登場する悪役のククルックは、ユーモラスな造形にも関わらず癇癪持ちで独善的な魔法使い。このような存在は、大人にとってはあのり恐ろしくないかもしれませんが、癇癪持ちや独善的というのは、観ている子供の保護者や近所に住んでいる人にもいるかもしれない性格であり、故にこそリアルに怖く感じられるような気がいたします。
選ばせて頂いた理由③ 寂しい子のための処方箋
本作は、ユニコ、トルビー、チェリー、そして親を生き人形にされたお化けの子たちなど、たくさんの孤独が登場し、それぞれが孤独とどう向き合って生きていくかを模索しています。孤独を優しさに変えてゆくユニコ、孤独を戦いに変えて行くトルビー、孤独に挑む勇気を持っているチェリー。そして、そんなユニコたちの孤独への対処の仕方は、観客である子供たち自身が、孤独にどう向き合うのかを考える一助となってゆくのだと思います。
そう。
良質な子供向きの作品は、シンプルなストーリーの中に子供自身が考えるべきテーマを挿入してあるもの。
私見ですがそんな本作は「キネマ旬報社」さんの解説にあるように生き人形にされた人間や動物を救うため、愛と勇気で魔法使いと戦うユニコの姿を描いた作品でると同時に実はククルックもまた孤独に苛まれていた存在であり、もし孤独のせいで邪悪になってしまった人間に出会ったら、どう対処すべきなのかを描いている"子供の哲学"みたいな作品としても観る事ができる作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
以前は魔女などの役を演じていた
操り人形だったククルック。
そんな彼女も孤独な存在だったと知った時
子供たちはククルックに対して
どんな感情を持つのでしょうか?
という訳で次回は
今昔「子供向け」まんがまつり②
というテーマで
ギレルモ・デル・トロのピノッキオ
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい子供と観たい"孤独"の作品
「グリンチ(2018年版)」
孤独のままで生きていると
ククルックのように
他の人を不幸にさせたくなるすも…
本作のグリンチも
孤独をこじらせた末に
クリスマスを憎むようになった
憐れむべき存在なのです…