こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日もグラインドハウス今昔物語というテーマで
トマホーク ガンマンvs食人族(2015)
(原題:BONE TOMAHAWK)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★グラインドハウス今昔物語とは?
「クライモリ」、「誰も眠らない森」、「ホステル2」、「クラシック・ホラー・ストーリー」、「インブレッド」、「グリーン・インフェルノ」そして「スリー・フロム・ヘル」と、7作続けてスラッシャー映画をご紹介して参りましたが、本シリーズの目的は様々なグラインドハウス系映画を紹介させて頂くシリーズですので、そろそろ次のテーマと移行したい思っております😊
↑他にもご紹介させて頂きたい作品は
山ほどありますが、それはまた次の機会に…
今回と次回は、そんなスラッシャー映画たちを私なりに総括させて頂き、一体なぜ、人が人を殺す残酷な作品が作り続けられているのかを、考えてみたいと思います 🎃 😈 💀
↑何故、目を覆うような残酷スラッシャー映画は
今も作られ続けているのでしょうか?
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
ええっ
ネイティブ・アメリカンって、人を食べていたの!?
いいえ。
本作の敵のネイティブ・アメリカンは、他の部族とは一切関りを持たずに、洞窟の中で生活している穴居人のような存在!
空腹になれば家族も食べてしまう彼等には部族の名前すらなく「名もなき部族」と呼ばれ、他のネイティブ・アメリカンたちからも恐れられていたのです!!
ん?
でも穴居人の彼等が、どうして白人を襲ったの?
それは、攫われた白人の一人が彼等のテリトリーに侵入して墓を荒らしてしまったから!!
↑立ち入り禁止の禁忌の地を汚した白人。
彼の仲間は、その場で居殺されてしまいました…
墓を荒らした白人は荒野で人を殺すならず者で、名もなき部族から逃げて街に潜伏していたのですが、彼を追って来た名もなき部族は、怪我をした彼を留置所内で治療していた看護師のサマンサと、彼女を警護していたニックという青年も攫っていってしまったのです!
↑街に侵入して来た白人を不審に思った保安官は
逃走しようとした彼の足を撃って留置所に!
看護師のサマンサは治療中するために留置所に行き
その晩、名もなき部族に攫われてしました…
名もなき部族が住んでいると言われ地域までは街から5日の距離!
人を喰う部族に攫われてしまった以上、救出できる可能性はほとんどありませんが、それでも、サマンサに治療を依頼した保安官のハントと、妻のサマンサを何としても取り戻したいカウボーイのアーサーと、善良な保安官代理の老人チコリーと、これまで大量のネイティブ・アメリカンを殺害して来たプロハンターのブローダーの4人は、誰も足を踏み入れた事なのない名もなき部族の土地へ侵入する事にしたのです!
↑アーサーは、屋根から落ちて足を骨折しており
カウボーイの仕事ができずにイライラして
サマンサに当たっていましたが、妻が攫われ
何もできない自分の不甲斐なさに涙し
怪我を押して、追跡に参加したのです!
さて、果たして4人は、サマンサとニックを無事に取り戻す事ができたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑骨折した足で馬に乗った結果
すさまじく悪化してしまったアーサーの足!
こんな状態でサマンサを救えるの???
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は、名もなき部族の壮絶な殺害方法が話題となったスラッシャー映画!!
詳細はここでは説明いたしませんが、一度観たら一生忘れられないような凄まじい殺害映像を見た観客は、本作は残虐なシーンを観て喜ぶ人のために作られたゲテモノ映画だと評されるもしれません。
ですが上映時間が132分の本作で、名もなき部族の残虐な殺害シーンが登場するのは、映画がスタートして100分が立った頃なのです!
では、それまでの間、一体どんな話が展開していたの?
それは、サマンサたちが攫われ、死んでしまった可能性があるという状況下で、追跡する4人の胸中に去来する想いです!
保安官のハリスは、自分がサマンサを留置所に呼び出したために攫われてしまった事、そして攫われた時に自分は家に帰ってしまっていた事に押しつぶされそうな後悔の念を抱いており、自分の命を捨てでも救いたいと考えています。
↑ハリスの妻は、危険なサマンサ救出に
ハリスが行く必要ないのではと問いかけますが
その問いにハリスは答えません。
彼の中で、危険だから行かないという選択肢は
存在しなかったのです。
自分があまり頭が良くない事を自覚している保安官代理のチコリーは、出発前に死んだ妻の墓に花を捧げて「村のみんなのために、何かをやり遂げたい」という、彼自身の胸中を語ります。
↑今まで人の役に立つような人生を送れなかった
善人のチコリーにとって、サマンサ奪還の旅は
人生で初めての、人のために命を張る行為だったのです・
妻の反対を押し切って辺境の町にやって来たアーサーは、自分を愛して西部まで付いてきてくれたサマンサを失うかもしれない状況に、気が狂いそうになり、神に向かって救いを求めます!
↑足は壊死寸前、朦朧とした状態のアーサーは
「今までの信仰に対して報いをくれ!」と神に願います!
自分の意思を全て通して来たアーサーは
極限状態で遂に神にすがってでも、
妻を救いたいと願うようになるのです…
そう。
スラッシャー映画で描かれているのは、死に直面した人々の人間模様!!!
泣き叫ぶ、逃げる、友を裏切る、計算ミスをする、懐柔しようと試みる、一か八かで立ち向かう、命乞いをする、狂気に堕ちる…
普段、死について考えた事のない私たちも、スラッシャー映画で犠牲になる人たちの姿を見た時、果たして自分なら、このような状況の時、どう行動するのか?という「死について考える時間」を持つ事ができるのです😊
「常に死について考えよ」というのは中世ヨーロッパで生まれたメメント・モリという考え方!
そして恐らく、映画のジャンルの中で、最もメメント・モリを考える機会を与えてくれるのは、他ならぬスラッシャー映画なのではないかと思います…
↑「汝、死について考え、それに備えるべし」というのが
メメント・モリの考え方だとするなら…
↑凄まじい殺戮が繰り広げられるスラッシャー映画こそ
メメント・モリを考える機会を与えてくれる
映画なのではないかと思います…
↑4人の中で唯一、関係者ではないにも関わらず
同行した原住民ハンターのブローダーですが
映画の中盤、彼が生きて来た人生を知った時
彼のメメント・モリは10歳の時に
確立されていた事が明らかになるのです…
という訳で次回は
そして伝説へ…
というテーマで
キャンディマン
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たいグラインドハウス系映画
「ドニー・ダーコ」
人生に息苦しさを感じていた統合失調症のドニーは、銀色のウサギと出会う事で予知能力を得て、未来を認識できたからこそメメント・モリの境地に達する事になります。
ご覧になる方によっては、極めて危険な影響を与えかねない作品ですので、ご覧になる際には十分ご留意されて下さい。