こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日もグラインドハウス今昔物語というテーマで

 

クライモリ(2003)

(原題:WRONG TURN)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★グラインドハウス今昔物語とは?

今月は、2020年10月に開催させて頂いた"想像力とおうちでグラインドハウス"の続編。

かつてホラーやサスペンスなどのB級作品を好んで公開していたグラインドハウスと呼ばれていいた映画館で人気を博していたような作品の過去と現在というテーマで、グラインド・ハウス系映画の新旧比較をお送りさせて頂いております🎃👻💀😆

 

 

 

スラッシャー狂騒曲!

 

本日の作品は、残虐な人間が犠牲者を容赦なく攻撃する、いわゆる「人間狩り映画」!!

 

 

人間狩りを行う側は、人里離れた場所で長年暮らした結果、人間らしい感情を喪失していたり、会話や交渉が成り立たなかったりする、モンスターのようになってしまった人間たち!!

 

「悪魔のいけにえ」や「サランドラ(ヒルズ・ハブ・アイズ)」「マザーズデイ」などに登場する殺人鬼たちは「スラッシャー」と呼ばれていいす!!

 

↑会話不可能なスラッシャー!!

 (「悪魔のいけにえ」のレザー・フェイス)

 

 

本日の作品は、そんなスラッシャー映画としてはスマッシュヒットとした2003年の映画!!

 

ストーリーは"山に行ったら怖い奴に襲われた"という単純なものなのですが、この単純さは普遍的な恐怖となって、全世界の人たちを震え上がらせたのです!!

 

↑楽しいはずの恋人とのクライミング!

 

↑けれど先に登っていた彼氏は

 何者かに殺され、投げ落とされてしまいます!

 映画開始3分で始まる惨劇!

 これが山岳スラッシャー映画だ!!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

人里離れた森の中で、道に迷った若者たちに殺人鬼が襲い掛かるスプラッタ・ホラー。

スティーヴン・キングが、米Book誌が選ぶ年間ベストワン映画に挙げたことで話題を呼んだ。

出演は、「チアーズ!」のエリザ・デシュク。「スポーン」のアラン・B・マッケルロイのオリジナル脚本を、「クライム・アンド・パニッシュメント」の俊才ロブ・シュミットが監督した。

 

 

スティーヴン・キングがBEST1に選んだ作品!!!
 
 
 
はい。

 

この解説で、本作の説明は不要ではないでしょうか😆😆😆
 
 
 
本作の恐ろしいのは、登場人物たちは、何一つ悪事を行っていないという事!!
 
 
「悪魔のいけにえ」では、レザーフェイスたちの家に侵入して見てはいけないものを見てしまったり、「サランドラ」では軍の立ち入り禁止区域に勝手に入ってしまったりと、多くのスラッシャー映画では、殺される側の人間にも、何らかの落ち度や悪意が存在し、人里離れた人間から殺される遠因となっていくのですが、本作の被害者たちは、特に何も悪い事している訳ではなく、森の中を車でドライブしていただけ!!

 

↑主人公のクリスは面接の時間が迫っており

 早く街に辿り着くために山道を選択!

 

↑この選択ミスが悲劇を招いてしまうのです!

 

 

尚、本作の原題は「WRONG TURN(ロング・ターン)」。

 

「WRONG TURN」とは「道や方向を間違える」という事ですので、原題をそのままに邦訳するなら「バット・フラグ」とか「道を間違っただけなのに」という感じになるのではないかと思います😉

 

↑ちなみにクリスが迷い込んだのは

 「クライモリ」ではなく、どこまでも続く広大な森!

 ですので「ヒロイモリ」という邦題でもアリです😄

 

 

 

さて、道を誤って広大な森の中で事故を起こし、車を失ってしまったクリスと、失恋したジェシーを慰めるためにキャンプをしに来た4人の仲間たちは、一体どんな人間と遭遇してしまったのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑急いでいたクリスは、道の真ん中で止まっていた

 ジェシー達の車と正面衝突!

 

↑彼女たちの車が道で止まっていた理由は

 ロープのように張られた有刺鉄線のせい!!

 つまり彼等が道を通る通らないに関係なく

 道を選んだ時点でバッド・フラグだったのです…

 

 

 

グラインドハウス今昔夜話 "スラッシャー・ムービーのルールとは"

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作が大ヒットとなった理由は、スラッシャー映画の基本ルールを全て満たしている作品だったから😆

 

スラッシャー映画のルールとは!

 

1.犠牲者はキャラの異なる男女数名!

 

↑本作の場合、麻薬好きのグータラカップルと

 婚約したばかりのラブラブカップル、

 そして最近フラれたジェシーと医大生クリスの6人!

 うん。見事な配分です😁 

 

 

2.外部の救援が望めない物理的な隔絶!!

 

車なし!電波なし!土地勘なしのクリスたち!

 

 

3.敵が異常者である事を匂わせる不気味な演出!!!

 

↑ねぇ。なんで山の中にこんなに廃車があるの…

 

 

4.姿がハッキリと視認できない敵!!!!

 

↑主人公たちを狩る残忍な男たちの姿は

 映画のラストまで、ハッキリと見えないので

 観客も彼等も視認できず、不安が消えません!

 

 

5.観客の想像を超える残虐描写!!!!!

 

↑友人が観の前で次々と殺されてゆく本作は

 目を覆うような残酷シーンが連発!

 

 

6.そして上映時間が90分以内!!!!!!

 

↑敵が近親交配で産まれた染色体異常者だというのは

 映画の冒頭のモンタージュで説明!!

 無駄を省いた本作の上映時間は84分なのです。

 

 

 

そう。

 

本作は、21世紀型のスラッシャー映画の基本形を生み出したエポック・メイキングな作品だと言えると思います😆

 

↑敵も味方も人物描写を極力省いて

 発端 → 遭遇 → 逃亡 → 追跡

 という見せ場を絞って作られたシンプルな構成!

 

 

 

だからこそ本作は多くの続編が作られただけでなく、本作に類似した作品が世界中で生み出される源泉となっていったのではないかと思います。

 

もう世界のどこに行っても、スラッシャーたちが私たちを襲って来る時代となっているのです😁😅😨

 

↑やぁ、今度はボクのところに遊びに来てヨ!

 (「マーダー・ライド・ショー」より)

 

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

ポーランド・スラッシャー

というテーマで

 

誰も眠らない森

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

 

★おまけ★

併せて観たいグラインドハウス系映画
「マザーズデー」

 

1980年に作られた本作も、スラッシャー・ムービーのルールに従った定番作品!!

 

母想いの子供たちは、母を喜ばすために人間狩りを行って、残虐なスラッシャー演劇を演じさせていたのです!!