こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで

 

眼には眼を

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

キング・オブ・カルト映画(その3)

 

今回のシリーズでセレクトされている発掘良品作品の中には、「シリアル・ママ」「エル・トポ」そして本日の「眼には眼を」という、キング・オブ・カルトとも言うべき3本の映画がセレクトされています。

 

 

 

 

と言っても、カルト映画として有名な「シリアル・ママ」や「エル・トポ」とは異なり、本日の「眼には眼を」は、あまり語られる事ん゛多くないマイナーな映画。

 

けれど本作は、古本屋さんの奥にひっそりと置かれている恐ろしい怪談本のように、一度でも目にしてしまうと、一生忘れられないトラウマになるような、シンプルで怖~いサスペンス映画なのです…

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

フランス映画の社会派、「洪水の前」のアンドレ・カイヤットが、アルメニア生れの青年作家ヴァエ・カッチャの原作をとりあげた復讐劇。この二人が共同で脚本を執筆、「女と奇蹟」のピエール・ボストが台詞を担当した。撮影は「歴史は女で作られる」のクリスチャン・マトラ。「陽はまた昇る」のジュリエット・グレコが吹替えで一曲歌っている。主演はドイツ出身の国際俳優「眼下の敵」のクルト・ユルゲンス、イタリア出身、「大いなる希望」のフォルコ・ルリ。他にレア・パドヴァーニ、パスカル・オードレ、ポール・フランクール等が助演する。

 

はい。

 

解説にある通り、本作はシリアの病院に勤めていたヴァルテルというフランス人の医師が、現地人の男に復讐される物語。

 

けれど復讐と言っても、ヴァルテルは恨まれているシリア人から暴行を受けたり、暴言を吐かれる事は一切ありませんあせる

 

 

ヴァルテルが男に恨まれた原因は、彼の妻の診察を拒否したから!

 

と言っても、ヴァルテルが診察を拒否した理由は、難手術を終えた直後で疲労困憊していたから。

 

↑いや~。今日の手術は大変だったよあせる

 

 

車に乗ってヴァルテルの自宅にやって来た男は、休養していたヴァルテルに、具合の悪い妻を診てもらいたいと願い出たのです。

 

 

…いくら医師でも、自宅で患者の治療はできませんよねあせる

 

それに病院には、ヴァルテルの部下の研修医もいますし、病院までの道程は車でわずか20分です!

 

 

だからヴァルテルは男の頼みを断り、車で病院に行くよう伝えて寝てしまいまったのです。

 

↑突然、夜中に診察して欲しいと言っても無理だ!

 病院に行けば、研修医が観てくますよ。

 

 

 

…うん。

 

こういう日って、誰にでもありますよね!

 

 

けれど、このヴァルテルの判断が、結果的に男の妻を殺す事となってしまったのです…

 

 

男の車は、ヴァルテルの家を出た後故障してしまい、男は病気の妻を6時間歩かせて病院へと向ったのですが、到着した時には手遅れで死んでしまったのです。

 

↑研修医は、男の妻を救う事はできませんでした…

 

 

 

… … …。

 

大変後味の悪い展開ですが、ヴァルテルに落ち度はありませんよね汗

 

 

けれど、その晩からヴァルテルの家には、謎の無言電話がかかって来るようになったのです…

 

 

男の妻を救えなかった事に、気まずさを感じていたヴァルテルですが、男からの怒りや悲しみを訴える電話ではなく、無言電話である以上弁明も出来ませんし、そもそも男からの電話かどうかも分かりませんあせる

 

けれど無言電話はなり続け、精神的に参ったヴァルテルは家を出て、病院に宿泊することにするのですが、朝起きて、窓の外を見ると妻を死なせた男の車が病院の駐車場に止めてあったのです!

 

↑病院で寝ていた時にも、誰かの影が…

 

 

男は、ヴァルテルに直接会うことも文句を言う事もありません。

 

けれどだからこそヴァルテルは、どうして良いのか分らず、ひたすら神経を磨耗させていくの事となるのです!

 

↑(お、俺が一体何をしたって言うんだ!!)と心で叫ぶヴァルテル。

 

 

さて、男がヴァルテルをつけ狙う目的は何だったのでしょう?そしてヴァルテルは一体、どうなってしまうのでしょうか?

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。


↑ヴァルテルの行くところに先回りしている男!

 彼がヴァルテルを付け回す目的とは!?

 

 

 

眼には眼を

 

本作のフランス語の原題は、邦題と同じく「OEIL POUR OEIL(眼には眼を)」

 

これは聖書やハムラビ法典にも記載がある有名な言葉ですが、本来の意味は「害を受けたら復讐して良い」ではなく、「受けた害以上の復讐をしてはいけない」という加害者に過度な報復や刑罰を与えることを禁じた法。

 

この解説は、Career-Picksさんのサイトを参考にさせて頂きました。

 

 

 

という事は、男がヴァルテルに対して許される復讐とはどこまでなのでしょう?

 

 

はい。

 

私としてし、ここが本作をカルト作品だと考えるポイント!!

 

 

 

男にとって最愛の妻を見殺しにしたヴァルテルは、絶対に許せない復讐すべき相手!

 

そんなヴァルテルは、男の妻に直接手を下さないで放置し、死に至らせました…

 

 

 

だから男もヴァルテルに決して直接手を下さず放置して、死に至らせようと考えていたとしたら…

 

男は、ヴァルテルを困難な状態に陥れ(病気の妻を助けず男を困難な状況に陥れた償い)、神経を磨耗させて絶望させた(妻が死んだ時の絶望の償い)と考えると、男は単なるストーカー気質の人間ではなく、神の定めた法に則り、極めて冷静に復讐を遂げようとしたのではないでしょうか…

 

 

そう。

 

 

眼には眼を、歯には歯を。

 

だからこそ男は、不親切には不親切を、絶望感には絶望感をという復讐を、ヴァルテルに与えていったのです。

 

 

 

本作は多くの方が、本当に怖い映画と評している作品。

その理由は、悪意がないヴァルテルの行為は、何気ない日常の中、自分も行っている可能性があるから!

意識してなかった何気ない行為が、復讐の標的にされる可能性は、きっとどんな人にもあり得る事なのです!

 

 

↑神経が消耗した事で間違った選択を繰り返し、

 遂には砂漠で迷子となってしまったヴァルテル。

 けれど、そんな疲労困憊した状況下でも、

 男はヴァルテルに救いの手は差し伸べません。

 

 自分も同じように不親切にされ、絶望したのですから…

 

 

 

 

という訳で次回は

 

永遠の旅路!

というテーマで

 

わが青春のマリアンヌ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格