本日も

昨日に引き続き

「告白」


という映画を通して

想像力と
人と人との関係性

というテーマについて

考えてみたいと思います。






中島哲也監督の映画には

特徴があります。




特徴①

時間軸が解体され
過去と現在を行き来する

↑突然、昔の話に戻ったりします(^^)




特徴②

長い期間の話を
ギュっと圧縮して描く

↑下妻物語は
生まれる前から高校生までの話を
ギュっとまとめて描きます(^^)




特徴③

とても短いシーンに
重要な内容が込められている

↑ちょっとしたシーンが
物語でかなり重要になります(^^)




特徴④

コマーシャルのような
シーンがある

↑「CM出身監督」らしい遊び心(^^)




特徴⑤

テーマは常に
「人の交流の問題」
である。


↑最新作「渇き。」も
相手と分かり合えない映画です。





特徴⑥

現実的でない
POPなセットや色を使用する。



ということでしょうか

(*´∇`*)






けれど

特徴⑥

鮮やかな色使い


パコと魔法の絵本

以降

あまりみられなくなります。






だから

パコの次作にあたる

「告白」


鮮やかな色や
セットを期待して方にとっては

前みたいな作品
じゃない!

とショックを受けたようです。



↑この作品では
ダンスシーンでも、こんな色調です。







けれど

残りの特徴である~5は

いつも通りに
出てきます

ので

本質的には変わっていない

と思います(^^)






けれどこの作品は

人と人とは
上手くつながれない

で…どうするの?

というテーマに対して

かなり
シリアスな回答


を用意した作品。






だからこそ

今までと違う!

というのもまた

間違っていないと思います。






この映画はあらすじだけ見ると

復讐劇

に見えます。






愛する娘を
殺されてしまった女教師


実行した二人の中学生に
復讐する

というのが

おおまかなあらすじ。


↑娘が殺されたのに
感情を殺して淡々と授業を行う教師と
人が殺されたことを全く深刻に受け止めない
クラスの生徒全員。






けれど

それだけだけの説明だと

ちょっと納得できない
展開

なのです。






理由は

単に復讐するだけ
だとしたら

計画が大変すぎる!

ということ。






娘が殺された!

あいつらに復讐する!


という展開だったら

彼らを襲えば

目的は達成されるハズです。






無防備な中学生ですから

女教師が突然襲えば

恐らく比較的簡単に

成功すると思われます。






けれどこの映画では

二人の中学生に対して

かなり綿密な計画を立て

二人の精神を
崩壊させていきます




( ̄_ ̄ i)

…まじ?





一体
どんな方法で?







それは是非、皆さん自身で

ご覧になって頂ければと思います。






ですが

少しだけ説明すると

二人の中学生は

先生の娘を殺したことに
心の痛みを全く感じていません。








ということは

人(中学生)と
人(先生)は
心がつながっていない


ということになります。






いつもの中島監督作ですね。







けれどここで先生は

どうやったら
心がつながるか?


を考えたのだと思います。








ちなみに、この場合の

心がつながる

の意味は

最愛の家族を失う
悲しみを知る

ということ。



↑いじめとか恋愛とかは関係ありません。

あくまでも「家族を喪失する悲しみ」です。






家族を失うことの
悲しみ




!二人の中学生に

どうやったら
分らせること

できるのか?


ということを考え

計画を練ったのです。





つまり彼女は

教育

しているのです。






何を?




それは

人としての心の痛み

の教育なのです。





人は痛み(ペイン)を
知らなければ

お互いを理解することが
できない…







ああ!

これはNARUTOにも

描かれていましたね・・


↑ペイン六道は
「仲間を失う痛み(ペイン)」が分らない限り
「人は争いをやめない」という思想。

つまり「痛みの教育者」なのです。






という訳で次回はいよいよ

「渇き。」

と思ったのですが

この作品を説明する前に

暴力衝動のある人

というテーマについて考えてみたいので

ちょっと寄り道をして

「スカーフェイス」

という映画を

ご紹介したいと思います




ではまた(*^ー^)ノ




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