こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで

 

エル・トポ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

キング・オブ・カルト映画(その2)

 

今回のシリーズでセレクトされている発掘良品作品の中には、「シリアル・ママ」「眼には眼を」そして本日の「エル・トポ」という、キング・オブ・カルトとも言うべき3本の映画がセレクトされています。

 

「シリアル・ママ」の回はコチラ

 

 

これらの作品は、何の予備知識もなく観ると"変な映画"と感じられるかもしれませんが、一度ご覧になった後、ポイントを絞ってご覧になると、初見では気付かなかった新たな発見がある、不思議に後を引く作品!

 

本日の作品は、もし映像や内容に拒否反応を起こさないようでしたら、間違いなく一生記憶に残り続ける、強烈な映像とメッセージが詰まった作品なのです!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

黒ずくめガンマン、エル・トポが活躍する。残酷なヴァイオレンス・メキシコ・ウェスタン。製作はアレン・クライン、監督はアレハンドロ・ホドロフスキーで、主演、脚本、音楽、衣裳、美術と一人六役をこなしている。撮影はラファエル・コルキディ、編集はフレデリコ・ランデロスが担当。出演はアレハンドロ・ホドロフスキー、マーラ・ロレンツィオほか。

 

…残酷なヴァイオレンス・メキシコ・ウェスタン。

 

う~ん汗

 

確かに本作は、残酷なバイオレンス描写も多い作品なのですが、単純にウェスタンというジャンルに分類できない内容のような気がします。

 

ただし本作を監督したアレハンドロ・ホドロフスキー監督の作品は、ご覧になった方によって感想が異なる多面的な作品!

 

ですので本日の解説は、あくまでの「私が観た時に思った事」だとご理解頂ければ幸いです😊

 

主人公はエルトポは凄腕のガンマン。

 

彼は最強を目指し、強敵を探して砂漠を彷徨っています。

 

↑その辺のガンマンは太刀打ちできないエル・トポ!

 

最強になる事しか頭にないエル・トポは、一緒に旅している自分の子供が裸でも何とも思わないような人間。

ある時エル・トポは、町で悪党一味を全滅させますが、彼の強さに惚れた悪党の情婦と一緒に旅する事を決め、子供を捨てて町を去ってしまいます!

 

…エル・トポ、サイテーですねあせるあせる

 

 

旅の目的は、荒野に隠棲している4人の最強ガン・マスターを倒す事!

 

けれど、マスターたちに出会ってみると、彼らは銃の名手というより、悟りを開くことによって戦いの極意を発見した賢者のような男たち!

 


無の境地に達し、弾丸を心の空白の中に通過させる事ができるという撃たれても死なない男!

 


 ↑私には弾は当たらないよ!


技術の真髄を理解した、どんな人間より早く銃が撃てる神速の早撃ちマスター!


↑私より早く打つ事は、人には不可能だ!


完全主義を極め、どんな標的も必ず一発の弾で仕留められる男!


私の弾は、確実に君の心臓を貫けるよ!


そして最後に出会ったのは、銃すら持つことなく人を倒する事ができる仙人のような男!


↑銃の弾など、極めれば虫取り網でも取れるのだよ。

 

…こ、これは強敵揃いですねあせるあせる

 

 

 

けれどエル・トポは、彼ら全員に勝利してしまったのです!

 

 

さて、一体どうやってエル・トポは、最強のガン・マスターたちを倒す事ができたのでしょうか?そして、最強となったエル・トポには、果たしてどうな人生が待っていたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑修羅の道を極めたエル・トポに待ち受けていたのは!?

 

 

 

普遍的な物語

 

あれ?

 

思ったほど、カルトっぽくない内容では?と思うかもしれませんが、本作は強烈な映像と残酷が眼と頭に焼き付いて忘れられなくなってしまうカルト・オブ・カルトな作品!

 

↑衝撃的な映像が多くご紹介するのに躊躇するのですが。

 例えばこのシーンで周囲に横たわるのは全て死んだウサギです…

 

 

そしてこの作品に限らず、強烈な映像を観客の脳に焼きつけつつ、人間にとって普遍的なテーマを描いた寓話のような映画を作るのが、本作を監督されたアレハンドロ・ホドロフスキー氏の真骨頂!

 

 

 

最強のガンマンになる事だけを求めているエル・トポは、成功だけを求める事業家や、勝利のためなら手段を選ばないアスリートなどに似ている、利己的な求道者!

 

けれど、勝利だけを求めた人生の先に待っているものは、果たして幸せなのでしょうか?

 

 

「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」や「市民ケーン」や「アベンジャーズ」のサノスを観てもご理解できるように、最強の先に待っているのは、誰ともつながる事ができない寂莫とした人生でしかありません…

 

↑インフィニティ・ガントレッドで宇宙最強となったサノス。

 けれど最強の後に待っていた人生は…

 

 

そう。

 

最強だけを求めて生きる人生とは空しいもの。

 

 

 

本作の前半で、その事に思い至ったエル・トポは、映画の後半では、今までの生き方とは正反対の慈愛に溢れた人生を送ろうとするのですが、その結果もまた、彼が望んだようなものではなかったのです…

 

↑心機一転、聖者の道を歩み始めたエル・トポでしたが…

 

 

そう。

 

 

人生とは、自分が思い描いた通りには生きられないもの。

 

 

本作を観終わった後、きっと皆様も「じゃあ、エル・トポはどう生きればよかっんだ!?」という疑問を持つのではないかと思いますが、きっとその疑問こそが、ホドロフスキー監督が観客に求めていたもの!

 

 

人生とは、どう生きるかという答えのない問いに、答え続けてる事に価値があるものなのです😊

 

↑2丁の銃にも、手を合わせて拝んでいるようにも見えるのは

 人生の多面性を物語っているから!

 本作は、人生とはどうあるべきか?を考える映画なのです。

 

 

 

 

という訳で次回は

 

恋の引力、恋の斥力

というテーマで

 

恋する惑星

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格