こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで

 

シリアル・ママ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

キング・オブ・カルト映画(その1)

 

今回のシリーズでセレクトされている発掘良品作品の中には、「エル・トポ」「眼には眼を」そして本日の「シリアル・ママ」という、キング・オブ・カルトとも言うべき3本の映画がセレクトされています。

 

これらの作品は、何の予備知識もなく観ると"変な映画"と感じられるかもしれませんが、一度ご覧になった後、ポイントを絞ってご覧になると、初見では気付かなかった新たな発見がある、不思議に後を引く作品!

 

そして、そんな3作の中でも本日の作品は、初見ではおバカな映画にしか思えない、とっても変な展開の作品なのですあせるあせる

 

↑近所のおばさんが、ある日突然殺しにやって来る映画です!

 

 

※本日は、作品を詳しく解説するために、映画の展開が詳しく書かれていますので、ご覧になる際はご留意ください。

 

 

 アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

社会に溢れる理不尽な輩に怒りの鉄槌を降り下ろし、殺人を繰り返す良き家庭の平凡な主婦の姿を通して、現代人の心の中に巣食うフラストレーションと怒りと殺人衝動を鋭くえぐる悪趣味なブラックユーモアに満ちたホーム・ドラマ。ドラマは実録形式で描かれ、アメリカにおける犯罪とメディアの関係、裁判や死刑問題に対する風刺も痛烈。監督・脚本は「ピンク・フラミンゴ」「クライ・ベイビー」などで知られるカルト映画作家ジョン・ウォーターズ。
…以下は、関係者の来歴なので略させて頂きました。

 

…キネマ旬報さんの解説も、普段より濃厚ですね汗

 

 

はい。

 

この解説の通り、本作は風刺に満ちたブラック・コメディなのですが、体裁はあくまでもホーム・ドラマ仕立て!

 

 

 

主人公のビヴァリーは、郊外の住宅に住む普通の主婦。

 

歯医者の夫と二人の子供と暮らしているビヴァリーは、一見とても幸せそうに見えますが、彼女は、家族に隠れた裏の顔を持っていたのです!!

 

↑家族が知らないビヴァリーの真の姿!

 

 

家族のいないところでビヴァリーが行った事は…

 

①隣人の夫人の変質者のフリをしてイタズラ電話!

↑下品な置手紙も送り付けています!

 

 

②息子の数学を担当している高校教師を車で礫殺!

↑問答無用で高校教師をひき殺します!

 

 

③娘の元恋人を男性トイレで串刺し!

↑武器はチャリティーバザーで買った火掻き棒!!

 

 

④夫の顧客の老夫婦の家に忍び込み、2人を虐殺!

↑家のクローゼットで待ち伏せするビヴァリー!

 

 

⑤家でアニーのビデオを観ていた老婆を撲殺!

↑面識のない老婆をターキーの丸焼きで撲殺!

 

 

⑥息子の友人をライブハウスで焼き殺す

↑ライブハウスは火気厳禁です!!!!

 

 

…こ、これは正しくシリアル・キラーのママですねあせるあせる

 

 

さて、一体なぜビヴァリーは、こんな恐ろしい連続殺人を行っていたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑ビヴァリーに不信を抱いた警察は、厳重な警備で彼女を尾行!

 …果たしてこれでシリアル・ママの凶行は防げるのでしょうか?

 

 

 

正義とはなんだ!?

 

…ここまでの展開だけを観ると、ジェイソンのように脈絡のない大虐殺の映画のように思われるかもしれませんが、映画を一度観終わった後、ビヴァリーが殺した人間の行動を観返してゆくと、ビヴァリーが他者を殺すには、一定の法則がある事が分かってきます!

 

↑ビヴァリーは無暗に殺している訳ではありませんでした…

 

 

 

ビヴァリー殺しの法則①

 

彼女の標的は、家族を侮辱した人!

 

②の高校教師は、ビヴァリーの息子がホラー映画好きだからといって異常者扱いし、精神病なので医師に診てもらえと侮辱していました。

 

また③の娘の元ボーイフレンドは、娘をふった直後に、新たな恋人を作ってイチャイチャして、傷ついた娘は朝から号泣していました。


…あれ。

 

つまりビヴァリーは、侮辱された自分の子供たちのために復讐してくれたって事?




ビヴァリー殺しの法則②

 

それ以外のビヴァリーの標的は、社会的ルールが守れない人!


①の隣人はスーパーの駐車場で順番を無視して車を止めていました。

 

④の夫婦は、定休日の日曜日にも拘わらず、歯医者の夫を無理矢理呼び出して治療させていたました。

 

⑤の老婆は、息子がバイトしているビデオ屋で、ビデオを返却する時に何度頼んでも蒔き戻さずに返却していました。

⑥の息子の友人は、いつも車のシートベルトをしていませんでした…


…えっ。

 

そんな事であせるあせる

 

 

 

では、ここで考えてみましょう。

 

これらの行為は、罰則がない(または軽微な)悪事ばかり!

 

 

けれど罰則がないのなら、これらの行為は罪に問われなくて良いのでしょうか?

 

↑今なら、罰則がなければマスクなしで出歩いている人は

 罰せられなくて良いのでしょうか?

 

 

はい。

 

 

もうお分かり頂け打でしょうか?

 

本作でジョン・ウォルターズ監督が観客に問いかけているのは、家族への侮辱や、公序良俗に反する行為は、どこまでが罰せられるべきなのか?の是非なのです!

 

 

 

ビヴァリーがやりすぎだとするなら、どこまでなら許されるの?

 

そして、もし注意しても相手が反省しなかったとしたら、どうすべきなの?

 

 

うっ汗汗

 

答えに窮してしまいますね!

 

 

 

本作は、バカバカしい映画のように見えて、モラルや倫理の境界線の難しさを浮き彫りにしてゆく、ケース・スタディを考える映画なのです😆

 

↑シリアル・ママは、シリアスな問題をブラックな笑い飛ばす

 サウスパークのような作品なのです!

 

 

 

 

という訳で次回は

 

怒りの臨界

というテーマで

 

激怒(1972年版)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格

①シリアル・キラーな女性が登場する映画に興味がある方へ…(その1)
「スーパー!」


音譜スーパー!の回はコチラ

 

②シリアル・キラーな女性が登場する映画に興味がある方へ…(その2)
「ホーム・スイート・ヘル キレたわたしの完全犯罪」

音譜ホーム・スイート・ヘル キレたわたしの完全犯罪の回はコチラ

 

①シリアル・キラーな女性が登場する映画に興味がある方へ…(その3)
「セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド」


音譜セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッドの回はコチラ