本日も

前回に引き続き

「パコと魔法の絵本」


という映画を通して

想像力と
人と人との関係性

というテーマについて

考えてみたいと思います。






前回は主人公である

大貫の心の中

について

ご説明させて頂きました。

↑この作品で大槻を演じた
役所広司さんは
新作「渇き。」においても
人とつながれない悲しい人間を
演じられています。






大貫は

相手に覚えてもらわない

ことで

裏切られない

という選択をした老人。






けれど

そんな彼は

パコという少女に出会い

彼女にだけは
覚えていてもらえないか

と願うようになるのです。


↑大貫が「覚えていて欲しい」と願うのは
こんな小さな女の子。






どうして?






…それは、彼女が

人と関わることが
できない少女

だったからです。





???


( ̄_ ̄ i)

はい?







どういう意味?






パコは交通事故に逢い

父母を亡くしてしまった女の子。






けれど、それだけでなく

記憶に障害が残り

今日の記憶が
一日で全て消えてしまう

少女だったのです。






大貫は

誰にも
覚えてもらいたいくない

訳ですが


パコは

誰のことも
覚えていられない

ということ。






…ということは病院で

毎日、寂しい思いを

しているの?


(ノ_・。)






いいえ。






パコは

生前に

お母さんからもらった
飛び出す絵本


持っています。


↑こんな絵本です






その絵本には

お誕生日おめでとう。

毎日読んでね。

という

母の言葉が書いて
あった

のです。






だから彼女は毎日嬉しそうに


今日は
パコの誕生日なの!

これは、パパとママからの
プレゼントなの!

パコ、これ毎日読むの!


と言います。





もう両親はいないのに…

誕生日でもないのに…

そして、記憶生涯が悪化して
死んでしまうのに…






まるで

賽の河原の石積み

のように

積んだ記憶は失われ

翌日また

父母を待ちながら
本を読むパコ





…不憫です


(ノ◇≦。)






けれど大貫は

そんなパコの記憶に

少しだけ
覚えてもらうことができた


男だったのです!





どうやって?





それは…



パコを
ぶん殴ってです!





( ̄□ ̄;)







大貫はパコと最初に出会った日

自分の大切にしていた腕時計を

置き忘れてしまいます。






パコはそれを拾いますが

翌日には記憶は消去!






必死で探していた大貫は

私、時計持ってるよ!

と言ってパコが差し出した

自分の時計を見て

カッとなり

ぶん殴ったのです。


↑このクソガキ!



サイテーのオヤジ
ですね。






けれど翌日

パコは殴られたことさえ

覚えていません。







だから

誤解が解けた大貫ですが

パコに
謝ることができない

のです!






大貫に対して

無邪気に話しかけてくるパコ。



↑ねぇ、おじさん。この本読んで!
これ、お母さんからもらったんだよ(^^)
と嬉しそうに毎日話しかけてくるパコ。

…謝れないですね。







大貫は苦悩します。






覚えてもらいたくない

ハズだったのに

覚えてもらえないから
思いを伝えることができない

のです。






…けれどパコは

大貫の手を触ったとき

ちょっとビックリしてこう言うのです。




あれ?

大貫
私を触ったこと
あるよね?

と…

↑この手…覚えてるよ!
大貫、私に触ったことあるよね!






はい。






パコは

全ての記憶が消去される中

大貫が殴った
手の感触

だけは

覚えていたのです!






大貫は思います。




彼女には
謝ることができない。



けれど、

彼女に
覚えてもらうこと


できるかもしれない…と。






記憶生涯が

悪化しているのですから

再び記憶できるようになれば

パコは死なないかもしれません。






大貫は

パコの持っている
絵本の話


劇をやろうと企画します。





パコが明日も思い出してくれるような

すごい劇をやって

パコの記憶するチカラを
蘇らせたい



願ったのです。


↑病院の奇妙な患者たちと
「パコの記憶に残る」
強烈なエンターテイナーを企画します(^^)






さて

そんな大貫の願いは

叶えられたのでしょうか?






それは是非、皆さん自身で

ご覧になって頂ければと思います。






中島監督の哲学は

人と人とは
上手くつながれない


自分の思いは
相手に理解されない



という

極めて冷めた人生観です。






けれどだからこそ人は

命懸けになって
相手にわかってもらおう



必死になるのかもしれません。


ここまでやったら
覚えていてくれますか~!!






という訳で次回は

相手の気持ちを
理解できない人には

どうやって
教育すればいいの?

というテーマの映画

「告白」

について考えてみたいと思います





ではまた(*^ー^)ノ