本日は

「蠅の王」


という映画を通して

「想像力と人間の蛮性」

について考えてみたいと思います。





実はこれ
幻の作品






1962年の映画ですが、

日本未公開の作品で、

2013年にはじめて

DVD化されました

(^^)


 
 
 

お話は、

第三次世界大戦が始まり、

疎開するために飛行機に乗っていた

イギリスの少年たちが

飛行機事故で、

無人島に不時着するところから

始まります。






少年たちはみんな、

上品そうな白人の子供ばかり。


↑聖歌隊もいます(^^)
みんな可愛いですね!







彼らは最初、

みんなで秩序を守って

仲良く救援を待とうとします。






リーダーのラルフは、

「会議の場」


「ルール」

を作ります。






とても理性的な

行動ですね

\(^▽^)/






この二つは近代文明に

なくてはならないもの

なのです。






けれど、

「理性の世界」は

長くは続きません。






もう一人のリーダーのジョージは、

チカラによって、

みんなを従わせようとします。






ラルフが持っているのは、

議会を召集する合図の「ほら貝」と、

文明の象徴である火を発火できる「メガネ」。

↑温厚で知性的なラルフ(右)と
近眼で知的なピギー(左)。

ピギーとは「子豚」という意味、
彼は最後までブタ扱いされます
。゚(T^T)゚。






ジョージが持っているのは、

武器を作り、動物を捌くことができる

「ナイフ」です!






二人のチカラ関係は、

ブタの肉をジョージが手に入れることで

次第に逆転していきます。






肉を食べたい!




そのためには

ブタを殺せるチカラ

がいる!




そのチカラを持っているのは…






はい…



子供たちにとっては

「知性」

よりも、

「チカラ」

の方が

魅力的だったのです!






理性的なラルフと、

親友で近眼の太った少年ピギーは

少しずつ発言力を失い

やがて孤立するようになります。






一方のジョージたちは、

武器を作り、奇声を上げ、

威嚇のための化粧をします!




映画の後半では、

上品な白人の少年たち

だったハズのジョージたちは

未開の地の蛮族のようです。



↑もはや文明人らしさゼロ!!





そして遂には、

暴力的なジョージに

統率された少年たちは、

ラルフたちを

迫害するようになるのです!






知性は
圧倒的な
暴力に対して
無力!






この事実を、

天使のような少年たちの

変化で見せていく理由。






それはきっと、



映画を観ている
私たちだって、
実は同じような
蛮性
を持っているんだ



ということを

伝えたいのだと思います。






今回、日本語版のDVDの

ジャケットに採用されたのは

梅図かずお先生。


↑すさまじいジャケット!
家に置くには、
ちょっと怖いですね…





彼が描いた傑作のひとつに

「漂流教室」

というものがあります。






これは、

絶望的な未来世界へ

飛ばされてしまった

小学生たちのサバイバル物語。






どちらの作品も

近代文明から隔絶された時の

知性と暴力や狂気の関係

について

描いています。






とても怖いことですが、

これは、いざという時のために

考えておくべきこと

かもしれませんね。



ではまた(*゚▽゚)ノ