こんにちは。
ときどき法務局に行くんですが、、、
いつも思うのは、駐車場が狭い。(笑)
車幅もあるんですが、指定された場所によっては止めるのに苦労します。
今の車は、前の車に比べると鼻先が長く感じるので前の感覚が難しい。
「駐車場はありません。」って言われるよりは、全然良いんですけどね。
今日の過去問は、令和2年度問32の問題を○×式でやりたいと思います。
同時履行の抗弁権に関する次の記述について、民法の規定及び判例に照らし、正誤判定をしてみましょう。
それでは、早速。
問題
家屋の賃貸借が終了し、賃借人が造作買取請求権を有する場合においては、賃貸人が造作代金を提供するまで、賃借人は、家屋の明渡しを拒むことができる。
正解は?
×
今日は、「同時履行の抗弁権」に関する問題。
同時履行の抗弁権
(同時履行の抗弁)
第五百三十三条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
ちょっと前に、時計の修理の例を挙げました。
時計の修理代金の支払いと時計を渡すのは同時履行。
つまり、と修理したを渡すのは同時ってことですね。
そう主張する権利で抗弁「権」です。
1問目は、家屋の賃貸借が終了したケース。
賃借人の家屋の明渡しと賃貸人が造作代金を提供するのは同時履行かと言うところが問題です。
問題では、「賃貸人が造作代金を提供するまで、賃借人は、家屋の明渡しを拒むことができる。」と言っている訳ですが、、、
造作買取請求権=賃借人が、造作を付け加えることに対しての賃貸人の同意を得て、建物に付け加えたもの(造作)を、契約終了時に、賃貸人に買取請求ができること。(例:水道施設、畳、襖など)
エアコンなどの取り外しができるものは、造作にはあたりません。
どう思いますか
先ほどのを考えてみましょう。
お店:時計を渡し、修理代金をもらう
お客さん:修理代金を支払って、時計を受け取る
気付きましたか
この問題は、賃貸借契約終了。
賃貸人:家屋の明渡しを受ける
賃借人:造作買取請求権をたてに明渡しを拒む
昭和27(オ)1069 家屋明渡等請求昭和29年7月22日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
造作買取代金債権は、造作に関して生じた債権で、建物に関して生じた債権でないと解するを相当とし、所論は理由がない。
別々の債権だから、同時履行の抗弁権は主張できないってことです。
この肢は、間違いです。
問題
家屋の賃貸借が終了し、賃借人が敷金返還請求権を有する場合においては、賃貸人が敷金を提供するまで、賃借人は、家屋の明渡しを拒むことができる。
正解は?
×
2問目も、家屋の賃貸借が終了したケース。
造作買取請求権に変わり、「敷金返還請求権」。
問題では、「賃貸人が敷金を提供するまで、賃借人は、家屋の明渡しを拒むことができる。」と言っている訳ですが、、、
1問目を理解できていれば、これも同じ。
賃貸人:家屋の明渡しを受ける
賃借人:敷金返還請求権をたてに明渡しを拒む
これは、まず、判例を。
昭和48(オ)30 家屋明渡請求昭和49年9月2日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 福岡高等裁判所
賃貸人は、特別の約定のないかぎり、賃借人から家屋明渡を受けた後に前記の敷金残額を返還すれば足りるものと解すべく、
したがつて、家屋明渡債務と敷金返還債務とは同時履行の関係にたつものではないと解するのが相当であり、このことは、賃貸借の終了原因が解除(解約)による場合であつても異なるところはないと解すべきである。
と言うことで、この肢は、間違いです。
それと、、、この内容が、条文に反映されました。
第四款 敷金
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
2 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。
問題
双務契約が一方当事者の詐欺を理由として取り消された場合においては、詐欺を行った当事者は、当事者双方の原状回復義務の履行につき、同時履行の抗弁権を行使することができない。
正解は?
×
この問題は、「詐欺を理由として取り消された場合」です。
双務契約とは
双務契約=当事者の双方が互いに対価的な債務を負担する契約。(例:売買・賃貸借・雇用など。)
問題では、詐欺を行った当事者は、
「当事者双方の原状回復義務の履行につき、同時履行の抗弁権を行使することができない。」と言っています。
んじゃ、先履行 後履行 って問題が出てきそうな気が、、、
これは判例です。
昭和46(オ)1127 登記抹消手続等本訴請求、所有権移転登記手続等反訴請求昭和47年9月7日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
右売買契約は、Dの詐欺を理由とする上告人の取消の意思表示により有効に取り消されたのであるから、
原状に回復するため、
被上告人は、上告人に対し、
本件(一)の土地について右仮登記の抹消登記手続を、
本件(二)の土地について上告人へ所有権移転登記手続を
それぞれなすべき義務があり、
また、上告人は、被上告人に対し、
右一〇〇万円の返還義務を負うものであるところ、
上告人、被上告人の右各義務は、民法五三三条の類推適用により同時履行の関係にあると解すべきであつて、被上告人は、上告人から一〇〇万円の支払を受けるのと引き換えに右各登記手続をなすべき義務があるとした原審の判断は、正当としてこれを是認することができる。
双務契約が、当事者の「詐欺を理由」に取り消された場合、
当事者両方の原状回復義務は、「同時履行」の関係にあるということです。
そのため、この肢は、間違いです。
問題
請負契約においては仕事完成義務と報酬支払義務とが同時履行の関係に立つため、物の引渡しを要する場合であっても、特約がない限り、仕事を完成させた請負人は、目的物の引渡しに先立って報酬の支払を求めることができ、注文者はこれを拒むことができない。
正解は?
×
この問題は、「請負契約」です。
(請負)
第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
問題をバラしてみます。
①仕事完成義務と報酬支払義務とが同時履行の関係に立つ
②物の引渡しを要する場合であっても、特約がない限り、仕事を完成させた請負人は、目的物の引渡しに先立って報酬の支払を求めることができ、注文者はこれを拒むことができない。
どうですか
仮に、①が分からなかったとしても、②は間違いってのが分かるはずです。
引渡しを要する場合は、引渡しと同時履行ですね。
(報酬の支払時期)
第六百三十三条 報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第六百二十四条第一項の規定を準用する。
①は、ただし書きの規定。
(報酬の支払時期)
第六百二十四条 労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。
2 略。
基本、仕事完成義務と報酬支払義務では、仕事を完成させるのが先履行。
そして、物の引渡しを要する場合は、目的物引渡義務と報酬支払義務とが同時履行の関係。
物の引渡しを要しない場合は、やはり、基本通りで仕事を完成させるのが先履行です。
この肢は、間違いです。
問題
売買契約の買主は、売主から履行の提供があっても、その提供が継続されない限り、同時履行の抗弁権を失わない。
正解は?
○
今日の最後の問題。
この問題は、同時履行の抗弁権の消滅についてです。
問題を見てみます。
売買契約の買主は、
売主から履行の提供があっても、その提供が継続されない限り、同時履行の抗弁権を失わない。
「そりゃそうでしょ。。。」
考えてみましょう。
・売主さんから履行の提供があっても、
買主さん宅に商品を持参したところ、不在のため持ち帰りました。
・その提供が継続されない限り、
翌日、売主さんが商品を持参せず、
「代金くれ。。。」
「いやいや、商品と引換えでしょ。。。」☚同時履行の抗弁権を失わない。(笑)
と言うことで、この肢は、正しい記述です。
昭和32(オ)391 引受債務金請求昭和34年5月14日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 高松高等裁判所
双務契約の当事者の一方は相手方の履行の提供があつても、その提供が継続されない限り同時履行の抗弁権を失うものでないことは所論のとおりである。
毎日、運転するんですが、
それでも難しいですね。
危険予知であったり、その時々の景色、状況が違う。
昨日も夜に運転していると、ゆる~いカーブの先で猫がスタスタと歩いてまして、
「う、うぉ、、、」キ、キッ、キッ~~~~。。。
目が合った途端に止まりやがんの。(笑)
幸い時間帯が遅く、まわりに車がいなかったので、こちらがドキドキしただけですんだんですが、、、
予期しないことは突然やってきます。
慎重に運転しないといけませんね。。。
今日も最後までありがとうございました。
んでねぃ。
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