これほど面白いドラマのないクールは初めてでした。今後、このペースで落ちていったらどうしよう~と考えると恐ろしくなります。私のドラマブログもいつまで続けられることやら…
1話を見て、次の回が楽しみになったのは、【あなたを奪ったその日から】のみ。でもNHKのドラマは全て見る価値のあるものでした。そこそこ面白いと思えたドラマも、最初から最後まで楽しめたものは殆どなく、企画、制作の問題なのか、1クールの長さの問題なのか、プロのスタッフとキャストが集まったら、視聴率狙いではなく、もっと素敵なドラマが作れると思うのだけれど…
今回チェックしたドラマは(計33作品)
【夫よ、死んでくれないか/続・続・最後から二番目の恋/あなたを奪ったその日から/しあわせは食べて寝て待て/対岸の家事/ジョフウ/恋は闇/トウキョウホリディ/PJ~航空救難団/すぱいす/ディアマイベイビー/魔物/イグナイト/地震のあとで/なんで私が神説教/エンジェルフライト/キャスター(計17作品+途中までしか見られなかった下記16作品)ダメマネ!ーダメなタレント、マネジメントしますー/ムサシノ輪舞曲/いつか、ヒーロー/波うららかに、めおと日和/MADDERその事件、ワタシが犯人です/彼女がそれも愛と呼ぶなら/人事の人見/Dr.アシュラ/天久鷹央の推理カルテ/あやしいパートナー/3人夫婦/パラレル夫婦/ミッドナイト屋台/ゲレンデ飯/やぶさかではございません/霧尾ファンクラブ】
[すべて敬称略]
2024年春ドラマ MYアカデミー賞
主演女優賞 米倉涼子(エンジェルフライト)
前にヒットした医者のドラマが嫌いだったので、彼女を見るのは久しぶりなのですが、正直、格が違うなと感じました。とにかく綺麗、容姿が素晴らしくて女優然としている、かなり自由になっているので、しょっちゅう壊れる、テンションも涙も感情の熱さも伝わってくる。ただ、主役としては、ちょっと芝居し過ぎとは感じる。やりたくて仕方がないんですよねー。
思い起こせば、初めて新人の彼女を見た時、脇役で連ドラに出ていたのだけれど、冴えない女の役だったので、伊達メガネを掛けていた。変なメガネを掛けても美しい人だということがバレバレだったことをよく覚えている。今も美しく、その上、存在感があり、紛れもなく主演女優である
次点:松下由樹(ディアマイベイビー)
迫力ありましたねぇ~ この年代の女優で主演作品は少ないので、心から楽しんでいらしたと思います。恐ろしくも存在感がありました
次点:北川景子(あなたを奪ったその日から)
とても真面目な役者さんなのではないかと、いつも思うのです。役作りとか、ひとつひとつの演技に精一杯取り組んでいる感じがする人です。ただ、今回は、(設定が難しいのでなんとも言い難いのですが)少しおかしく感じる表情や演技がありました。脚本の問題かとは思うのですが。
主演男優賞 内野聖陽 (PJ~航空救難団)
第一回目が、あまりにもうるさくて(古いタイプのスポ根ドラマをぶつけられ)つまらなかったので、もうがっかりして…でも、2話目から普通に面白いドラマになりました。
計算ではないと思う。連続ドラマだから、役者も観客も段々に消化していった部分があったのではないかと思う。
そして、後半になるにしたがって、すっかりお茶目な内野聖陽が多々出てきて、とても素敵で可愛くて魅力的な中年男性でした。
次点:塩野瑛久(魔物)
この人、芝居上手いんでしょうね。もう5作以上は拝見していますが、毎回かなり違うキャラの役を好演しています。今回が役の難しさも含めてダントツ良かったです。
次点:間宮祥太朗(イグナイト)
やっぱりこの人好きだわぁ。どうして好きなんだろう?と考えながら眺めていました。声も良い、顔は普通に良い。こんな息子がいたらいいなぁと、ドラマから少し離れて、この人やっぱり好きだわぁって見ていました。うふふ
助演女優賞 石井杏奈(PJ~航空救難団)
ちょっと悩みましたが、この役を出来る女優はそうそういないと思ったので、決めました。最初に彼女を見たのは「チアダン」でしたが、体を鍛えている美しい女優さんです。
次点:北香那(魔物)
とても個性的な方で、このくらい感情の起伏のある役は珍しい感じがしました。なんでも出来そうですね。
次点:山口紗弥加(ディアマイベイビー)
こういう毒親の役を楽しんでやっている感じはあまり好きではないのですが、好演です
次点:野呂佳代(なんでわたしが神説教)
いつもより余計なことをしないで、微妙な女心を好演していました。脚本がちょっと無理が多い作品だったので、変に見えたり、キャラが安定していなかったり、リアリティがなかったりする中、彼女はキャラを最後まで統一させたのは素晴らしいと思います。
次点:吉川愛(PJ~航空救難団)
最近の、若い人たちばかりのドラマよりも数段魅力的でした。父親とのやり取りが、普通の大学生なりのストーレートさと優しさと微妙な心の動きが感じられました。内野聖陽のお陰です。上手い役者なので、今はこういうもっと上手な人と芝居した方がいいです
助演男優賞
高橋光臣(夫よ、死んでくれないか)
こちらもちょっと決め手に欠けて悩みました。インパクトという意味で選びました。
いつものように筋肉マン的な男なのだけど、妻リコを偏愛する普通じゃない男の恐ろしさが、笑える部分もあって救われました。純粋に本当に好きなんだなと感じられる部分は良かったし、泣きながら離婚届を書くシーンは印象的でした
次点:白洲迅(恋闇)
やだぁ、普通の役も出来るんですね。が、第一感想。いつも怖い役とか裏のある役とかやっていて、こんなにハンサムなのにね。とても優しい素敵な男性像が見られて嬉しかったです
次点:大倉孝二(魔物)
大倉さんが、包容力のある大人の男を演じている!!と嬉しかったです。初回の裁判所の冷たい表情が、どうにも最後まで繋がらなくて、ずーっと引っかかっているのですが、それ以外は、ドラマの中で救いになりました。いつものように面白い面も少しですが見られました。
次点:福士誠治(しあわせは食べて寝て待て)
こちらも救いでした。必要以上に優しくはないのだけれど、根は優しくて、病気になった彼女の救いになっていました。社員から突き上げられる時も魅力的で、こんな人いたらいいなって。
次点:筒井道隆(あなたを奪ったその日から)
歳を取ったせいなのか、ちょっと冴えない男に作っているのか?(それにしては、会社で一応それなりの地位にいたので疑問?)そもそも持っているぬぼーっとした雰囲気が、やはり救いになっていました。
気になる役者
山村隆太(MADDERその事件、ワタシが犯人です) セリフに存在感のある人でした。
正門良規(ムサシノ輪舞曲) 面白みはないのですが、外見も芝居も申し分なく
三山凌輝(イグナイト) 口をあまり動かさずに喋るセリフが、個性というか、癖というか、でもクリア。何よりも強い目が印象的な役者ですね。
藤崎ゆみあ(イグナイト) 芝居できないんですけど、笑顔の魅力的な可愛らしい人。これから活躍されるでしょう
永井花奈(対岸の家事)子役 芝居とは思えないけれど、とにかく明るく遊んでいて、ドラマの中で正確な位置を取っていました。
齊藤飛鳥(恋闇) 前に見た時と、あまりにも印象が違っていて、インパクト強すぎです。前は単に綺麗な人だったのに、これほど個性的な方とは…
吉田凛音(すぱいす)と岡本夏美(トウキョウホリデイ)
この二人似ていますね。岡本夏美は、前回もテレ東のドラマで見て、ここに名前を書いた記憶があります。その時は、あまり目立たなかったのだけれど、今回はかなり自由にやっていました(少しやり過ぎ)吉田凛音は、初めて見ました。演技で比較すると、彼女はまだ芝居していないんですが、自由度はなかなかのもので、とても魅力的です。唯一、走る時の足が正しく前に出ていないので、矯正した方がいいです。
新人の時に必要なのは、自由に自分を解放出来るか。そういう意味で、二人とも魅力的なのだけれど、岡本夏美の方が計算が入っていて、少しうるさかったり、やりすぎだったりしている。ふたりともいい演出家と仕事して、もっと制約のある中で自由に芝居させて貰うとよくなりそうです。
女性デカについて
そもそも警察組織は、圧倒的な男性社会で、女性の上司が珍しい、はず。
今回、女性刑事として、それも男性を従えて、それなりの地位についている刑事が数人いて、まず、二人があまりにもそっくりな役作りだったので、ずーっと比較してみざるを得なかった。
【恋闇】の猫背椿と【魔物】のうらじぬの
どちらもある意味格好つけて、捜査を進めていくのだけれど、形がまず目に入ってきて辛い。形から入るのも一つの役作りですが、消化していないと単なる形で終わってしまう。格好つけても格好良くないし、仕事が出来るようにも見えない。が、バディーの若い男性刑事(白洲迅、若林時英)が、下っ端らしく付き従っている。単に、年齢差で、猫背椿の方に部があったというところ。なぜ格好つけなければならないのか。そんなことしなくても品格があればいい。ないから格好つけざるを得ない?演出家の希望が、あまりにも形を求めていたのか?ステレオタイプを作り過ぎ。もしドラマ的ステレオタイプの格好良い女性刑事が、欲しいなら、このキャスティングであるはずがない。
もう一人、【イグナイト】のりょうは、格好つけると様になるので、それなりに許されるのだろう。こういうパターンは、時々ドラマで見る(前クールの波瑠とか)実際は無理があってもドラマなら許される範囲? しかし、前述の、猫背椿とうらじぬのというキャステイングは、こういうの面白くない?というアイデアだけで始まったものであり、消化できずに終わった。こういう類似したものが別局で同時に起こることが頻繁にある。不思議な事象である
制作(キャスティング)賞 【魔物】
役者として、面白い役が多く、それぞれが見せ場を持ってやりあっていた。神野美鈴という演技派の女優が、その演技でそれほど目立たなかったことが、このドラマの凄さだと判断させて貰いました。主演、助演賞に名を辛ねなかったけれど、落合モトキも良かった
音楽賞 【夫よ、死んでくれないか】
いくつか気になったオリジナル曲があったのですが、チェックしきれず。何よりもインパクトがあったのは、璃子を愛しすぎる加賀美弘毅のシーンになると「りこりこ」と歌詞が繰り返される曲(もちろんオリジナル曲ですよね)単純で、分かり易い音楽の効果があります
タイトルバック賞
【あなたを奪ったその日から】
タイトルの出し方が素敵でしたね。生活感のある自然な流れからパーンダウンして、主役をぼかして、雰囲気のある額縁の中に、タイトルを挿入する。毎回基本的に同じパターンで、このように全く違う美しさを出すことが連ドラでやるべきことだと思います。
演出家賞 【夫よ、死んでくれないか】
演出家が数人いるようなので(佐藤竜憲ほか)誰とは言えないし、やはり回によって演出が見える時と見えない時がありました。
脚本賞 該当なし
次点:渡邊真子 無理くりだった話を、一応はよくまとめたと思います。あり得ないとう印象は否めませんが…
次点:古沢良太、香坂隆史 感動の涙をたくさん頂きました
次点:池田奈津子 泣けるシーンたくさんありました
作品賞 エンジェルフライト
唯一、毎回感動させられたり、感涙させられたり、心を動かされたドラマでした。
主演がちょっとやり過ぎだけれど、バランスは崩れなかった。抑えるところは抑えているから。脇役、徳井優、城田優、野呂佳代、矢本悠馬 みなさん良かったです。松本若菜の回は、美人女優2人が双璧で圧巻でした
次点:夫よ、死んでくれないか
初回から最終回まで、面白かったです。話がどう進むんだろう?っていう、引っ張られるものがあった。話の展開も、キャストも、演出も、それぞれ魅力があったと思います。ただ…おかしな点がたくさんありました。
まず、大学時代に成り行きとはいえ、一緒に殺人を犯してしまった友人とずーっと友達でいるでしょうか? 毎回の乾杯の言葉が「今日も生き抜いたことに」の意味は後でわかりましたが。
実際に殺意を持って突き落としたりしているのに、その後、致命傷を負わせたのが、千田だったり、熊だったり、そういった真実があったということは、取り立ててこの3人には意味をなさないと思いました。
刑事が、最初から、捜索願いを提出しにきた妻に疑いの目を向けるのも不自然だったし、殺されかけた榊哲也が、記憶喪失になっている間の、夫婦のやりとりもしっくりは来なかった。あれは、観客的には面白いのかなぁ?
納得がいかない理由を考えると、原作者が男だからではないかと思ってしまった。女の気持ちは、女が描いた方がいいと思っています。
ラスト、千田が奥さんに殺された件も、よくわからない。簡単な解決方法に向かったのはどうしてなのか(時間の都合?)ついでに千田の奥さんという存在が全く見えなかったので、あのチラッと見えた妻は、ゆりかが憧れていた近所のママ友(新山千春)だったんだ。と勘違いしたほどです。
フィクションだから、テレビドラマだからOKと許される範囲なのだと思います。
次点:【あなたを奪ったその日から】
唯一、ドラマだったのかもしれません。初回を見て、次回が楽しみになったのもこの作品だけだし、とても心を動かされました。
娘を死に至らしめたYUKIデリの社長を恨む女のところに、うっかり彼の次女がやってきて、誘拐するつもりじゃないのに誘拐という形になってしまったまではいい設定でした。その後、社長の懐に入っていくのは、ドラマだからですよね。普通は、美海がいる以上そこまでは近づかない。
記者の東(仁村紗和)がいい感じで絡んでいる。望月(筒井道隆)の存在も微妙で良かった
平祐奈は、やっぱり良いです。後半の普通の女より、前半のクレイジーな女の方がいいですね。大森南朋が多々不自然。優しい男性としてすごくハマっているところと、ちょっと成立していないところ。
設定が想像を絶するので、シナリオも役者も、もう一歩詳細に詰めきれなかった感が残ります。
その他の作品で気になったこと
【なんで私が神説教】
脚本がひどいのだと思います。 広瀬アリスだから、最後まで我慢して見たけれど…。上手い役者はそれなりだけど、下手な役者(例えば、岡崎紗絵、渡辺翔太、伊藤淳史)は、キャラが成立していないですよね。ドラマのタイトルである、麗美静の言葉にも説得力がないし。7話だったと思います。突然、ドラマの形式を変えて、同時進行のシーンを、時間を進めたり巻き戻したりしてコメディタッチでやった回があったのですが、なんでもありですね。その技術は、別のドラマで使えばいいと思います。思いつきで「こんなのも出来ます」っていうのは、「この程度しか出来ません」の意です。例えば、【イグナイト】でラスト近く、やはり一回だけドラマの形式が違う回があったのですが、あれは、ずっとドラマの軸になっていた過去の事件の流れを見せるためだったので「あり」なんですが、連続ドラマですので「なんでもあり」ではないです。
【続・続・最後から二番目の恋】
あれほど面白かったドラマが、見るのも辛いほどつまらなくなるのかと、期待したからつまらなかったではなく、心からつまらなかった。大好きだった岡田恵和のシナリオは、もう過去のものになってしまった。小泉今日子は変わらず良かったけれど、ドラマが酷くてどうにも輝けない。そもそもの長倉家の人々が、みんな作っているようにしか見えなくなってしまったのは、もう無理ってことなのかも。万里子ってなんの病気なんでしたっけ?そんな人いませんよね。脚本の問題なのか、時代に取り残されたのか、本当に辛かったです。
【対岸の家事】
みんなでパーティーをやるようなシーン以外は、テレビドラマらしく、楽に楽しめて、これはこれでありだと思います。多部未華子が、絶えず微笑ましいお母さんでいてくれたし、子どもは可愛いかった。
【キャスター】
結局は、崎久保が、ずっと恨んでいた進藤壮一との確執を解き明かすをベースに、それ以外の事件をスターであるキャスター自らが取材していく。重いテーマで、複雑に絡み合っている作りは大変だと思われますが、ワクワクするところがないんです
【ジョフウ】
あまり面白くない回もあったのですが、毎回2つの現場をうまく噛み合わせていました。圧巻だったのは、4話。現場の出来事があまり面白くない話だったせいなのか、その間に事務所のオーディションシーンを挟んで行ったのだけど、それがめちゃくちゃ面白くて、爆笑出来ました。(シナリオ:加藤綾佳)
芝居は…ドラマは、まず脚本です。脚本が悪ければ、スタッフがどう頑張っても面白いドラマにはならないし、役者は下手に見える。
主演女優で視聴率を取っていると考えるからなのか、自由にやらせ過ぎて、全体のバランスを欠くことが多々。以前からこの国には演出家がいないと言われてきたけれど、演出がもっと力を持たないと!誰が全体のバランスを取るんでしょうか?