昨日は、私がお手伝いをしている高校の「総合学習」が、2学期の授業開始日だったので午後から出掛けていた。
一昨日までの、じりじりと照りつけるような太陽ではなく、昨日も気温こそ39℃近くと高かったけれど、少し雲が多くなり、直射日光がさえぎられるようになった。
それでも高校について担当の教室に入ると、着けているマスクの顎に当たる部分に汗が溜まってかなり濡れていた。
こんな状況になれば、仕事場などで一日中マスクを着けている人たちは、きっとたまったものではないだろう。持参した水筒の氷が入ったお茶を一口飲んで、とにかく一息ついた。
昨日の授業で生徒たちは、「ロータスマップ」という3×3マスのシートの中央のマスに、「京都の持続可能な発展に向けた課題」というテーマを書き入れた。
そこから周囲の8つのマスに、自分たちが課題だと思うことを2人1組になって話し合って、考えついた内容をキーワードとして記入していった。
こうして思いついた8つの課題を、最初の3×3のマス目のシートの周囲にある、これまた3×3のマス目になったシートのそれぞれの中央に書く。
次に、周囲の8個のマス目のシートの、それぞれ中央に書きいれた課題と関わり合うと思う課題や解決策など、関連したキーワードを拾い出してゆくという作業を行った。
「京都の持続可能な発展に向けた課題」という中心課題に対して、課題と思われる8個のキーワードと、そこから発展させた最大64個に及ぶキーワードを考えたことになる。
そして最後は、こうして自分たちが考えた中味をみんなの前で発表した。この作業の途中経過となるマス目を埋めて行く作業を、私もパソコンの画面でずっと見つめていた。
それぞれのグループが〝ああだ、こうだ〟と話しながら、時には記入を中断してインターネットで情報を確かめたりもして、だいたい記入できる部分が埋め尽くされていった。
中には、最大の64個に近い数のキーワードを拾い出せたグループもあれば、かなりスカスカしたマス目が目立つというグループもあった。これはこれで致し方がない。
それで授業が終了してから、担当の教員の方と私たち授業サポーターが、生徒たちの発表の中味として上がっていたキーワードを拾いあげて総括してみた。
これが中々に面白い結果になっていた。もちろん高校生が、限られた時間内に頭の中で組み立てたものだから、飛び抜けてユニークなキーワードが出て来なかったのも仕方がないと思う。
ただほぼすべてのグループから共通して上がっていた、課題と考えられているキーワードは「観光」「交通」「環境・ごみ問題」「景観」「ウィズ・コロナ」といったものだった。
一方、グループによって上がっていることもあるという、比較的少数派のキーワードには「歴史」「伝統工芸」「若者」「外国人」「食」「インターネット環境」「マナー」「宿泊」などがあった。
限られた時間内で、高校生たちが思いつくキーワードだから、まずはこんなところだろうと思う。その点は、担当教員の方も納得しておられた。
さらに広げた最大で64個になる細かいキーワードは、さすがに現段階では、まだまだ未成熟な言葉になっていたのも仕方がないことだと思う。
こうして生徒たちに問題意識をできるだけ広げさせた上で、次回の授業では、それぞれが今年度に取り組みたいと考えるテーマへと集約させる作業になる。
本来なら、1学期の終わりまでにこの段階に到達したかったのだが、今年度は授業開始が1か月半も遅れたので、やっとこの段階に至ったということになる。
しかも、来週と再来週は文化祭の準備で授業が流れる。2学期はもともと学校行事が多く、そこへ今年度は事情が事情だから、何かと詰まったペース配分にならざるを得ない。
それも踏まえて担当教員の方とは、「ウィズ・コロナの中で何が可能か」という考え方に絞り込んで、テーマ設定を行わざるを得ないということになった。
逆に言えば昨年度までのように、「オーバーツーリズム(観光客過多)」などといったことは、今年度のテーマにはならない。それもまた、〝今年度らしい〟ということだ。
さて、こうして上がって来た課題の領域から、生徒たちはこの先どんなことをテーマにしようと思うだろう。そこにウィズ・コロナ時代という〝今年らしさ〟が見出せるだろう。