日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -291ページ目

疲労困憊

町内会の役員になっていて、連休中はその仕事で忙殺される。


いやなものである。


せっかくの連休だと言うのに。


そでれも、ビールが飲める。


発泡酒ではない、本物のビールだ。


浴びるように飲んだ。


それで、気分は徐々によくなってきた。


どうにでもなれ。

足元をふらつかせながら、一度家へ帰ってくる。


一休みすれば、また夜まで仕事だった。


蝉の鳴き声が、心地よい。

夏なのだ。


そう思いながら、酔いの中に身を委ねた。



「幻の光」 読了

以前にブログで書いた「もうひとりの俺」 という記事がある。

そこへ、コメントをいただいた。

その記事の話が、幻の光を思わせるとあった。

そして、いつかは読んでみたいと思っていたのだった。

ちなみに「もうひとりの俺」 は、エイプリルフールということで捏ち上げた、うそ日記である。



幻の光

夫が自殺し、その理由がわからない女の話である。

読んでいて、嫌な気分になってきた。


なんだ、これ。


自殺の十日前にその夫が言った言葉がいつまでも、頭の中に焼き付いていた。

俺、中学しか出てないし、甲斐性なしやし、一生金持ちなんかになられへんわ。

人間は精が抜けると死にたくなる。

全体を通して、自殺の理由らしきものを語った記述は、それだけだった。

それでも、自分の不甲斐なさを呪って死んだのではないか。

今の俺にはそう感じるのだった。



ハンバーガー屋で、潰せるだけ時間をつぶした。

コーヒーを飲み干し、仕事へ行った。

結局のところ、どこへも行けないのだった。

そして、反吐が出るような家へ帰るしかないのだ。


妻からメールが来た。

笑うしかなかった。

三つ。家の中の仕事をするように、簡潔に書かれているだけだった。


幻の光

深夜、妻と娘を迎えに駅へ行った。

何時頃、迎えに来れる。

電話の声はちょっと明るく感じられた。

久しぶりに、話しでもしたくなるような気分になった。

しかしそれは、用事を頼む時の媚びに過ぎなかった。

二人乗れば一杯になるような小さな車の内を、俺が手早く片付けている間、妻はずっと不機嫌な溜息を漏らし、眉間に皺を寄せていた。

無言で帰宅した。

妻が寝室へ入るなり、声が聞こえてきた。

布団がひきっぱなしだから、ひく手間が省けていいわね。

娘に話すように言いながら、実は俺に言っているのだと思った。

朝起きて、家を出た。

途中で水を買って、頭痛薬を定量の倍飲み込む。

一度、妻から電話があったがそのままにした。


車の中でじっとしていた。

甲斐性無し。

妻の言葉が頭の中に沸き上がる。

安い給料で家族に良い生活もさせられずに、家に居れば妻を苛々させる事しか出来ない男。

考えただけで、絶望感に苛まれる。



今、この文章を携帯電話で書いている。



現実から逃げ出したかった。

何か、読みたい。

ふと、幻の光が読みたいと思った。