「幻の光」 読了 | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

「幻の光」 読了

以前にブログで書いた「もうひとりの俺」 という記事がある。

そこへ、コメントをいただいた。

その記事の話が、幻の光を思わせるとあった。

そして、いつかは読んでみたいと思っていたのだった。

ちなみに「もうひとりの俺」 は、エイプリルフールということで捏ち上げた、うそ日記である。



幻の光

夫が自殺し、その理由がわからない女の話である。

読んでいて、嫌な気分になってきた。


なんだ、これ。


自殺の十日前にその夫が言った言葉がいつまでも、頭の中に焼き付いていた。

俺、中学しか出てないし、甲斐性なしやし、一生金持ちなんかになられへんわ。

人間は精が抜けると死にたくなる。

全体を通して、自殺の理由らしきものを語った記述は、それだけだった。

それでも、自分の不甲斐なさを呪って死んだのではないか。

今の俺にはそう感じるのだった。



ハンバーガー屋で、潰せるだけ時間をつぶした。

コーヒーを飲み干し、仕事へ行った。

結局のところ、どこへも行けないのだった。

そして、反吐が出るような家へ帰るしかないのだ。


妻からメールが来た。

笑うしかなかった。

三つ。家の中の仕事をするように、簡潔に書かれているだけだった。