春分の日だった3月20日(土)、館山に向かって外房を縦に伸びる伊南房州通往還歩きの第五回として勝浦から小湊までの区間を歩いた旅の記録、その4です。
本来は18kmほどの旅の予定が、今回は我ながら自分らしくない大失敗で結局25kmくらい歩いてしまいました。ルートは↓。
その3では、県道82号と付かず離れずの伊南房州通往還を歩き、勝浦市赤羽植野という集落にある東光寺という寺にお参りしたところまでをご紹介しました(↓再掲)。
街道に戻ると暫く平坦な道が続きます。
街道右側の道路わきの小さな神社の祠、舗装される前の時代からこの辺りの集落を見守っていたのでしょうか。
その先で再び夷隅川を渡ります。泥岩多めな地質のためか、河床も茶色っぽい気がします。
そこから先の街道脇には、けっこう大き目な民家が目立つようになりました。上野という集落に入ったようです。母屋の手前側はしっかりと房総スタイルですね。一応厨子二階になっているのかな。。
こちらは一階と二階がどいtらも房総スタイル風になっています。親子房総スタイル、、的な??
商店などは余り開いていないようですが、人の多い集落なのですね。
こちらもやはり厨子二階房総スタイルの古民家。一階の玄関脇の壁はトタン張りです。木枠の窓がシブいなあ。
こちらも房総スタイルですが厨子二階にしては上の層が薄すぎるし、厨子二階風ながら実は平屋?
そこから少し進んだところで旧街道はほぼ直角に左に曲がります。
この曲がり角を「古地図散歩」で見ますと、、赤い矢印の先でちょうど道が直角に曲がっているところがありますね。これが↑の写真の左直角カーブです。
そして現在の上野の集落は、地図上に「下植野村」とある通り、、元々は「植野」と表記されていたんですねえ。そして夷隅川も村の北の方を蛇行して流れていた感じがよく分かります。
その左直角カーブの地点の外側には巨大な屋根の茅葺被せ屋根の古民家がありましたが、生活している気配は感じられませんでした。
カーブの内側には採光窓の多めな、シブい床屋がありました。
こちらの床屋は入口にコロナ対策のアルコールも設置されていたのでしっかり現役で営業されているようです。
集落の中を進む伊南房州通往還。
ん?右端に何やら見切れてますね。
「腰古井」(こしごい)というブランドの酒を醸造する吉野酒造です。創業は天保年間(1830~)。
吉野酒造の手前左側には慈眼寺という寺があり、参道入り口には題目碑が立っています。
この(↓)写真を撮った直後、クルマで慈眼寺を訪れた檀家らしい人が境内に入ってそのまま寺の人と話をし始めたので、坂下でお参りして街道に戻りました。
ではゆっくりと吉野酒造を見学させて頂きましょう。以前大原で見かけた木戸泉酒造と同様に、重厚な建物とレンガ造りの煙突が見えます。
中に入って長く見学しようと思っていたのですが何と見学はお休みの日で、門扉が閉ざされていました(´·ω·`)。
四方出桁造りの「スーパー房総スタイル」みたいな巨大な母屋がひときわ存在感を放っています。
反対側、塀の隙間から見てみても何ちう立派な母屋でしょう。
そのまま街道を進み一旦坂を登って下りて行くと、丁字路の信号交差点の左奥の角に茅葺被せ屋根仕様の古民家がありました。
道路に面した部分が妙に広く木戸になっているので何か店舗をやっていた可能性もあるかも知れません。
先程の交差点を直進してそのまま進んで行くと、街道の奥の方にも超大型屋根の古民家が見えました。
この辺りでも歩道はないですがクルマ通りは多くないのでそれほど困ることはありません。
その先緩い坂を登りながら左にカーブして行くと、街道右側に伸びる道のある丁字路とその角に立つ石塔(赤で囲ったところ)が見えました。
この石塔は、この丁字路を1km弱進んだところにある妙久寺という日蓮宗のお寺の題目碑でした。
800mでは遠すぎるのでこちらもパス。
そのすぐ先の街道左側には薄緑の廃屋らしき家があり、そのすぐ先に県道から斜め左に入る道があり、それが伊南房州通往還の旧道です。
再び古地図散歩を利用して、まずは現代のGoogleマップを見てみましょう。めっちゃ見にくいですが、赤い矢印の部分で県道から南南西方向に外れて迂回しているのが旧道です。
同じ場所を同じ縮尺の古地図に切り替え、県道の通っているコースを水色の線で表したのが↓。
今の県道ルートはかなり夷隅川の流れに近いので、当時の土地の造成技術では真っすぐ進めるようにはできなかったということかな?と想像しました。
県道から外れると農道っぽい未舗装の道に入ります。イメージ的には個人宅に入っていっちゃいそうですねえ(;^ω^)。
その先でY字路に出るので右側(手前側)の道を進みます。そうでないと個人経営の会社の敷地に入ってしまうようです。
ほぼ農道レベルの道ですが、これは間違いなく古地図散歩にも記されている旧道の痕跡。
ほどなく県道に合流します。もちろん街道の進行方向は左ですが、ちょっとお参りがてら休憩で寄りたいところがあるので一旦右方向に進むことにします。
長閑な旅が続きますが、この旅の続きはその5でご紹介します。
(まだまだつづく)