早いもので、11月に今の仕事に転職してから3ヶ月が過ぎました。


思い返せば、最初のころは全く仕事のやり方がつかめず、クライアントに出す資料の1枚も作れなかったのが、今は仕事の進め方にも慣れ、まだまだ一人前とは言えないまでも、資料を作ったり議論に参加するなかである程度の貢献ができるようになってきました。


さすがに入社直後というのは全てが新しい状態ですから、成長して当然という感じもするのですが、戦略コンサルの業界で働くことの厳しさの一つに、どのようなフェーズであっても常にこの「自己成長」が求められるということが挙げられます。


しかも、その成長のスピード(傾き)が落ちないことが求められ、そのスピードについていけなくなったり、あるいは成長のモチベーションが維持できなくなった時点で、実質的には、この仕事から去らなければなりません。この成長のプレッシャーは相当きついものがありそうです。


一般的に「S字曲線(学習曲線)」といわれるように、一つのことに取り組むと、最初は成長(習得)のスピードが上がっていくが、どこかでそれがピークに達して成長のスピードが落ち始め、最後にはある一定の水準で飽和するようになります。


成長が飽和しないようにするためには、成長のスピードがピークを迎える前に、常に新しいS字カーブ(課題)に移って行かねばなりません。つまり「常に新しい課題に直面し克服している」という状態を継続しなければなりません。


確かに、より上位のポジションについている人を見ていても、いわゆる「出世上がり」というような状態の人はおらず、ポジションが高い人は高いなりの挑戦を日々されているのが伝わってきます。


考えてみれば、戦略コンサルティングという職業は、医師や弁護士や会計士などの、いわゆる「士業」ではありません。それでいて、クライアントから決して安くはないフィーをいただくためには、クライアントだけでは出せない質の高いアウトプットを生み続けるしかありません。


そのためには、もともとポテンシャルの高い人間をさらに極限まで成長させて、自己浄化作用も働かせながら、他のどこにも引けをとらない集団にしていく必要があるのでしょう。


ただ、こう書くと厳しさだけが強調されますが、一方で、自己成長をサポートする仕組みは手厚く整っていると思っています。もちろん、それをどう使うも使わないも自己責任なのですが、ソフト面、ハード面含めて、否応無しに成長せざるを得ない環境で働けるのは、ある意味では贅沢なことです。


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1週間が終了

小さな拠りどころ

初打席は犠牲フライ



最近、急に白髪が増えたような気がしています。特に側頭部はよく目立ちます。


考えればもう後○年で40歳という年齢なので、さもありなんとは思うのですが、ここ数ヶ月で増えるペースが速くなったような感じがして、ちょっと気になっています。


白髪の原因についてWebで調べてみたところ、1)加齢によるもの、2)生活の乱れ(睡眠不足)、3)栄養のバランスの乱れ、4)遺伝によるもの、5)精神的ストレス、などいくつかの原因が書いてありました。


このなかで、「最近急に増えた」ということで当てはまりそうなのが、2)と3)です。


今の仕事もだいぶ慣れてきて、精神的なストレスはほとんどなくなったのですが、一方で仕事がハードになると、どうしても睡眠時間が減りがちになります。


また、食事についても栄養のバランスをとろうと心がけてはいるのですが、外食が多くなると、どうしても偏ってしまうのかもしれません。


まあ、白髪が増えたといっても見かけだけの話であれば別に気にしないのですが、体に無理をきたしているサインだとすれば、それなりにケアしなければならないかなあと思っています。


以前の記事で時間の使い方について書きましたが、今出来ることといえば、仕事の生産性をあげて、なるべく早い時間に仕事を切り上げ、しっかり寝ることです。


シニアコンサルタントの人が「生産性の高い状態を継続するためには、しっかりと睡眠をとることも仕事のうちだ」と言っていました。その通りかもしれません。


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時間を管理する




最近時事ネタが多くなっていましたが、今日は新日鉄と住金の経営統合の話題です。


かねてから日本企業がグローバルな競争化で勝ち残っていくためには規模の拡大が必要だと考えており、そういう意味では両者による今回の決断を応援したいと思っています。


しかし、両者によるプレスリリースを読むと少し不安がよぎってしまいます。全体的に「きれいごと」が多いということと、特に冒頭で「今後、両者は統合に向けた検討を、対等な精神に則り進めてまいります」と書いてあるところで、大いに引っかかりました。


この両者を比べると、売上高も、生産量も、利益率も、資本金も、従業員も、株式時価総額も全て新日鉄のほうが上です。よって、普通に考えれば、統合後の会社、あるいはこの統合のプロセスそのものは新日鉄が主導する形になるのが自然です。


しかし、強者が弱者を飲み込むという構図では統合相手の住金側が話し合いのテーブルに乗ってこないでしょうから、今回のような統合ケースでは「対等の精神」が金科玉条のように扱われ、よって、プレスリリースの冒頭にそれがわざわざ書かれるようになります。


ただし、私も前職で事業統合の経験をしましたが、「対等の精神」の結果、コスト、特に固定費が「1+1=2」のような統合となったとすれば、それは失敗の元になります。プレスリリースでは、ただ一文だけ「経営資源の集中と再編成を行うことで更なる効率化と製造基盤の強化を図ります」とありますが、これが非常に重要になってきます。


事業統合の目的は一言で言えば何かといわれれば、私は「(両者の単純合計よりも)損益分岐点を下げること」と答えます(もちろんシェアの拡大や顧客基盤の拡大といったことも重要なのですが・・・)。つまり、固定費を両者の単純合計よりも少なくして、そして調達シナジーにより変動費率を下げるということです。これにより、より利益率の高い会社になり、また景気変動に左右されにくい強い体質の会社になるわけです。


幸い、今はグローバルには鉄鋼需要が伸びており、旧来の製造設備の統廃合ということよりも、最も需要の伸びている地域に最新鋭の高効率なミル(製鉄所)を作るというほうが、経営課題の優先度が上がっていると思うのですが、今後その需要が一巡したときには、古く老朽した効率の悪い工場の扱いが必ず議論の的になります。


また人員についても同じです。特に間接人員を中心に十分にスリム化してから統合しなければ、景気変動で収益性が低下したときに、そこで人員整理を行う羽目になってしまいます。


まだ両者はLOI(統合協議に向けた意向確認書)を締結しただけで、これから合併比率や経営陣の構成、統合事業計画の作成など、統合にむけた肝になる部分の協議が待ち受けています。


ここで、「対等の精神」を持ちながらも、実質的な主導者である新日鉄がリーダーシップを発揮して、思い切った施策を織り込むことができるかが成否を分ける鍵かと思います。


これはどちらか一方だけが一方的に身を削るのではなく、お互いがそれぞれ贅肉をそぎ落としてスリムにならなければなりません。思い切ったことをやろうとして統合が破談になるようであれば、そもそも一緒になったとしてもうまくやっていけません。


もし、思い切った施策が打てずに、もし「きれいごと」ばかりの統合計画のままでスタートするならば、統合後に大きな苦しみを味わうことになる可能性が高いと思っています。




前回の記事では林原の経営破たんについて書きましたが、そこでも触れたように、林原は「戦略的非上場」という方針を掲げて、株式市場とは少し間をおいて、長期的スタンスで基礎的な研究開発を行ってきました。


結局は経営破たんをしたわけで、結果論としては適切な内部統制が働かなかったなどのマイナス面が露呈してしまったわけですが、会社のあり方として、「上場をしない」という選択肢も当然ありだとは思っています。


そういう点において、最近上場企業がMBO(マネジメント・バイ・アウト:経営陣による自社の株式取得)によって非上場化する動きが目立っています。


昨日はTSUTAYAを展開するCCC(カルチュア・コンビエンス・クラブ)がMBOを発表しましたし、今日は、アート引越しセンターを展開するアートコーポレーションがMBOを発表しました。


一昔前までは、会社を起業したら最後は上場することが目標というような考えがありましたが、冷静に今の状況を振り返ってみると、上場するメリット、あるいは上場企業が上場を継続するメリットが少しずつ少なくなってきているのかもしれません。


ざっと思いつくだけで、非上場を選択する以下の4つのような理由が思い浮かびます。


1)資金需要がない。国内人口が減少し、長期的には国内の需要が伸び悩むか減少することが予測されている中で、海外に展開することを選択せず国内を中心に事業を展開する企業にとっては、株式市場から調達するほどの新たな資金需要が今後見込まれない


2)経営の自由度を増す。上場廃止して、プライベートカンパニーとなることで、取締役の選任や、M&Aに関わる次項など、株主総会の決議を要するような事項をよりスピーディーにかつ自由に行うことが出来る。(企業の上場子会社を100%子会社化する時は、主にこの理由によります)


3)上場を維持するコストが増えた。一昨年度から日本でもJ-SOX法が適応され、内部統制に関するコストと工数が増大しました。会計監査法人にはこれまで以上に多くのフィーを払わなければならないですし、企業の内部でも、内部統制に関わるプロセスの整備やのリスクの管理などが強く求められるようになりました。


4)銀行から借りたほうが金利が安い。上場して資本市場から資金調達を行った場合には、配当など一定のコストがかかります。長引く低金利の影響で、企業によっては株式市場からの直接金融で資金を調達するよりも、銀行からの間接金融で調達したほうが資本コスト(ようは金利)が安い場合があります。


このような理由から、非上場を選択する企業が今後とも増えることが予測されます。


一方で、林原の例を見るまでもなく、非上場企業には自律的な統制機能が必要です。そこがルーズになると、経営陣による暴走という悲劇が待ち受けています。


そもそも、株主というのは会社のステークホルダーの一部でしかありませんし、上場して企業価値を高めることが企業の唯一最大の目的ではありません。


もちろん、事業をスタートする上では資金が必要ですし、それを提供するのは株主です(個人出資も含め)。しかし、株主の預託を受けて経営を行う経営者は、お客様に目を向けて、そして従業員の力を最大限に引き出して、社会に対して継続的に付加価値を提供し、社会から必要とされる会社であり続けるることが本質的には重要です。


そういう意味では、上場を廃止してプライベートカンパニーを目指す企業は、株式市場というパブリック(公)な目が届かないわけですので、従業員や顧客により一層目を向けて、厳しく自らを律していかなくてはならないと思います。


ちなみに余談ですが、最近のMBOの流れは、上記のような純粋な目的以外に、景気低迷でM&Aが下火になり業績が伸び悩む証券会社が、MBOを次の収益源として目をつけて、上場企業に積極的に働きかけている結果かもしれないなあとも思っています。


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林原が経営破たん



林原が会社更生法の適用を申請したというニュースが流れていました。


「トレハロース」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、これはショ糖(スクロース)や乳糖(ラクトース)と同じ二糖類に含まれる糖類です。現在は多くの食品、化粧品、医薬品の原料として用いらていますが、もともとは量産が難しく、非常に高価なものだったようです。


それが、林原がデンプンからの量産技術を開発したことで、価格が10分の1とか100分の1にまで下がり、その用途が大きく広がりました。そのため、これは同社がほぼ独占供給状態にある製品です。


非上場であるために経営状態が良くわからない会社であるものの、水飴の製造に端を発する老舗のバイオ企業で、研究開発力も強く、上記のような強い商品を持っている優良企業というイメージがあったために、このニュースを見たときは正直驚きました。


詳細はよくわからないですが、ニュースを見る限り本業での失速というよりは、保有不動産を担保にした融資にに過度に依存したことによって債務超過に陥るという、ある意味バブル期を彷彿とさせるお粗末な内容のようです。


上記に書いたように、同社は研究開発が強い会社であり、実際多額の研究開発費用を投じているようなのですが、それを毎年のキャッシュフローの範囲内でなく、不動産を担保にした融資によってまかなっていたようです。しかし、一昨年のリーマンショック以降の不動産価値の下落の影響で資産価値が減少し、結果として債務超過に陥ったものと思われます。


同社は「戦略的非上場」という方針を掲げています。これは、短期の成果を求める傾向にある投資家と一線を隔て、長期の視点で研究開発を継続的に行うということです。


この方針自体はすばらしいもので、新しい企業のあり方を示す良い例になってほしかったのですが、一方で、創業者経営者による独裁的な経営だとか、一部では不正経理や粉飾決算があったと言われています。


上場しないということで、企業統治や管理がずさんになってしまっては本末転倒です。