以前の記事で、今の仕事は一つのことに集中して考えることができるため、恵まれた環境であるということを書きました。


確かに今の状態では、自分のほぼ全ての時間を今アサインされているプロジェクトのために使えますので、長時間一つのことに集中して考えるということもできます。


一方で最近会社内で指摘されたことなのですが、時間がたくさんあると思うとその管理がルーズになり、仕事の生産性が落ちてしまいます。特に会議もあまり入っておらず、一日の多くがフリータイムであるような場合は、やることがたくさんあったとしても、だらだらと時間をすごしがちになります。


また、「いつまでにどのレベルのことをしなければならないか」という意識が薄くなるために、「時間切れになったのに求められるレベルに達していない」とか、逆に「できるまでいくらでも時間をかけてやってしまう」というようなことになりがちです。


確かに、以前の仕事では比較的会議が多く、また管理職の宿命ですが、いろいろな納期の仕事(いわゆる雑用系)が次々と入ってくるため、予定表(Outlook)を見ながらどこで自分の時間を確保できるか、あるいは、予定表を見なくとも頭の中でいつごろ何をしようかという時間の組み立てをしていました。


それが転職してからは、もちろん仕事が変わってまだ自分の仕事内容を十分にコントロールできていなかったということもありますが、そういった時間管理を完全におろそかにしていました。


早速、指摘をうけて先週からはじめたのは、以下の3つのことです。


まず1つ目は、1週間単位で大まかな作業の工程表を決めることです。今の私の場合だと、プロジェクトリーダーと相談しながら、クライアントとのミーティングや社内での重要なミーティングをマイルストーンにして、資料に入れ込むべき大項目とその作業の進め方のイメージをあわせていきます。


2つ目は、全体の工程表に基づいて、自分のやるべきことを作業単位に分解して、それぞれについて、どのレベルのアウトプットを出す必要があるか、それは何時間(何分)でやるべき仕事か、あるいは何時間でできそうかを予め考えて、一日の予定表をびっしりと埋めてみます(準備や段取りなども含めて)。 いきなり予定をたてるのが難しければ、「やったこと」を予定表に入れていくこともオススメです。そうすることで、自分がどの仕事にどのくらいの時間をかけているかを把握することができます。


そして最後ですが、それぞれのタスクをやり終わったら、予定通りの時間でできたのか、あるいはどの程度余分に時間がかかったのか(あるいは早めに終わったのか)を簡単にレビューします。このときに、詳細な分析は不要で、「だいたい予定通りだな」「2時間も余計に時間がかかった」というイメージを頭の中に入れるだけでも十分です(そうやって頭の中に繰り返し記憶させていきます)。そうすることで、予定を立てる精度が上がってきます。


初めてまだ数日ですが、たったこれだけのことで、時間の使い方の効率が劇的に改善しました。自分の時間を自分でコントロールできているという意識を強く持つことができ、「なんとなく仕事をしている」という無駄な時間が大幅に減った気がします。


これを続けていけば、このブログを書く時間も、毎日30分とか決めて計画的に時間が取れるようになるかもしれません。(まだ難しそうですが・・・・)


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一つのことに集中して深く考える



さて、予定外に長くなってしまったこのタイトルの記事ですが、今回が最後です。





前回の記事では、テレビを例にとって、既存の事業モデルから収入を最大化するにはどうすればいいか、考えました。今回は、新しい収入を得るためにはどうすればいいかを考えます。(注:テレビ局には広告収入以外の収入もあるのですが、ここでは簡単のために広告以外を「新しい収入」とします)





こういう時に、マトリックスをつかって考えると便利です。一つの軸に、プラットフォーム(すなわちテレビ放送網かそれ以外か)、あと一つの軸に収入の種類(広告かそれ以外か)をとると、新しい収入源というのは3つに分類されます





1)テレビ放送網というプラットフォームを用いて広告以外から収入を得る


2)テレビ放送網以外のプラットフォームにおいて、広告収入を得る


3)テレビ放送網以外のプラットフォームにおいて、広告以外から収入を得る





1)について考えると、これはNHKのように、コンテンツそのものに課金するという方法があります。しかし、テレビというのは(NHKを除いて)基本的にタダで見られるという概念が浸透している中で、民法各社が課金に踏み切るのは難しいと思いますし、何より、有料放送に広告が流れるというのはタブーですから、広告以外から収入を得ようとして母屋の広告収入を失うという本末転倒の事態になってしまいます。よって、この選択肢は現実的ではありません。





2)について考えると、たとえば、YouTubeのような動画配信サイトに無料で見られるチャンネルを開設し、そこに流すコンテンツを制作して広告(CM)を組み込むという方法です。あるいは、自社で動画配信サイトを立ち上げてしまって、そこのサイト上で広告を表示して収入を得るということが考えられます。





3)について考えると、たとえば自社自前で動画配信サイトを作って、ドラマの第1回は無料で見られるようにして、2回目からは有料にするというようなやり方が考えられます。





個人的には、2)と3)の組み合わせで収益を確保するのが現実的だろうとは思いますが、次の論点として、それでいくらの収入になるのかという課題があります。





たとえば3)についていえば、NHKはWeb上で有料でコンテンツが見れるサービスを開始していますが、ほとんど利用されていないのが実態です。つまり、よっぽど魅力的なコンテンツにしなければ、視聴者はお金を払ってまで映像コンテンツを見ない可能性があります。





また、2)についていえば、たとえば、月間450億~500億という日本最大のPV(ページビュー)を誇るYahoo(日本)の広告関連売上高は年間約1500億円です。また、モバイルとPCをあわせて月間300億PV(ページビュー)を誇るMixiの広告収入は年間約100~150億円です。これに対し、フジテレビの放送(広告)収入は年間約2500億円です。その他の在京キー局も、概ね2000億円前後の放送(広告)収入を得ています。こう考えると、ネットでテレビCMなみの広告収入を上げるのは非常に困難であるといえそうです





いろいろ書きましたが、結局は前回の記事で書いたように、今のテレビ広告からの収入を維持しながら、上記2)3)という手段について試行錯誤をするなかで、そこからの収入を最大化すべし、というのが考えた結果となります。





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・構造不況に陥るマスコミ業界(1)


・構造不況に陥るマスコミ業界(2)


・構造不況に陥るマスコミ業界(3)



これまで2回にわたって、構造不況に陥りかけているマスコミ業界の現状と、それを踏まえたリストラ(事業再構築)の必要性を書きました。


ただ、前回の記事でも書いたように、本当の意味での「リストラ」というのは、これらの改革を行って筋肉質な体質になった後に、提供する商品/サービスを再定義し、自らの強みを基に新たな市場を開拓し、事業を再び成長軌道に乗せることです


そういった観点で、今回はテレビを題材にして、再び売上げを拡大していくにはどうすればいいかを考えてみたいと思います。


このようなことを考える場合、すぐに「新しいビジネスを立ち上げなければだめだ」というような発想になりがちなのですが、まず考えるべきことは、既存の事業の売上げを拡大するにはどのようにすればいいかということです。テレビの場合では、テレビ放送網というプラットフォームでの広告収入を拡大するにはどうすればいいか、ということです。


そうするとその方法は、時間当たりの広告単価を上げる(=広告の魅力を高める)ということと、広告時間を増やすということが考えられます。しかし、後者については、TVの広告効果が薄れて広告収入が減っている現状では魅力的な打ち手ではありません。時間を増やしても広告主が集まらないか、あるいは時間当たり単価を下げることになってしまうからです(あるいはHDDレコーダーでCMがスキップされるだけでしょう・・・)。


つまり、ここではいかにして広告の魅力を高めることができるかが論点となります。これも二つに分解できて、より多くの視聴者を獲得する(=視聴率を上げる)ことと、同じ数の視聴者に届けたとしても、よりその効果を高めるようにする、ということが考えられます。


このうち前者の視聴率を上げるというのはあまり有効な策ではないと思われます。なぜなら、これは広告単価を高める「王道」であり、これまでずっとそのための取り組みがなされていたと考えられるからです。つまり、あまり改善の余地がないと思われます。


そうすると、残された策である「広告の効果を高めるにはどうすればいいか」がここで考えるべき論点となりそうです。


ここで、今のテレビ広告の強みと弱みを改めて考えてみたいと思います。強みは、「数百万人(あるいは数千万人)」に、「インパクトのある映像と音声」とともに、伝えたいメッセージを「同時に」「プッシュ(自動的に配信される)」で届けることができるということです。このようなことができる広告手段は他になく、これがテレビCMの強さの源泉です。


一方で、Webとちがって一方通行であることが弱みとなります。つまり、CMに対してどのような視聴者がどの程度反応したのかがわからず、広告主からすれば、メッセージがちゃんと伝わっているのかどうかがわかりにくいということです。


とすると、この弱みを克服できれば、テレビCMはより効果の高い、魅力的な広告手段となりえます。たとえば、テレビと他のメディアを組みあわせ、CMを見て関心をもった人が、テレビのリモコンのあるボタンを押せば、テレビ局側にその情報が伝えられ、予め登録したメールアドレスにWebサイトのリンク先が届くというような仕組みです(あくまで例であってこでが唯一無二の答えであると言っているわけではありません)。


テレビ放送がデジタル化された現在、そしてTVがネットにつながっている現在、視聴者の属性情報や、CMの反応率テレビ局側がつかむというようなことは、仕組みとしては可能です。もちろん何らかの課題や障壁もあるのでしょうが、取り組む価値はあると思います。


さて、また長くなってしまいましたが、最後に、既存の事業ではなく、新たな収益源を探るということについて、次回の記事で書きたいと思います。


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構造不況に陥るマスコミ業界(2)

構造不況に陥るマスコミ業界(1)


注釈)

記事中で、テレビCMを「プッシュ」と書きましたが、混乱してはいけないので補足します。


マーケティング手法としてテレビを捉える場合は、通常「プルマーケティング」の範疇に入ります。すなわち、営業マンなどをつかって直接消費者に訴えかける(プッシュ)のではなく、宣伝によって消費者に関心をもたせて店に向かわせる(プル)ということです。


一方で、メディアとしてみた場合に、テレビCMは「プッシュメディア」と位置づけられます。すなわち、自らの意思がなくても情報が届けられる(悪く言えば垂れ流される)ということです。一方で、Webの検索連動広告などは、「検索する」という行為(あるいは意思)によって広告が表示されるため、プルメディアと位置づけられます。



前回の記事では、マスコミ業界が構造不況に陥っているということを書きました。今回は、そのような状況にあるマスコミ業界が今後直面するであろうことを書きたいと思います。


かつて、鉄鋼、半導体、銀行など、構造不況に陥った業種が業績回復のために行ってきたことはある程度共通点があります。つまり以下のようなリストラを行うということです。


・過剰な生産能力を削減して固定費を削減する

・M&Aにより企業規模を拡大し、競争力の確保と経営の効率化を目指す

・会社の規模や収益性にあわせて人員削減や賃金体系の変更などを行い、総人件費を削減する


問題は、マスコミ業界がそれを断行できるかということです。もともと(今も)花形業種ですので、まだ経営陣の危機意識は薄いのではないでしょうか。また従業員もプライドをもっていますので、上記のような話には相当の心理的抵抗があると思います。


つまり、一部の危機意識をもった人はいるけれども、会社としてはここ数年は目に見える大きな改革ができないということが考えられるわけです。


幸い過去に蓄積されてきた利益のために、テレビや新聞社の財務状況は比較的健全で、いま赤字を出したからといってすぐにつぶれるという可能性は低いです(「ゼロ」とは言えませんが)。逆に言えば、そういう体力のあるうち(=とれる選択肢が多いうち)に、10年後を見据えて危機意識を持ちながらいち早く改革を進められるかが勝負になると思います。


そして、本当の意味での「リストラ」というのは、これらの改革を行って筋肉質な体質になった後に、提供する商品/サービスを再定義し、自らの強みを基に新たな市場を開拓し、事業を再び成長軌道に乗せることです


ではどのようにビジネスを再構築していくかですが、これについては、次回の記事で書くことにします。


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構造不況に陥るマスコミ業界(1)









先々週に発売の週刊ダイヤモンドで、気になる記事があったため、思わず買って読んでしまいました。

それは新聞・テレビ各社の苦戦ぶりで、この数年はマスコミ業界の各社の収入が減少傾向となり、昨年度は創業(開局)以来の赤字に陥るところも出てきたということです。

「マスコミ業界」の収入源は、大きく分けると「広告」と「コンテンツ」の2つとなりますが、それぞれのを個別に見ていくと、まず広告については、リーマンショック以降、企業が広告宣伝費を大幅に削減し、テレビ・新聞などのマスメディア企業の広告費収入は大幅に減少しました。

テレビについてはNHKを除いてコンテンツそのものは無料であり、基本的に広告収入に頼るビジネスモデルです。また、新聞も1/3割近くを広告に頼っています。よって広告収入の減少は、マスコミ業界の収入に大きな影響をもたらします

また、新聞の場合は広告収入の他に月額の購読料によりコンテンツそのものからの収入を得ています。しかしネットでニュースが手に入れられる現在、新聞の発行部数は減少傾向にあるためコンテンツ収入も減少しており、新聞社の収益を圧迫しています。

で、ここからが重要なのですが、このマスコミ業界の収入減少の傾向はいわゆるリーマンショックによる一時的なものではなくて、今後とも長期的に続くことが予想されている点です。

これには2つの理由があって、一つ目の理由は、今のマスコミ業界のビジネスモデルは典型的な内需向け産業であるため、日本全体の人口減により、広告、コンテンツともに長期的に市場が縮小する見込みだからです。

もう一つはネットビジネスの拡大により、企業の広告宣伝費の使い方に変化が起きており、マスメディアよりはネット上に、さらにネット上でも従来のようにバナーで垂れ流すのではなく、ソーシャルメディアを用いたよりミクロな方法へと質的な変化を遂げているからです。

これまでマスコミというと、華々しいイメージと収入の高さから学生の就職ランキングでも上位に入る人気業界でしたが、このような事業環境を考えると、今後は「構造不況業種」というレッテルが貼られかねない状況なわけです。

では、このような状況に陥ったマスコミ業界が今後直面することを少し考えてみたいと思いますが、長くなりましたので、続きは次回にします。