2019年ブゾーニ国際ピアノコンクール 室内楽ファイナル 第1日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

イタリアのボルツァーノで開催されている、ブゾーニ国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

9月3日は、室内楽ファイナルの第1日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

オン・デマンド配信も聴ける(No.1)。

ちなみに、2019年ブゾーニコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

2018/2019年ブゾーニ国際ピアノコンクール 予選開催中

2018/2019年ブゾーニ国際ピアノコンクール 予選通過者発表

セミファイナル 第1日

セミファイナル 第2日

セミファイナル 第3日

ソロファイナル 第1日

ソロファイナル 第2日

 

 

なお、以下はいずれもダヴィッド・オイストラフ弦楽四重奏団との共演である。

 

 

1.

Valentin MALININ  (25/08/2001 Russian Federation)

 

D. SHOSTAKOVICH Quintetto op. 57

 

ピアノはスタインウェイ。

硬質かつロシアらしい音色といい、シャープでキレのあるタッチといい、ショスタコーヴィチにぴったり。

第3楽章も、かなりの高速テンポでありながらほぼ完璧に弾きこなしており、見事(途中に出てくる右手オクターヴの急速な上行音型で、少し外しているのが惜しいけれど)。

 

 

2.

Shiori KUWAHARA  (11/10/1995 Japan)

 

R. SCHUMANN Quintett op. 44

 

ピアノはスタインウェイ。

この曲にふさわしい充実感、躍動感の感じられる名演(第3楽章などとりわけ鮮やか)。

そして、力強いだけでなく、歌心にも欠けない。

急速な音型や伴奏の音型であってもさらりとよく歌えており、この曲にありがちな力任せの演奏になっていない。

 

 

3.

Giorgi GIGASHVILI  (12/11/2000 Georgia)

 

D. SHOSTAKOVICH Quintetto op. 57

 

ピアノはスタインウェイ。

先ほど同曲を弾いたValentin MALININが冷静で無機的な演奏だったのに対し、こちらは随所にアクセントやルバートを入れて味を出した、より人間臭い演奏となっている。

ただ、完成度の点では一歩譲り、第3楽章などValentin MALININと同じくらい速いものの、タッチコントロールの精度は劣る。

 

 

そんなわけで、第1日の演奏者のうち、私がグランドファイナルに進んでほしいと思うのは

 

Valentin MALININ  (25/08/2001 Russian Federation)

Shiori KUWAHARA  (11/10/1995 Japan)

 

あたりである。

次点で、

 

Giorgi GIGASHVILI  (12/11/2000 Georgia)

 

あたりか。

 

 

次回、第2日(9月4日)は室内楽ファイナルの最終日。

桑原志織、前回(2017年)のブゾーニコンクールでのEunSeong Kimのように(その記事はこちら)、ソロはすごいが室内楽は苦手ということもありうるかと心配していたが、室内楽もこれだけ弾けるとは。

彼女にはぜひグランドファイナルに進出し、コンチェルトの名演を聴かせてほしい。

 

 


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