2019年ブゾーニ国際ピアノコンクール ソロファイナル 第2日 および結果発表 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

イタリアのボルツァーノで開催されている、ブゾーニ国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

9月1日は、ソロファイナルの第2日(最終日)。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

オン・デマンド配信も聴ける(No.3No.4)。

ちなみに、2019年ブゾーニコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

2018/2019年ブゾーニ国際ピアノコンクール 予選開催中

2018/2019年ブゾーニ国際ピアノコンクール 予選通過者発表

セミファイナル 第1日

セミファイナル 第2日

セミファイナル 第3日

ソロファイナル 第1日

 

 

1.

Vitaly STARIKOV  (08/05/1995 Russian Federation)

 

BACH/BUSONI Praludium und Fuge BWV 532

T. ADÈS Mazurkas for piano op. 27

L. V. BEETHOVEN Sonata n. 23 op. 57

F. LISZT Reminiscences de Don Juan S.418 (ed. F. Busoni)

 

 

2.

Giorgi GIGASHVILI  (12/11/2000 Georgia)

 

BACH/BUSONI Choralvorspiel n. 3 "Nun komm der Heiden Heiland" BWV 659

A. SKRJABIN Sonata n. 9 op. 68

M. URQUIZA Contrapluma

L. V. BEETHOVEN Sonata n. 30 op. 109

S. PROKOFIEV Sonata n. 7 op. 83

 

 

3.

Sergey BELYAVSKIY  (02/11/1993 Russian Federation)

 

T. ADÈS Mazurkas for piano op. 27

L. V. BEETHOVEN Sonata op. 57

BACH/BUSONI Adagio BWV 564

S. PROKOFIEV Sonata n.6 op. 82

 

 

4.

Giovanni BERTOLAZZI  (03/03/1998 Italy)

 

A. NANTE Invocation

L. V. BEETHOVEN Sonata n. 21 op. 53

BACH/BUSONI Choralvorspiel n. 2 "Wachet auf, ruft uns die Stimme" BWV 645

S. RACHMANINOV Sonata n. 2 op. 36 (1931)

 

 

5.

Nicolò Ferdinando CAFARO  (02/03/2000 Italy)

 

BACH/BUSONI Choralvorspiel n. 5 "Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ" BWV 639

L. V. BEETHOVEN Sonata n. 26 op. 81

L. PAGLIEI Uno: Courbes

J. BRAHMS Fantasien op. 116: n. 2 Intermezzo, n. 3 Capriccio, n. 4 Intermezzo

S. PROKOVIEV Sonata n. 7 op. 83

 

 

6.

Emanuil IVANOV  (06/11/1998 Bulgaria)

 

T. ADÈS Mazurkas for piano op. 27

L. V. BEETHOVEN Sonata n. 3 op. 31

BACH/BUSONI Choralvorspiel n. 3 "Nun komm der Heiden Heiland" BWV 659

J. BRAHMS Variationen über ein Thema von Händel op. 24

 

 

まだざっとしか聴けていない人もいるが、第2日の演奏者のうち、私が室内楽ファイナルに進んでほしいと思うのは

 

Nicolò Ferdinando CAFARO  (02/03/2000 Italy)

Emanuil IVANOV  (06/11/1998 Bulgaria)

 

あたりである。

次点で、

 

Vitaly STARIKOV  (08/05/1995 Russian Federation)

Giorgi GIGASHVILI  (12/11/2000 Georgia)

Giovanni BERTOLAZZI  (03/03/1998 Italy)

 

あたりか。

Giorgi GIGASHVILIとGiovanni BERTOLAZZIの2人が、クセが強かったり粗かったりする点で他よりもやや劣るかと思いきや、意外にも独特の味が出せている。

結果的に、第1日と同様、皆が実力伯仲することとなった。

 

 

第1、2日を併せて、室内楽ファイナルに進める人数である6人を選ぶとすると

 

第1日

Marek KOZAK  (08/06/1993 Czech Republic)

Shiori KUWAHARA  (11/10/1995 Japan)

Valentin MALININ  (25/08/2001 Russian Federation)

 

第2日

Giovanni BERTOLAZZI  (03/03/1998 Italy)

Nicolò Ferdinando CAFARO  (02/03/2000 Italy)

Emanuil IVANOV  (06/11/1998 Bulgaria)

 

あたりになる。

ただ、悩ましい選択であり、他の人が選ばれてもおかしくない。

 

 

 

 

 

さて、ソロファイナルの実際の結果は以下のようになった。

 

【室内楽ファイナル進出者】

 

第1日

Shiori KUWAHARA  (11/10/1995 Japan) ○

Valentin MALININ  (25/08/2001 Russian Federation) ○

 

第2日

Giorgi GIGASHVILI  (12/11/2000 Georgia)

Giovanni BERTOLAZZI  (03/03/1998 Italy) ○

Nicolò Ferdinando CAFARO  (02/03/2000 Italy) ○

Emanuil IVANOV  (06/11/1998 Bulgaria) ○

 

 

なお、○をつけたのは私が室内楽ファイナルに残ってほしかった6人の中の人である。

6人中5人。

ほぼ完全に満足のいく結果だった。

桑原志織も堂々の通過である。

2015年ショパンコンクールのファイナリストだったGeorgijs OSOKINSは落ちてしまったが、彼のような個性派ピアニストはいわば諸刃の剣であり、仕方ないだろう。

 

 

さて、誰が優勝に近いか、全く分からない。

今のところ、Valentin MALININとEmanuil IVANOVの2人が、曲ごとの出来不出来のムラが少なく完成度が高い印象であり、Nicolò Ferdinando CAFAROあたりがそれに次ぐか。

一方で、上にも挙げたGiorgi GIGASHVILIとGiovanni BERTOLAZZIの2人が、完成度は劣ったとしても独自の存在感を示して上に行く可能性も十分に考えられる。

しかし、私の中で最も強く印象に残っているのは、桑原志織である。

彼女の弾くペトルーシュカやシャコンヌの鮮やかさは忘れがたい。

室内楽ファイナル以降もぜひ名演を披露し、優勝を狙ってほしいところである。

 

 

次回、室内楽ファイナルの第1日は、9月3日の20時半に予定されている(日本時間では9月4日の早朝3時半)。

 

 


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