◾️日本ハム渾身の? 〜フォアグラの代替品を食べてみました。
ネットニュースか何かで見つけた、大手ハムソーメーカー日本ハムさんの取り組み、フォアグラの代替品「グラフォア」の開発プロジェクト。一応フレンチシェフとして興味があったので買ってみました。https://www.makuake.com/project/grasfoie/で、先週製品が届いたので実食レポート。買ったのは、日本ハムグラフォア基本セット。お値段は、定価は3,218円。早割20%OFFで2,574円。内容は、グラフォア30g ×4枚とソース50g ×2袋。以下の画像のセットが2セット入ってます。マルエツで買った優駿牛のランプ約150g×2人前に乗っけて、ロッシーニ風にしてみようと。ランプを基本通りに焼いて、休ませている間にグラフォアを調理。マニュアルに書いてある通り、温めたテフロンのパンで片面40秒、返して30秒加熱。調理は至って簡単です。焼き上がったお肉に乗せて、添付のトリュフ入りバルサミコソースを掛けて完成。*ソースは二皿分のステーキに足りる量が入ってます。さて実食!表面の焼き具合は本物のカリッとしたテクスチャーに近い感じですが、中はちょっとボソボソしてます。本物のねっとり感は出てないです。お味の方は、う〜ん。それなりによくできていると思います。とうもろこしの使い方とか工夫の後は見えます。が、主材料の豚脂の香りが鼻につきます。脂の塊感は否めないです。*主材料は、豚脂、次いで鶏レバー。カニカマのフォアグラ版と揶揄されているようですが、その域を出てないなぁというのが素直な感想です。*ソースはちょっと甘味強いですが、よくできてました。トリュフの香りはほのかでしたが。で、こっからは飲食業界人的コメントです。動物虐待との批判があるフォアグラの代替品として、日本の食肉王「日本ハム」が取り組んだ意義はあるとは思いますが、販売ターゲット、戦略が見えてこないんです。1セットの定価が3,200円程度として、グラフォアの重量は4枚で120g。ソース代を400円引いたとして、120gで2,800円なので、1枚あたり700円で、単価は23,000円/kg。昨年よりフランスの鳥インフルの影響でフォアグラの流通がほぼ止まっておりますが、以前はブロックで6000円〜8000円/kg、ポーションカットの製品で10,000円〜15,000円/kgだったと記憶しております。そろそろ輸入が復活してきましたので、インポーターさんのサイトやネット上でも目にするようになってきましたが、ポーションカットの製品で23,000円くらい。もちろん1kgパックの単価ですが、本物とほぼ同じ価格です。カニカマだったら実物の1/10くらいですよね。販売ターゲットが一般家庭としましょうか。料理教室でフォアグラを扱った時もみなさん興味津々でしたが、家庭でフォアグラを焼こうなんて人はかなりのグルメな方でしょう。ポーションカットで1枚ずつパックされた製品、麻布十番のニッシンとか普通に売ってましたし、フォアグラ焼くのってそんなに難しくないので、グルメな方がこの価格でわざわざ模造品を使うとは思えない。デパ地下や青山の紀伊国屋とかで試食販売したら、売れるかなぁ?一方外食向けとすると、以前ガストで大々的にフォアグラ料理やってたことがありましたが、ターゲットはファミレスとか、ちょいグルメバーガー系でしょうか。実際に卸す価格は一般的には定価の4〜6割なので、実勢価格1枚500円前後としても、バーガーであれ、ハンバーグであれ、グラフォアを乗せることで通常の価格に1,000円以上の上乗せとなります。フォアグラの流通が正常化したら、需要は少ないように思います。この価格とこのレベルでは、家庭、外食ともに「話の種に一回食べてみよう」はあると思いますが、リピートとはないかと。そもそも脂の塊、添加物もてんこ盛りで身体にいいこと無いし。製品の原料に高いものはないので、実際の販売価格をどこまで下げられるかが課題でしょうね。とはいえ、あんまり下げちゃうとグルメ感がなくなっちゃう。もちろんこんなこと日本ハムさんも考えておられると思いますが。