乱反射する虚空の心
泣き虫独り纏う幻想
風に垣間見る無我の精神
踊る様に踊る様に
ただその空間に身を捻じ込む
今吾消え去りたまえ
本能と逆回転する気難しい心
乱反射する孤独の叫び
裏返しになった棘
踊る様に踊る様に
八方美人の良い所
今吾消え去りたまえ
不快の色で滲んだ空に
この想いは届くだろうか
気圏を越えて光より速く
この燻る炎は燃え上がるだろうか
黒く上る煙は立ちこめ
今吾を包み込もう
慣れ親しんだ深緑の海
大地を渡る星の群
ただ駆けるだけで泳げた空
もう私の元にそれは無い
今吾を包み込もう
信じていた午後の夢
淡い暑さに揺れる息
この壁さえ無かったなら
今すぐ届くあなたと虚空
踊る様に踊る様に
今吾は咽び泣く
Peace-at-any-price mind-set
どうしようもないくらい軽い体
透けていく熱が上昇する
目の前に広がる風景
空気中を浮遊する惑星
私に笑いかける少女
血まみれの白い花
右手の温度と左手の温度
その大きな差が
私の汚らわしさを物語る
手放せない快楽
薬など要らない、この手で得る
性的な欲求不満
血まみれの子宮
生命が生まれることに躊躇う
この小さな命は誰が守るのだ
恐怖はやがて無感情へ色を変え
やがて自ら手を下す
私はそんな社会現象を
当たり前だと思っている
血まみれの思考
もどかしくて虚しい
他人の愛など求めていない
なのに重なる性的欲求
いくら自分を慰めても
熱が冷めればまた私に
虚空の悲しみが訪れる
私たちは滅びたほうが良いのではないか?
血まみれの涙
減りつつある出生率
世界は正確に進んでいる
人間が一番だなんて誰が決めた?
神だなんて都合のいい話
増えすぎた猿を今滅ぼそう
無駄な知能はやがて
夢も生命も侵食する
血まみれの理想
愛が愛のまま変わらぬことは無い
やがて人間は愛を殺す
蝕んでいく破壊衝動
蝕んでいく性的衝動
声を枯らして涙を枯らして
頭を垂れて喘ぎを殺し
それでも変わらぬ色あせた日常
血まみれの温室
幸せの選択
束の間の夢撥ね退けて
疼く体が夜を行く
点滅する色彩と非現実的な道
螺旋を描く静かな水
手を打ち鳴らせば消える
そんな幻想
銃声は高らかに
心地よく響く貫通音
抉り込む熱い弾丸
新緑の景色が身を包む
忘れられない苦い味
脳裏を掠める他人の気配
そんな幻想
思考の中を誰かが歩く
靴音はいつまでも木霊する
近づき遠退き揺れる波
地球は加速する
そうだね、言い換えれば
地獄へ突き進む
そんな幻想