断片化された情報
視界が霞む視界が霞む
眠らなければ人は壊れる
朝日に狂った体内時計
刻一刻と精神を蝕む
乾ききった心の奥底
求め求めて彷徨い歩く
行き着く場所がアナタなら
それはそれで幸せかもしれない
望まれない存在
私は架空の人物です
ノンフィクションは存在しない
そんな風に謂えたら楽だ
荒れた唇は触れるたび
君の唇を傷つける
何度繰り返しても忘れてしまう
些細なことで壊れる君を
行き着く場所がアナタなら
その時はその時だ
時間が分からずあたりを見回す
時計の無い部屋と鳥の声
凛と張り詰める下弦の月と
闇を深める日食の陽
叫ばずには居られない
精神の開放
身体は此処に置いて行こう
いつか腐り朽ち果てて
又新たに生まれるだろうから
その時までさようなら
軽く手を上げ左右に振れば
視界が歪み地面が波打ち
身体は浮いて地球に沈み
声は連続した早送り
やがてまぶたを開ければ
僕はいつもと同じように
アナタの隣で眠っていた
行き着く場所がアナタなら
まだ救いようがあるかもしれない
呼び声
呼び声とは謂わば死の約束
私の名はいつも
遠く背後からかすかに聞こえる
振り返れば誰も居ない
しかし見知らぬ世界が口を開けている
それはまるで夢のよう
風は渦を巻きやがて朽ちる
その音に身を任せ
また前を向き直る
呼び声とは謂わば死の宣告
私を呼ぶ声はいつも
正体を見せてはくれない
しかしながらそれは
物体の声では無いことを示す
地球の遥か片隅で生まれた声が
私にその終わりを告げるため
じわりと歩み寄り
そっと声をかける
その声に耳を澄ませば
やがて身体は滅ぶ
世界とは脆い
白昼の戯言
交錯する思考と
錯覚を見る僕
僅かだけれど死臭がする
蠅の飛び交う音
体の奥をざらりと撫ぜる
背筋が凍る?
そんな表現は僕に必要無い
引き金はこの身体
さぁ神の言うがままに
血は静かに流れる
さぁ神の求めるがままに