呼び声
呼び声とは謂わば死の約束
私の名はいつも
遠く背後からかすかに聞こえる
振り返れば誰も居ない
しかし見知らぬ世界が口を開けている
それはまるで夢のよう
風は渦を巻きやがて朽ちる
その音に身を任せ
また前を向き直る
呼び声とは謂わば死の宣告
私を呼ぶ声はいつも
正体を見せてはくれない
しかしながらそれは
物体の声では無いことを示す
地球の遥か片隅で生まれた声が
私にその終わりを告げるため
じわりと歩み寄り
そっと声をかける
その声に耳を澄ませば
やがて身体は滅ぶ
世界とは脆い