大変長らくお待たせしました。
話題になったこちらの局面、打白と打1mダマのどちらの選択がが優位かを、「麻雀数理研究会」のnisiさん(@nisi5028さん)に窺いました。



まずは、nisiさんと私のやり取りをご覧ください。
※データ提供:麻雀数理研究会様
※公開の承諾は頂いています
※グレーの吹き出しがnisiさん、青い吹き出しが私です






以上が要点の抜粋になります。
画像が小さいので、こちらに元画像を載せておきます。

【①期待段位P比較】

【②旧nisiシミュレータによる、通常仮定と北家ゼンツ仮定における期待段位P】


色々と数字が並んでいますが要点だけ取り上げます。

「ある二つの条件」を考慮しなかった場合の期待段位Pは、
打白   → -10.296p
打1m → -10.744p

このシミュレーション結果では 0.448p差で打白優位となっているが、オーラスで1p以内は誤差の範囲と言える。

■「ある二つの条件」とは、
①北家がゼンツしてくるであろうこと(北家ゼンツ仮定)
②自家が白連打によるベタオリを見せた場合、西家がツモ直狙いで北家から見逃しをかける可能性があること(西家見逃し仮定)
の二つ。

■旧nisiシミュレータにおける、通常仮定と全ツ仮定との解析結果を比較すると、
打白(ベタオリ)では 4.1543pの悪化
打1mダマ(押し)では 0.9569pの悪化
がそれぞれ見られる。
よって、北家が絶対攻めてくるなら、シミュレーション結果は最初のものより押し(打1m)側優位に働くものと思われる。


ここまでが、nisiさんのご説明で得られた結論になります。
②の「西家見逃し仮定」に関しては、nisiさんは現時点ではシミュレーションが困難とのことで言及されませんでしたが、少なくとも「西家見逃し仮定」でシミュレーションした結果がベタオリ(打白)側優位に働くことはない思われます。
押し(打1m)側優位に働くのはほぼ間違いなく、期待段位pがどの程度変動するのか、の問題だと言えます。

以上を総合して考えた結果、私としては
「微差ながら押し(打1m)優位」
である、という結論に達しました。
皆さんはどう捉えますでしょうか?
天鳳をしていると、最高到達段位と安定段位の大きくかけ離れた人が、最高到達段位に執心しすぎてしまっている様子を見かけることも珍しくありませんが、これってどうなんでしょう?
自慢するだけなら全然良いと思います。(いや、良くはないですが…)
が、これの本当に良くないところは、現時点での自分の実力を過大評価してしまっている可能性が高く、とすると、
 
現時点での実力相応の修練を積むことができない

という点ではないでしょうか。
そうなってしまうと、本来プラスに作用するはずの成功体験がマイナスにすらなりかねません。


一般的に、ある競技において一定の技術を修得した人が急激に下手になる・弱くなるというケースはあまり見かけません。
ですが、麻雀はそれが決して珍しくない競技だと思います。
なぜなら他の競技と比較して運の要素が大きいからです。

自分を過大評価している人が不調に陥ると、その原因が技術的なものであっても単なる不ヅキと片付け、本来は打ち方の修正が必要なのにそれを怠ってしまいます。
自分を過小評価している人が不調に陥ると、その原因が単なる不ヅキあっても自分の実力不足と思い、本来は打ち方の修正が必要ないのに(悪い方向に)修正してしまいます。

つまり…

麻雀は自分の実力を正しく評価できる能力そのものが実力の一部

であり、このように考えると、短期間の運・不運に惑わされることなく、ブレずに適正なバランスで麻雀を打ち続けることは決して簡単なことではなく、況してや長期間安定して好成績を収め続けることは至難の技だと言えるのではないでしょうか。


ボーリングの平均スコア120点の人が、たった一度だけ出した200点をずっと自慢し続けていることってありますよね。
楽しければ良い、上達にそこまで拘っていない、というならそれで良いと思います。
しかし、本気で向上しようと思うなら、傲慢も、過度の謙遜も、過度の楽観も、過度の悲観も、自分自身の正確な実力評価を歪めてしまう可能性のあるものは極力排除する必要があるのではないでしょうか。




■ 直感力
直感力とは、頭で物事をあれこれ考えるではなく、感覚的にパッと思いついたり、機転を利かすことができるのこと。

麻雀、特にネット麻雀の場合、打牌に時間制限がありますので、難解な局面で最善手を選択するのはとても難かしいことです。
しかし、強者と呼ばれる人たちは、非常に高い精度で最善手を選択することが出来ます。
なぜ、強者は非常に高い精度で最善手を選択出来るのでしょうか。

直感力に優れているから

ではないでしょうか。
直感力と言うと、何か霊的なものや超能力を想像するかも知れませんが、そうではありません。
あらゆる局面において、有力な選択肢の期待値を精査し、結論づけ、脳内にストックする、という作業を繰り返すことにより、無数の知識群が有機的に結びつきます。
それにより、難解な局面でも瞬時に高精度な選択をする能力が鍛えられます。
この能力こそが 直感力 と言えるのではないでしょうか。

牌理・牌効率は比較的パターン化しやすいですが、押し引きは様々な要素が複雑に絡み合いパターン化が難しいため、どうしてもミスが増えてしまいがちです。
このミスをどうすれば減らせるか、という命題の有力な答えの一つが 直感力を鍛えること と言えるのではないでしょうか。


なぜ、唐突にこんな話題を持ち出したかと言いますと…
ここ数日、とある「何切る」の最善手を検討していて、有力な選択肢の期待値を求め比較検討するため様々な試算を行っているのですが、よくこんなことを言われるんですね。

対局中にそんな色々考えられないでしょ?

そりゃそうです。ほんの数秒間で考えられるはずがありませんし考えようとも思いません
ですが、こういった訓練を積み重ねることで直感力が鍛えられ、それが成績に反映される日が必ず来ると信じてやっています。
すぐに成績に反映されるものではなく筋トレみたいなものですね。


さて、先ほど触れた「とある 何切る」とはこちらです。
※ 出題者さんは九段なので、ポイント配分は
   90 - 45 - 0 - ▲165 となります

これ難しくないですか?
選択肢は 白 か 1m のほぼ二択ですが、それぞれの期待値がかなりの僅差になると思われます。
Twitterでは打白を支持している方が多いのですが、僕の試算では打1mが僅差ながらも優位、と現時点では結論づけています。
ラス率は打1mの方がやや高いものの、1着・2着になれた場合の期待プラスPが放銃による期待マイナスPを僅かに上回る、という試算になりました。
最初の試算ではパラメーター設定がだいぶ大雑把だったため打1mがかなり優位でしたが、重要な要素を再考しパラメーターの値を再設定したところ相当な僅差になりました。

↓こちらでアンケートを実施していますので、ぜひご協力をお願いします!


実はここでお知らせがあります。
麻雀数理研究会の nisiさんに、この何切るのシミュレーションを正式に依頼してみました!

 ↓ こちらが nisiさん最新のシミュレーションです。

発表はTwitterにて近日中に行う予定です。
僕もどんな結果になるかわからずドキドキしています(笑)
どうぞ結果をお楽しみに!



昨日昼すぎに、朝日新聞のMリーグファイナルステージ冠スポンサー就任が発表されました。


このことの是非を結論から言わせていただきますと、中長期的には大賛成、短期的には反対 という見方を個人的にはしております。
「反対」と言いましたが、正確に表現するなら「諸手を挙げて賛成は出来ない」ということになります。
なぜなら、朝日新聞がMリーグの冠スポンサーを務めることには少なからず問題があるからです。
順を追って説明させていただきます。


こちらのツイートのご指摘通り、朝日新聞と朝日テレビは共に朝日新聞グループであり、同系列の企業同士が興業の冠スポンサーと特定チームのスポンサーを同時に務めることは、公平性の観点から決して好ましいことではありません。
しかも、朝日新聞の冠スポンサー就任はMリーグ発足当初からの規定路線だった可能性が極めて高いんですね。
なぜなら、大和証券が3年契約かつレギュラーシーズンのみのスポンサー契約だからです。
考えてみてください。
レギュラーシーズンに冠スポンサーが付いているのに、より盛り上げなければならないファイナルステージの冠スポンサーが未定のままMリーグを開幕させることなどあり得るでしょうか?
常識的には考えづらいですよね。


そもそも、AbemaTVはサイバーエージェントとテレビ朝日とが共同で出資・運営しており、Mリーグを配信しているこの2企業が同時に特定チームのスポンサーであること自体、身内感が強すぎる印象を拭えませんし、ひいてはMリーグ全体としての公平性にも疑問を持たれてしまいかねません。
更に言えば、AbemaTVと電通・博報堂は資本業務提携していますので、厳しい見方をすれば、Mリーグスポンサー9企業(チームスポンサー7企業+冠スポンサー2企業)のうち、実に半分以上の5企業(※)が言わば「身内」ということになってしまっているのが実情です。
※ サイバーエージェント、テレビ朝日、電通、博報堂、朝日新聞


端的に言ってしまうと、
オリンピック正式種目化を目指す競技のナショナルリーグとしてはあまりにも身内感が強い
②①の弊害として、公平性の担保が難しい
ということですね。
これに関しましては、以前の記事でも同じようなことを述べていますので宜しければご一読ください。


── と、ここまで鼻息荒く批判しておいて突然擁護に回るのも節操がないと思われてしまうかも知れませんが……
この「身内感が強すぎる」というのは、ある意味仕方ないことだとも思うんですね。
なぜならこれは、ほぼゼロベースからスタートしたMリーグが、信じられないほど猛烈なスピードで認知され、社会的な地位を築きつつあることの副作用であるとも言えるからです。
もっと時間をかけて探せば、より多種多様な業界からスポンサーが見つかったかも知れませんが、恐らく、
「多少身内感が強かろうと、一刻も早くリーグを開幕させるのが最優先。問題点はリーグを運営しながら改善していけば良い」
という割り切りのもとに、とにもかくにもMリーグの開幕に踏み切ったのだろうと思うんですね。

正直に言いますと、一視聴者としてMリーグに熱狂する一方で「Mリーグは身内感が強すぎるのでは?」と批判するのは、“ 流石にわがままが過ぎるのではないか?” と、我ながら大きな矛盾を感じているわけでもあります。
「そんな事まで完璧にクリアしようとするなら、Mリーグの開幕などまだまだ漕ぎ着けていなかったぞ!」
と言われてしまいそうですよね。
Mリーグに熱狂する身としては、それを言われてしまうとなかなか返す言葉が見つかりません。


さて、ここで冒頭の「中長期的には大賛成」という主張に戻りますが、朝日新聞がMリーグの冠スポンサーに就任することの恩恵は計り知れません。

例えば ──


こちらのツイートでエピソードが紹介されているように、これまで麻雀にはマイナスイメージが強かったためメディアで大々的に取り上げてもらうことが難しく、そのことが麻雀のメジャー化に大きな障害となって来ました。

ですが ──


近年はこのように、夏の甲子園を主催している朝日新聞が学生麻雀大会の後援をしてくれるなど、風向きが変わり始めていました。


 ↑ こちらは麻雀ウォッチさんの記事から抜粋させていただきました。
どうでしょう。
Mリーグが、より一層の認知度や社会的な地位を獲得するためのパートナーとして、朝日新聞以上の企業を探す方が難しい、とさえ言えるのではないでしょうか。


 ↑ こちらは3年前のデータですが、朝日新聞社は日本で断トツなだけでなく、世界で18位(アジアでは2位)のメディア収入を誇るガリバーメディア企業なんですね。


どうでしょうか。
冒頭の「中長期的には大賛成、短期的には反対」という主張の意味が幾らかでもお分かりいただけたのではないかと思います。

Mリーグの今後の大きな課題としては、
「身内感を薄めて、公平性を保持する」
ということが挙げられるかと思います。
ですがこれは、そこまで特別な対策を講じる必要はなく、Mリーグ人気が高まることで参入企業が増えチーム数が増えていくその過程で、自然と解消されていく課題なのではないでしょうか。
ただし、ある程度チーム数が増えるまでは「身内感の強さによる不公平」が起きないよう、ドラフト制度であったり事前交渉の在り方などのルール作りや透明化に特に注力して欲しいと願います。

一方、われわれ麻雀ファン、Mリーグファンの努めは、Mリーグを応援し盛り上げていくことに加え、公平なリーグ運営がなされているかを絶えずチェックしていくことではないかと思います。

 

前回の記事 ではU-NEXTにはあまり触れませんでしたが、このU-NEXTのMリーグ参入企業内における立ち位置はなかなか面白いですね。

 

先日、Twitterでフォローしていただいているunityさんからこんなご指摘をいただきました。

 

ご存知の方も多いとは思いますが、藤田晋社長にとっての U-NEXT 宇野康秀社長はビジネスを超えた大恩人でありメンターでもあります。

したがって、U-NEXTのMリーグ参入は「宇野 ⇔ 藤田ライン」の影響と見てほぼ間違いないでしょう。

しかし、U-NEXTとAbemaTVとは、映像配信サービス事業において完全なライバル関係にあり、しかも現時点では、AbemaTVが非常に大きくリードしている状況です。

まず何といっても、電通・博報堂との資本業務提携により、莫大な資本・人材・ノウハウなどの注入が可能になり、それにより、より質の高いコンテンツ作りや同業他社に対する圧倒的な競争力保持が可能になりました。

更に、スマホ・PCにおけるサービスや利便性を拡充させる一方で、(従来の主に地上波視聴用) TVという映像サービス最大のプラットフォームにおいても独自の地位を築き上げつつあります。(リンクのツイートをご参照ください)

 

どうでしょう?

ネット映像配信ビジネスにおいて、これはもうAbemaTVの圧倒的独り勝ち状態と言えるのではないでしょうか。

来年以降に発売される高価格帯TVの多くには、デフォルトでAbemaTV視聴機能が備わっていることでしょう。

 

 

 

——— と、ここで冒頭に戻りますが、この状況でU-NEXTがMリーグに参入してきたわけです。

麻雀チャンネルは、AbemaTVの中でも特に人気があり大きな成長も見込め、その中でもMリーグは看板番組に育っていく可能性が大です。

そこにライバルのU-NEXTが協力するということは、友情や信頼関係だけではない何かがあることでしょう。

もちろん、U-NEXTにとってのライバルはAbemaTVだけではありませんが、「名を捨てて実を取る」ということなのか、「パイ(ネット映像配信視聴者層)を拡げることは自社にも利する」ということなのか・・・

厚い信頼関係で結ばれているとは言え、完全なる同業ライバルのお二方。

宇野社長も、のほほんと藤田社長の背中を眺めているつもりは毛頭ないでしょう。

 

Mリーグにおける代理戦争と言えば、

●電通(チーム雷電) VS 博報堂(赤坂ドリブンズ)

●セガサミー(SSフェニックス) VS コナミ(麻雀格闘倶楽部)

この二つに注目が集まっていましたが・・・

 

●サイバーエージェント(渋谷ABEMAS) VS U-NEXT(パイレーツ)

 

実は、この戦いが今、一番熱いのかも知れません。

 

 

つい先ほど、「株式会社AbemaTVと、電通・博報堂DYメディアパートナーズが資本業務提携に合意」という驚くべき発表がありました。

 

趨勢としては、ネットテレビが電波放送(普通のテレビ)に取って変わることは明らかでしたが、逆転する時期はもうしばらく先だろう、と個人的には思っていました。

 

しかし、メディアを牛耳る二大ガリバー企業である電通・博報堂がネットテレビの勇であるAbemaTVと手を組んだということは即ち、「これからは、ネットテレビに巨額の資本や大量の人材・ノウハウを注入をしていきますよ」と言っているようなものですね。

これにより、日本におけるメディアの在り方がドラスティックに変わることは間違いありませんし、それは猛烈なスピードで進んでいくことでしょう。

 

 

と、ここまでは一般的な話しですが、詳しい経緯や予想される影響などにつきましてはニュースや明日の朝刊をご覧いただくとしまして、麻雀界、特にMリーグに与える影響、という側面からこのニュースを考えてみたいと思います。

 

ご存知のように、藤田晋社長は株式会社AbemaTVの代表取締役社長であると同時に初代Mリーグチェアマンであり、更には渋谷ABEMASの監督でもあります。

Mリーグ発足当初から、「一チームの監督がチェアマンを兼任するのは公平性に欠けるのではないか?」という疑問はありましたが、他に適任者もおらず、何はともあれ麻雀ファンにとって夢のようなナショナルリーグが始まる、ということで前述のような懸念はかき消されていました。

しかし、今回の発表で更に事態は複雑化しました。

藤田社長がチーム監督とチェアマンを兼ねることは、決して諸手を挙げて喜べることではありませんでしたが、長年に渡る麻雀界への多大なる功績を考えれば、大多数のファンにとっては十分に納得でき得る範疇ではなかったかと思われます。

しかし、AbemaTVと電通・博報堂が資本業務提携、となると話しは変わってきます。

ついでに言いますと、チームEX風林火山のサポート企業であるTV朝日も、サイバーエージェントとAbenaTVを共同出資・運営しており、藤田社長とは非常に近しい関係です。

 

 

(※ ここからは、推察が含まれることをご了承ください。)

そもそもの話しとしまして、Mリーグ設立と今回の超大型資本業務提携とはワンセットで交渉されていた、と考えるのが自然でしょう。

とすると、Mリーグ立ち上げの経緯も何となく見えてきます。

「サイバーエージェント + テレビ朝日」に電通と博報堂が乗っかり、大筋はこの4企業を中心に決定されていったのではないでしょうか。

また、セガサミーとKONAMIにとってはリターンが十分に見込める案件なので、交渉はそれほど難航しなかったと思われます。

残るU-NEXTですが、自社のコンテンツと相性が良いことに加え、新しいことに積極的に取り組む社風が参加の後押しをした、というところでしょうか。

 

 

さて、Mリーグ参入の(大和証券を除く)7企業のうち実に4企業が、資本や業務において非常に近しい関係にあることがわかりました。

しかも、この4企業は参入企業の中でも発言権の大きな企業ばかりです。

そうなってくると、やはり公平性の担保という点が非常に気になります。

Mリーグは、来期以降も選手枠が増加していくものと思われますが、資本力や発言権の強いチームに人気選手が流れすぎないよう、ドラフト制度であったり事前交渉の在り方などのルール作りや透明化に注力して欲しいと願います。

また、スポンサー企業同士の関係性の近い遠いにより、対局において「見えない力」が働くことだけはファンの立場からすると絶対に許容できません。

そして個人的には、藤田社長はABEMAS監督かMリーグチェアマン、(今すぐではなくとも将来的には)どちらかからは退くべきではないかと思います。もちろん、藤田社長のことですから既に後任候補は考えておられるのかも知れませんが…

 

まだ初年度で参入企業が(大和証券を除くと)7つしかないので、“身内感”が出てしまうのは致し方ない部分もあるとは思います。

しかし、Mリーグはプロスポーツ化を目的としているのですから、利害関係が一致してしまう企業同士が別々のチームをサポートしている、という状況は好ましくありません。

このことについては入念に議論していただき、Mリーグ発展のためにも、ファンのためにも、公平なリーグ運営に努めて頂きたいと切に願います。

萩原聖人さんの対局マナーの悪さは、視聴者の間でこれまでも度々指摘されて来ましたが、現時点では改善する気配は全く見られません。
 
昨日の対局から一夜明け、萩原さんの初トップがヤフートピックスに掲載されました。

 
結局のところ、これがあるから注意できないのでしょうね。
しかし忘れてならないのは、萩原さんが(プロテストで問われるようなことは当然出来ているものとして)プロテストを免除され、特例でプロ入りをしている、ということです。
一般受験者が、プロテストで萩原さんのような粗暴な牌扱いをしていたらたら恐らく落とされることでしょう。
それにも関わらず、プロ麻雀界最高峰(のはず)のMリーグが、プロテストで落とされるようなマナ悪行為を看過する、ということは麻雀プロの存在価値を貶め、延いては自らの首を絞めることにならないでしょうか。
 
Mリーグ発足の背景と目的にこうあります。
 
 
①麻雀の競技化、健全化を図り、麻雀自体の社会的地位の向上
②認知の拡大、新たなファンの獲得
 
②を重視するあまり①を蔑ろにしているのではないでしょうか。
否、長期的に見れば②でも悪影響の方が大きいのではないでしょうか。
例えば、Mリーグで麻雀に興味を持った初心者の女性が、あんな粗暴な牌扱いを見て果たして「雀荘に行きたい!」と思うでしょうか。
 
 
萩原さんが長年に渡り麻雀人気を牽引してきてくれたことは確かですし、自身の麻雀人生を賭けてMリーグを盛り上げていきたい、という決意は尊いものだと思います。
しかしながら、これまでの多大なる貢献を以てすれば何をしても許される、というわけではないと思います。
 
萩原さんは過去の実績に甘えすぎではないでしょうか?
そしてMリーグ側も、萩原さんを甘やかしすぎではないでしょうか?
 
今までは確かに、プロ麻雀界にとって萩原さんは「お客さん」(かけがえのない1/1)という側面もありました。
しかし、プロになったからにはもう、1/2000の麻雀プロの一員として「俺様思考」とは決別してほしい、と切に願います。

タイトルの通り、証券業界第2位の巨大企業である大和証券がMリーグの冠スポンサーに名乗りを挙げてくれました。

このことが発表されたのは、

これは、当日ギリギリ発表でのサプライズ効果を狙ったというよりは、実際にギリギリまで詰めの交渉が行われていた、と見る方が自然ではないでしょうか。

そして、とにもかくにも開幕直前に正式名称が「大和証券 Mリーグ」に変わるという電撃発表により多くの人が度肝を抜かれました。

 

 

 

     ↑

さて、こちらがMリーグ参入企業の売上高になります。(画像は麻雀ウォッチさんの記事からお借りしました)

大和証券の年間売上高は約7000億円ですので、参入企業中第3位のサイバーエージェントの実に約2倍ということになります。

そして、大和証券の規模の大きさもさることながら、着目したいのは「金融業界からの参入」といういう点です。

ご存知のように、Mリーグは「麻雀のクリーン化」を理念として掲げていますので、視聴者に

「金融商品 → 投資 → 儲かったり損したりする → ギャンブル」

というような連想をされることは望ましくないわけです。

そう考えた場合に、金融業の中でも銀行や保険は比較的クリーンなイメージかも知れませんが、消費者金融などはもちろんのこと証券業界もなかなか微妙な位置付けにあると言えるのではないでしょうか。

したがって、番組中のCMで どの程度の表現まで可能か、などの点においてきめ細かな取り決めが交わされたであろうことは想像に難くなく、このことがギリギリの発表になった大きな原因の一つなのかも知れません。

 

そして、このことよりも遥かに意義深いと思うのが、「メディア、アミューズメント関連以外からの参入」であった、という点です。

7チームのスポンサー企業は全てメディアまたはアミューズメント関連企業なのですが、チームの活躍やMリーグの盛り上がりが業績UPに繋がりやすいことから、これは当然と言えば当然ですよね。

ですが、今後チーム数が増え、下部リーグや地方リーグが新設されていく過程においては、少しでも幅広い業種から参入してもらいたいわけです。

 

それこそ、清涼飲料メーカーであったり、

 

メガネ関連企業であったり。

 

こんな具合に、幅広く、そして出来るだけ視聴者の身近な、生活に直結しているような商品を扱うような企業・業種からの参入の増えることが望ましいと思うのです。

個人的には、スーツ・メガネ業界などは特に狙い目だと思いますし、麻雀プロ個人として、或いはプロ団体として、そう言った業界に積極的にアピールしていくことが今後非常に重要になっていくのではないでしょうか。

健康麻雀を強く推進していることで有名な、NPO法人雀新会 の フレムさん さんとちょっとした議論になりました。
発端は ↓ こちらのツイートで、
要約すると、
「風営法を遵守すると、オンレ・ノーレ問わずほとんどの雀荘が潰れてしまう。こんな実態に則していない形骸化した、民業圧迫の悪法は何とか改正するように働きかけていく必要がある」
といった内容。
まあ、「ほとんどの雀荘が潰れる」は少し言い過ぎたかも知れませんが、非常に多くの店舗が、潰れないまでも相当厳しい状況に追い込まれることは間違いありません。
 
ここまで読まれて、「風営法を遵守すると何で雀荘が潰れるの?」という疑問を持たれた方も少なくないと思います。
実は、風営法では雀荘における一人一時間あたりのゲーム代を(全自動卓の場合) 648円までと上限を定めているのです。
雀荘関係者や雀荘によく通う方でしたら、一人一時間の上限が648円では、雀荘経営は相当厳しいし廃業に追い込まれる店も少なくないだろう、ということが細かい計算などしなくても皮膚感覚でわかって頂けるのではないかと思います。
しかし、実際に試算してみるに越したことはないので、このエントリーでは、「フリー雀荘A店」という架空の店舗を想定して試算をしてみたいと思います。
なお、あくまでもド素人による試算ですので、勘違いや誤差が少なからずあることをご了承の上、あくまで「試算の一例」と捉えて頂けると幸いです。
 
 
A店の営業形態は以下の通り
・年中無休、12時間営業(12~24時)
・立地は関東の比較的都市部、最寄りの中規模駅から徒歩3分
・建物は賃貸(賃料は20万円 / 月)
・全自動卓6台稼働。1台50万円(新古品)で購入し12回のローン払い
・フリーゲーム代 400円、トップ賞100円
・セットはフリーと料金体系が異なる
・メンバーは常時3名体制で、メンバーの時給は1000円、二交代制で休憩は30分
・フリードリンク制(お茶、麦茶、コーヒー、紅茶、ジュース数種類程度、アルコールは無し)
・食事メニューは提供していない(持ち込みや出前は可)
 
 
【A店の売り上げ】
・場代
・トップ賞
 
まず1か月の売り上げですが、以下の条件で試算していきます。
①東南戦(オーラスまで行った場合)の1G平均所要時間を30分とする
②トビ終了、60000点終了(コールド)あり
③フリーゲーム代400円 / 1人1G
④トップ賞 / 100円
⑤全ての曜日で開店~閉店まで、平均してマル(メンバー入らず)で2卓(客8名)稼働するものとする
⑥4ゲームに1回程度トビやコールドにより10分程度で終了するゲームがあると仮定し、1Gの平均時間を25分とする
⑦風営法を遵守しない
 
[A]1Gの売り上げ=1700円 ((400円×4)+100円)
[B]1卓 / 1日 のゲーム数=28.8回 (720分÷25分)
 
1日の売り上げ =[A]×[B]× 2卓 = 97,920円
 
1か月(30日)の売り上げ = 97,920円 × 30 = 2,937,600円
 
この 2,937,600円 という金額が、A店が風営法を遵守しなかった場合の1か月の売り上げになります。
 
 
次に、風営法を遵守した場合ですが、この場合トビやコールド終了を廃止する必要が出てきます(平均ゲーム消化時間を長くするため)。
トップ賞も廃止しなければなりません。
東南戦の平均時間を30分と見積もった場合、風営法で定める1時間630円を下回るためには、ゲーム代をMAXでも300円程度に抑えなくてはなりません。
 
では、風営法遵守の前提で、1か月の売り上げを再度試算してみます。
 
[A]1Gの売り上げ=1200円 (300円×4)
[B]1卓 / 1日 のゲーム数24回
 
1日の売り上げ =[A]×[B]× 2卓 = 57,600円
 
1か月(30日)の売り上げ = 57,600円 × 30 = 1,728,000円
 
この 1,728,000円という金額が、A店が風営法を遵守した場合の1か月の売り上げになります。
 
以上の試算より、A店の1か月の売り上げは、
・風営法を遵守した場合 → 約173万円
・風営法を遵守しなかった場合 → 約294万円
と、実に120万円以上の差が出ることがわかりました。
 
 
続いて経費を試算してみます。
 
【A店の経営にかかる経費】
①人件費
②賃料
③全自動卓のローン支払い
④光熱費
⑤ドリンク調達代
⑥広告費(麻雀王国の雀荘検索)
⑦イベント還元費
⑧ポイント還元費
⑨書籍代
------------------------------------------------------
[10]ゲスト報酬
[11]広告(近代麻雀など)
 
①~⑨は、ほとんどの店舗でかかるであろう経費で、比較的大きな出費のみ挙げてみました。
10 , 11 は、店舗によって状況が大きく異なると思われます。
従って、まずは①~⑨のみを試算してみることにします。
 
①A店は、常時メンバー3名体制で12時間営業です。
開店~閉店まではメンバー3名、開店前に1時間早く出勤するメンバーが1名、閉店後に一時間残るメンバーが1名いるとします。二交代制で一人の休憩時間は30分。
その場合、1日の人件費は
(38時間 × 1000円) - (500円 × 6回) =35,000円
となり、1か月(30日)の人件費は105万円になります。
 
賃料に関しては、店舗ごとに大きく事情が異なるので画一的な試算は出来ませんが、あくまでA店のケースとして考えてみます。
関東の比較的都市部で中規模駅から徒歩3分、全自動卓を6台設置するスペースがあるのですからなかなかの物件です。20万円前後が相場でしょうか。
 
③そこそこ人気の全自動卓6台を新古品として1台50万円(計300万円)で購入し、12回ローンを組んだとすると、1か月の支払いは(頭金にもよりますが)20万円くらいでしょうか。全自動卓のローン返済額は月額20万円とします。
 
④厨房がなければ、雀荘は比較的光熱費(電気・水道・ガス)は抑えられそうですが、それでも月に3万円くらいは掛かるのではないでしょうか。光熱費は3万円とします。
 
ドリンク調達代も、店舗がこれを売りにしているかどうかで経費が大きく変わって来そうですが、A店の状況ではザックリ言えば平均1杯10円、1日100杯提供して1,000円、1か月では3万円としておきます。
 
麻雀王国の掲載費は都市部だと年額48,000円だそうなので、月額だと4,000円ですね。
 
イベント還元は完全にピンキリですが、A店の場合は1週間に1万円程度還元するものとします。1か月で約4万円ですね。
 
ポイント還元もかなりピンキリ(3~20万円くらい)ですが、A店では月5万円程度とします。
 
書籍代は、近代麻雀2冊(1,040円)と漫画2冊で月平均2,000円とします。
 
 
①~⑨を合計すると約164万円となり、風営法を遵守した場合の売り上げ約173万円でギリギリ賄えるかどうかというラインであることがわかります。
この164万円という数字はかなりカツカツで経営している前提で試算していますし、急な出費や雑費などは一切計上していません。
メンバーを1人でも増やしたら完全に赤字になります。
雑費にしても、文房具・おしぼり・洗剤・布巾・エプロン(ユニフォーム)・Wi-Fi使用料・固定電話代などいくらでもありますし、メンバー待遇も、時給以外に交通費や特別手当て、保険や年金、その他福利厚生を店が負担している場合もあるでしょう。
また、プロを常駐メンバーとして雇用している場合は、当然アルバイトより人件費が嵩みます(知名度などにもよりますが、8時間勤務で12,000円程度でしょうか?)
 
更に、近代麻雀などに広告を出したりゲストプロを呼んだりすると非常に経費がかかります。
近代麻雀への広告出稿は1/4ページで3万円前後(ソースが怪しいので違ったらゴメンナサイ)、
ゲストプロは完全にピンキリですが2~10万円くらいはかかるそうです。
また、学生割り引きや女性割り引き、半額キャンペーンなどもありますし、他にも私の知らない様々な出費があるだろうと思います。
 
つまり、売り上げはほぼ増える要素がないのに、売り上げが減ったり経費が増える要素はいくらでもある、というわけです。
 
 
いかがでしょうか。
ここまで読んで頂けたなら、
・風営法が如何に実態に則しておらず徒に民業を圧迫しているか
・風営法をバカ正直に遵守したら、オンレ・ノーレ問わず、非常に多くの雀荘が窮地に立たされてしまう
ということがご理解頂けたのではないかと思います。
 
 
そしてこの場をお借りして、常日頃から私が強く思っていることを追記させて頂こうと思います。
 
ノーレ推進派とオンレ愛好家は、同じ麻雀愛好家であるにも関わらず、理念や利害の対立する部分が少なくなく、対立してしまうことも珍しくありませんよね。
これはある程度は仕方ないことだと思うのですが、マクロの視点で、また中長期的に、麻雀業界の発展・麻雀界の市場規模拡大を考えた場合に、この対立がプラスに作用するとは到底思えないのです。
 
ノーレ推進派の一番の主張は「賭博は違法」ということではないでしょうか。(もちろん他にもたくさんあるでしょうが)
しかし考えてみてください。
「賭博は違法」ということで、法律を盾に取ってオンレ愛好家やオンレ店を批判するのなら、風営法を遵守していないノーレ愛好家やノーレ店はどうなるのですか?
風営法を遵守していない(多くの)ノーレ店も同じように批判しないと説得力に乏しくありませんか?
 
賭博罪と風営法を同列に扱うな!
ギャンブル依存症の問題はスルーか!
 
こんな声が聞こえてきそうです。
確かにギャンブル依存症は深刻な問題ですが、本当にギャンブル依存症患者を日本から減らしたいなら、働きかけるべき対象は、パチンコであり公営ギャンブルであり課金ゲーです。
特にパチンコは、全国津々浦々で誰でも気軽に興じることが出来る世界最大のギャンブルなのです。
パチンコ業界の市場規模はざっと20兆円。
この数字は世界140カ国に存在するカジノを全て合計した市場規模とほぼ同じです。
対して、麻雀業界の市場規模はたった500億円。実にパチンコ業界の1/400です。
 
規模の問題じゃない!
賭け麻雀で人生を狂わせる人が少なからずいるのは事実だろう!
 
と、これまた反論されてしまいそうです。
それはその通りですよね。
ですが、賭け麻雀で人生を狂わせる人は賭け麻雀がなくても他の何かで人生狂わせますよ。
 
 
そして結局、法律を盾に取った場合、お互い「スネに傷を持つ身」になってしまいますし、今一つ発展的な議論に繋がらないような気がします。
 
 
麻雀は賭けて遊んでも楽しいですし、賭けなくてもたまらなく面白いゲームだと思います。
麻雀自体にそういう多面的な魅力があるので、これは仕方ないことだと思うんですよね。
 
とは言え、ノーレ推進派の言いたいこともわかります。
ギャンブル・タバコ・徹夜と言ったネガティブなイメージが、知的・健康的なゲームとしての麻雀の普及に悪影響を与えている、という側面があることは確かだと思います。
ですが、それはオンレ愛好家やオンレ店が全滅しなければ絶対に達成出来ない目標なのでしょうか?
オンレ麻雀しかやらない人でも、ノーレや健康麻雀の普及・発展を応援している人はたくさんいます。
それに、今はオンレ派だけど老後はノーレ・健康麻雀にシフトする、という層は今後増えていくと思いますよ。
 
同じ麻雀愛好家なんですから、批判や対立をするより、認めるところは認めて共存共栄の道を一緒に模索して行きませんか?
元広島の黒田博樹投手は非常に紳士的な選手として知られ、審判に抗議することなどはほとんどなかった。
その黒田がヤンキース時代に、たった一度だけ審判にブチ切れたことがある。
8回2死までほぼ完璧なピッチングを繰り広げ、この打者を抑えれば先発の仕事を完遂、という場面で迎えた敵チームの主軸。
2ボールからの3球目、148キロのシンカーが真ん中低めに決まったように見えたが判定はボール。
直後に左翼線二塁打を許し交代する際、ベンチへ戻る黒田に球審が声を掛けた。
「たかが1球だろう!」と。
この一言にブチ切れてしまったのだ。
「こっちはその1球を投げるためにたくさん調整して、いろんなデータを取っている。それを軽く言われるのはちょっと…」


閑話休題。今回のウザク本パクり案件。
「たかが何切るくらいで…」と思う人も、もしかしたらいるかも知れない。
しかし、たった一問の何切るを生み出すためにどれだけ心血が注がれていることか。

牌姿を起こすところから始まり、
シミュレーションにかけ、
複数の専門家に検討を依頼し、
例外がないかを確認し、
巡目やドラも再確認・再調整し、
少しでも短くてわかりやすい解説文に腐心し、
その上で更に、「商品としての何切る」たり得るかを再確認する。

これだけのことをして、やっとウザク本の何切るが生み出されているのだ。
いや、これはあくまでも私の想像に過ぎず、実際には更に数多くのチェック項目が存在することだろう。
これだけ心血を注ぎこだわり抜いた作品が丸々コピペされ、あまつさえ全国の書店に堂々と並んでいるとしたら…
そして、それがなあなあで済まされてしまうとしたら…
著者はいったい、心のやり場をどこに持っていけば良いのだろう。
お金で誠意を見せるのはもちろん大切なことだと思う。
でも、それ以上に大切なのは、自分たちが軽い気持ちでコピペした作品を作り上げるのに著者がどれだけのリソースを注ぎ込んだかを理解し、そこに対するより一層のリスペクトと謝罪の意を表すること。
これではないだろうか。

断じて、「たかが何切る」ではない。